咳や鼻水・のどの痛みもなく、熱だけが出たときに、最初に思いつく病気といえば風邪ではないでしょうか。

しかし、11月〜3月の流行期や周りにインフルエンザにかかっている人がいる場合は、インフルエンザの感染を疑う必要があります。

風邪だと自己判断して適切な治療をしないでいると、完治が遅れたり重症化するおそれがあります。

この記事では、熱だけが出た場合のインフルエンザの可能性や対処法について解説します。

インフルエンザの熱については関連記事をごらんください。

熱だけの症状でもインフルエンザの可能性あり!

インフルエンザは風邪と同様に、咳や鼻水、のどの痛みなどの症状も現れます。ただし、症状には個人差があり、熱だけしか症状が現れないこともあります。また、症状の程度にも個人差があり、風邪との見分けがつかずに少し重い風邪と勘違いしてしまうこともあります。

11〜3月のインフルエンザが流行している時期や、家族など一緒に生活している方がインフルエンザを発症した場合は、インフルエンザ感染の可能性があるので注意が必要です。

発熱にともなう以下のような全身症状がある場合は、インフルエンザ感染の可能性が高くなります。

・関節痛、筋肉痛(じっとしていても痛む)
・倦怠感
・脈が早い
・悪寒・寒気

予防接種を受けていた場合

事前にインフルエンザの予防接種を受けていた場合は、ワクチンの効果で症状が抑えられます。筋肉痛や関節痛、鼻水やのどの痛みなどが出ずに熱だけが出ることもあります。

インフルエンザの予防接種の効果については関連記事をごらんください。

インフルエンザB型だった場合

冬に流行するインフルエンザの種類にはA型とB型があります。A型の特徴は、突然38℃〜40℃の高熱が出る、全身の筋肉痛や関節痛など、比較的激しい症状が特徴です。

B型の症状はA型の症状と共通することもありますが、熱は38℃程度のことが多い傾向があります。また、発熱しないケースもあります。A型と比較すると熱が高くない分、筋肉痛や関節痛などの全身症状が重くならない場合もあります。

なお、下痢や嘔吐などの消化器症状が出やすいこともB型の特徴です。

インフルエンザB型の症状について詳しくは関連記事をごらんください。

インフルエンザの熱で気をつけたい症状

熱性けいれんについて

熱性けいれんとは子どもの発熱時に注意すべき症状です。子どもの熱が上がった時に手足が突っ張り、全身にけいれんがみられることが多く、白目をむいたり、唇が紫色になり、意識を失うことがあります。

通常は数分程度で治まりますが、5~10分以上続いたときは別の病気が原因となっているおそれがあるため、すみやかに病院を受診してください。また、立っている時に熱性けいれんが起きると、倒れたときに怪我をするおそれもあります。

高熱がでた場合は症状の経過をしっかり確認し、10分たって呼びかけても意識が戻らない場合や、一度おさまったけいれんが再発した場合は、病院に連絡してください。

インフルエンザの合併症の併発

特に子どもがインフルエンザを発症した場合、症状が悪化すると「インフルエンザ脳症」を併発するケースがあります。インフルエンザ脳症では、まひ、運動障害、知的障害など重い後遺症が残ったり、最悪の場合は命に関わることもあります。

その他、気管支炎、関節炎、中耳炎、副鼻腔炎、胃腸炎、心筋炎などもみられます。高齢者では肺炎を併発することが多く、インフルエンザの死亡原因の90%を占めています。

インフルエンザ脳症について詳しくは関連記事をごらんください。

熱だけで元気なときはどうする?

元気なときでも病院を受診する

筋肉痛や関節痛などの全身症状がなく、熱だけがでている場合は、無理をして仕事や家事を行ってしまう方もいます。

しかしインフルエンザの場合は、放っておくと重症化につながったり完治が長引くおそれもあります。また、インフルエンザに感染している状態で外出すると感染拡大にもつながります。

インフルエンザの発熱が疑われたら、必ず病院で検査を受けましょう。

また、乳幼児は、熱があっても機嫌がよかったり元気がある場合もあり、重い病気をわずらっているのか判断しづらいことも少なくありません。

しかし、いつもに比べて食欲がなかったり、ちょっとした変化がみられる場合もあるので、熱だけで比較的元気な様子でも病院を受診することをお勧めします。

特に、小さい子供がかかりやすい合併症「インフルエンザ脳症」は、インフルエンザの発症から数時間で引き起こされる事もあり、放置すると死にいたるおそれもあるので注意してください。

解熱剤は使うべき?

体内では強いウイルスの感染を受けると高熱を出し、ウイルスの増殖を抑えようとします。インフルエンザで高熱が出るのも、その作用のひとつです。

体温の上昇を無理やりおさえると、免疫の活動が阻害されウイルスの増殖をすすめることにもつながります。インフルエンザの熱に解熱剤を使う場合は、熱が38.5度を超えて著しく体力が消耗していると判断されたときなどです。

また、インフルエンザのときには解熱剤の成分にも注意が必要です。解熱剤の成分によってはインフルエンザ脳症の予後悪化やライ症候群の併発など重篤な合併症につながるおそれがあります。

症状が熱だけだからといって自己判断で解熱剤を使用せずに、病院でインフルエンザの検査を受けることをお勧めします。

インフルエンザのときに使える薬や使えない薬について詳しくは関連記事をごらんください。

インフルエンザの熱が下がっても要注意!

熱が下がってもウイルスは残っている

インフルエンザの場合は、熱が下がった後も2〜3日は体内にウイルスが残っている状態です。ウイルスが残っている状態のうちは、他人にうつしてしまうおそれがあります。

熱が下がってから2日間は、外出を控え自宅療養することが望ましいです。

熱のぶり返しに注意

 インフルエンザに感染した場合、二峰性発熱と呼ばれる熱のぶり返しが起きることがあります。

インフルエンザにかかった場合、個人差はありますが、3〜5日で熱が下がり始めます。その後、特に免疫力の低い幼児がインフルエンザに感染した場合、半日〜1日後に熱がぶり返すことが多くあります。

熱をぶり返してしまうと完治するまでに時間がかかりますが、なるべくこまめに水分補給をして発汗作用をうながすことで熱を下げ、無理をせず安静にして完治を目指しましょう。

おわりに

インフルエンザの症状の出方には個人差があります。筋肉痛などの全身症状が出ずに、熱だけの症状になることもあります。

子どもは熱が出ていても元気なことがありますが、インフルエンザの場合は適切な治療をしないと重症化するおそれもあります。インフルエンザの感染が疑われる場合は、早めに病院を受診しましょう。