インフルエンザにかかったあと、なにか食事をしても味を感じない、いつもと違うような味がすると感じた経験はありませんか?

実はインフルエンザにかかったあとに、味覚がおかしくなるケースがあります。

この記事では、インフルエンザを起こすと味覚がおかしくなる原因や対処法などについて解説します。

味覚を感じる仕組みとは?

味覚を感じるには、嗅覚の感覚も強い関わりがあります。

舌の表面の大部分は、多くの味蕾という細胞に覆われており、味覚受容体には、甘味、塩味、酸味、苦味、風味(旨味)の5種類の基本的な味を感知する働きがあります。

鼻には、内側を覆う粘膜に嗅覚受容体と呼ばれる神経細胞があり、においを感知します。

味覚や嗅覚の感覚情報はともに脳へ送られ、脳で一つに統合されることにより風味として認識し、味わうことができます。塩味、甘み、苦味、酸味などの味覚は嗅覚がなくても感じることができますが、複雑な風味は味覚と嗅覚の両方の認識が必要になります。

インフルエンザで味覚障害になる原因は?

嗅覚に異常が起こる

インフルエンザウイルスは、鼻の内側の粘膜にある嗅覚の神経細胞に一時的な障害を起こすことがあります。また風邪の症状でも同様ですが、鼻水などで鼻腔が詰まることで、においが嗅覚の受容器に届かなくなり嗅覚が低下します。

においがわからなくなると味覚にも影響があるため、インフルエンザを発症した後の数日から数週間は、味覚や嗅覚がおかしいと感じることが多くあります。

通常、味覚障害は一過性のものですが、まれに嗅覚や味覚の消失が長く続くこともあります。

抗インフルエンザ薬の副作用

特定の薬の使用により、味覚や嗅覚が消失する原因になることがあります。

抗インフルエンザ薬であるリレンザは、副作用として嗅覚障害が0.1%程度報告されており、海外の臨床試験データでは1%未満の味覚障害が報告されています。

また、イブプロフェンなど一部の解熱鎮痛薬の副作用として、味覚異常がわずかに報告されています。

発生頻度は非常に低いですが、薬の副作用としての味覚障害や嗅覚障害の疑いを感じた場合は、早めに医師に相談しましょう。

亜鉛などの栄養不足

体内に亜鉛が不足することで、舌の表面の味蕾(みらい)の新陳代謝が十分に行われなくなると味覚に障害が起きます。亜鉛以外にも銅、ニッケルの濃度の低下などによっても味覚と嗅覚に変化が起こることがあります。

味覚障害を起こす人の多くは、食生活の乱れによる亜鉛不足が原因になるといわれています。インフルエンザのつらい症状で食欲がなくなり、栄養不良が起こることで味覚に異常が起こるおそれがあります。

インフルエンザで味覚障害になったときの対処法

インフルエンザのときに味覚がおかしいと感じたら、症状がおさまるのを待ちましょう。

通常数日から数週間で味覚は自然に回復します。

ただし、インフルエンザが治っているのに、味覚が感じられない状態が続く場合は、においの細胞や神経に何らかの障害が起こっていると考えられます。インフルエンザで受診した医療機関か、耳鼻咽喉科へ相談することをお勧めします。

また、リレンザなどの抗インフルエンザ薬が原因の可能性がある場合は、薬を処方した医師に早めに相談しましょう。

医療機関を受診すること以外では、口内の乾燥を防ぐために飴を舐めることも有効です。

また、血液中の亜鉛の欠乏が原因による味覚障害のときは、亜鉛の飲み薬が処方されます。日頃から亜鉛不足にならないように、亜鉛のサプリメントや、魚介類、海藻類、牛肉、大豆、ナッツ類、乳製品などの亜鉛が多く含まれる食品を意識して摂取することも大切です。

味覚障害と亜鉛の関係について、詳しくは関連記事をごらんください。

おわりに

インフルエンザだけでなく、風邪などの症状によって一時的な味覚障害が起こることはよくあります。

症状が治って数週間経過しても味覚や嗅覚が改善しない場合は、早めに医療機関に相談しましょう。