インフルエンザの解熱にポンタールは危険!飲んでしまった場合の対処法は?

インフルエンザのときに解熱剤ポンタールを避けるべき理由を薬剤師監修のもとわかりやすく解説!ポンタールを飲んでしまった場合の対処、インフルエンザの解熱に使える解熱剤も紹介します。

インフルエンザの特徴の一つとして、発症から数時間~1日ほどで出る高熱があります。

インフルエンザや風邪など感染症による発熱は体の防御反応なので、基本的には薬で熱を下げずに安静にしていることが良いと考えられています。

しかし、39℃以上の高熱が出ると意識がもうろうとしたり、頭痛や関節痛などの症状がつらくて眠れないこともあります。高熱などが原因で眠れずに十分な休養が取れないと、インフルエンザからの回復が遅れてしまったり、免疫力が下がって合併症を引き起こす危険性もあります。

そんなときは、解熱剤を使って熱症状を緩和させることも治療を助ける選択肢の一つ。

しかし、解熱剤の中にはインフルエンザの解熱に使うことが禁忌とされている薬もあるので注意が必要です。

ポンタールはインフルエンザには使えない!

ポンタール(成分:メフェナム酸)は、抗炎症・鎮痛・解熱効果のある解熱鎮痛薬です。

ポンタールは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイズ)に分類される薬です。NSAIDsは優れた解熱・鎮痛作用を持ちますが、一部のNSAIDsはインフルエンザ脳症の予後を悪化させたり、ライ症候群を引き起こすおそれがあります。

そのため、厚生労働省ではインフルエンザを発症している子どもには、ポンタールなど一部の解熱剤を使用しないことと定めています。

なお、成人でもインフルエンザ脳症を発症するおそれがあるため、特別な理由がなければインフルエンザのときにポンタールが処方されることはほとんどありません。

子どもに多いインフルエンザ脳症とは?

インフルエンザ脳症はインフルエンザの合併症のひとつです。けいれん、意識障害、異常行動などの神経症状が急速に進行し、多臓器不全を起こすなど、最悪の場合は死に至るケースもあります。

インフルエンザ脳症を発症する8割の方が5歳までの子どもで、特に1~3歳の乳幼児に多くみられます。ただし、20歳以上の成人でも毎年10〜35%の発症報告があります。

中でも60歳以上の高齢者は割合が多く、ほかにも疾患がある方や免疫力の落ちている方なども発症しやすい傾向があります。

インフルエンザ脳症の詳細については関連記事をごらんください。

ポンタールを飲んでしまった場合はどうする?

インフルエンザを発症しているときや、インフルエンザの発症が疑われるときなどにポンタールを飲んでしまった場合でも、過度に心配する必要はありません。

インフルエンザのときにポンタールを使用してしまったからといって、インフルエンザ脳症やその予後悪化を必ず引き起こすというわけではありません。まずは落ち着いて、けいれんや意識障害など、インフルエンザ脳症が疑われる症状が現れないか経過を観察しましょう。

体調に変化がなければ通院などの特別な対処をしなくても問題ありませんが、不安なことがあれば医療機関を受診しましょう。

なお、インフルエンザ脳症・脳炎では、激しい嘔吐、けいれん、意識がもうろうとする・なくなるなどの初期症状が現れます。インフルエンザ脳症・脳炎が疑われる初期症状が現れた場合は、救急車を呼ぶなどすぐに対処してください。

インフルエンザの解熱に使える成分は?

インフルエンザの解熱には、アセトアミノフェン成分の薬がお勧めです。アセトアミノフェンは効果がゆるやかで副作用も少ないことから、厚生労働省からもインフルエンザの解熱剤として推奨されています。

アセトアミノフェンを主成分とした解熱剤にはカロナールやアルピニーなどがあり、医療機関では抗インフルエンザ薬と一緒に処方される機会も多くあります。

また、市販薬の中にもアセトアミノフェンを主成分とした製品があります。休日で医療機関を受診できない場合など、応急処置として市販薬を活用することも可能です。

アセトアミノフェンの市販薬の詳細については関連記事をごらんください。

インフルエンザの解熱に使えない成分

インフルエンザの解熱に使用できない成分には、ポンタールの成分であるメフェナム酸のほかに、サリチル酸系の成分やジクロフェナクナトリウムがあります。

これらの成分は処方薬だけでなく、市販の解熱鎮痛剤や総合風邪薬にも配合されています。インフルエンザが疑われるときに薬を使う場合は、必ず使用前に成分を確認しましょう。

【インフルエンザで避けるべき解熱鎮痛剤】

成分名 代表的な製品
アスピリン(アセチルサリチル酸/サリチル酸系) アスピリン、バイアスピリン、バファリン配合錠 など
サリチルアミド(サリチル酸系) PL配合顆粒、幼児用PL配合顆粒、ピーエイ配合錠 など
エテンザミド(サリチル酸系) エテンザミド など
(市販薬にも使われる成分なので要注意!)
ジクロフェナクナトリウム ボルタレン、ナボール など

なお、市販の風邪薬については関連記事をごらんください。

おわりに

インフルエンザのときに解熱剤を使用する際は、必ず成分を確認しましょう。

また、解熱剤は使いすぎると体温が低くなり、体の免疫機能も十分に働かなくなってしまうことがあります。

免疫が十分に働かないと症状が悪化したり回復が遅くなってしまうことにもつながります。解熱剤は39℃以上の高熱や発熱によって眠れないときなど、どうしても必要な場合に限定して使いましょう。

解熱剤や市販の風邪薬は症状を和らげる薬であり、インフルエンザのウイルスを減らす薬ではありません。

ウイルスに直接効果がある薬はタミフルやリレンザなど、医療機関で処方される抗インフルエンザ薬だけなので、インフルエンザが疑われた場合は医療機関を受診しましょう。

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