熱で眠れないときの対処法

インフルエンザは38℃以上の高熱が現れることが特徴です。寒気があるときや、熱を感じるときのタイミングにも注意して対処しましょう。

寒気を感じる・熱の上がりはじめは温める

寒気のあるときは保温して、体熱感があるときは身体を冷やして体力の消耗を防ぎます。

手足が冷たく震えたり顔色が悪い場合は、寒気を感じている状態で熱の上昇期といえるので、体を温めましょう。寝る前には部屋を温めて、布団を厚くしてください。

熱を感じたら冷やす

体感として熱を強く感じて苦しいときは体を冷やしましょう。顔色が赤くなっていたり、手足が温かいときは熱が上がった状態です。

冷却材を巻いたタオルなどで太い血管が通っている首の付け根、脇の下、太ももの付け根などを冷やすと、体温を下げる効果が期待できます。

暑くて苦しいときは布団を薄くして、汗をかいたらこまめに着替えましょう。

解熱剤の使用は本当に苦しいときだけ

インフルエンザのときは、むやみに解熱剤を使って熱を下げることはせず、自然と熱が下がるのを待つことが望ましいです。

人間の身体は強いウイルスの感染を受けると、高熱を出すことでウイルスの増殖を抑えようとします。そのため、無理に熱を下げることがかえって症状を長引かせるおそれもあります。

解熱剤は、38.5℃以上の高熱でどうしても苦しくて眠れない場合のみ使用することを推奨します。

◼︎解熱剤を使用する際の注意点

解熱剤は医師に処方された薬を使用してください。医療機関で以前に処方された解熱剤を、余っているからと自己判断で勝手に使用することはやめましょう。

インフルエンザに使える解熱鎮痛剤は、アセトアミノフェン、イブプロフェンなどの成分が推奨されています。ロキソニンに代表するロキソプロフェンは、医師によって使用有無の見解がわかれているのが現状です。

また、インフルエンザにアスピリン、エテンザミドなどのサリチル酸系、ジクロフェナク、メフェナム酸といった解熱鎮痛剤の使用は、ライ症候群を引き起こしたり、インフルエンザ脳症の予後を悪化させるおそれがあることがわかっています。インフルエンザの際は使用を避けた方がよいでしょう。

アスピリン、エテンザミドなどの成分は、市販の風邪薬などにも含まれていることがあるので注意してください。

◼︎赤ちゃんや子どもの解熱剤の使用

赤ちゃんや子どもも38.5℃以上の高熱でぐずって眠れないときや、苦しそうにしているときにのみ解熱剤を使用しましょう。市販の解熱剤は使用せずに、必ず医師から処方された薬を使用し、用量用法や使用間隔などをしっかり守ってください。

子どもは大人より使用できる解熱剤の成分が限られます。子どもに推奨される解熱剤の成分は、アセトアミノフェンの成分のみが含まれている薬です。アンヒバなどのアセトアミノフェンを有効成分とする座薬も、子どもへの解熱剤として広く使われています。

アンヒバについては関連記事をごらんください。

頭痛・腰痛・関節痛・筋肉痛など痛みで眠れないときの対処法

インフルエンザの頭痛は、痛みがとても強く重症化しやすいという特徴があります。頭痛は解熱後も続くため、熱が下がっても眠れないことが多いことがあります。

またインフルエンザでは、腰痛をはじめとする関節痛や筋肉痛も起こります。体を動かしていなくても、じっとしているだけで痛みが出るのが特徴です。

痛いところを冷やす

インフルエンザによる痛みは炎症が原因なので、痛い部位を冷やすことで血管の拡張をおさえると、痛みの緩和につながります。冷却剤にタオルを巻いてじわじわ冷やすとよいでしょう。

解熱鎮痛剤の使用

インフルエンザによる頭痛や関節痛・筋肉痛などの痛み止めには、解熱鎮痛剤が効果を現します。

痛みを引き起こす原因は、インフルエンザウイルスではなくプロスタグランジンという物質です。インフルエンザウイルスなどの異物が体内に入ると、身体は痛みを発生させるプロスタグランジンを生成します。

解熱鎮痛剤は、プロスタグランジンの生成をおさえる働きがあります。ただし、解熱鎮痛剤の中にはインフルエンザのときに使用すると合併症などを起こす危険性のある成分もあります。市販の解熱鎮痛剤や手元にある薬を使用する場合は使用されている成分に注意が必要です。

インフルエンザのときの関節痛などの痛みについては、関連記事をごらんください。

鼻水・鼻づまりや咳・喉の痛みで眠れないときの対処法

インフルエンザは普通の風邪と同じように、鼻水、咳、喉の痛みなどの症状もみられます。

部屋の加湿

空気の乾燥は、鼻や喉の防御機能を低下させ、鼻づまりや喉の痛みにつながります。喉の腫れや鼻水などは咳を出やすくさせます。

部屋を乾燥させないためには加湿器を活用し、適切な湿度とされる50~60%を保つことが効果的です。加湿器がない場合は、濡れタオルや洗濯物を干す、お風呂のフタを開けておく、やかん・電気ケトルでお湯を沸かしてフタを開けておく、水を入れたコップを置くなどで部屋の湿度を少し上げることができます。

水分補給

食事は無理にする必要はありませんが、水分はたくさんとることを心がけてください。

水分は乾燥から粘膜を守り、保護する作用も高まります。痰がからんでつらいときは、水分を多めにとると痰が出やすくなります。お湯に蜂蜜や砂糖を溶かしたものを飲むこともいいでしょう。

高熱の場合は発汗するために脱水症状を起こしやすくなるので、こまめな水分補給は大切です。

咳がひどいときは横向きに寝る

寝るときに咳が出る原因は、自律神経のひとつ・副交感神経にあります。リラックス状態のときに優位になる副交感神経には、気管支を収縮する働きがあるのです。

横向きに寝ることで、気管支の収縮を避ける対策になります。

また、呼吸が苦しかったり鼻づまりがひどいときは、頭が普段より高くなるように枕を起き、痰や鼻水などが喉にからみにくくなるようにしましょう。

薬の使用について

咳止めや鼻づまりの薬も、医師に処方されたものを使用しましょう。

もし、夜間など病院があいていない場合は、ドラッグストアなどの薬剤師・登録販売者に相談しましょう。

タミフルなど抗インフルエンザ薬の副作用による不眠

タミフル、リレンザなど抗インフルエンザ薬には、発生頻度は1%未満ですが、不眠の副作用が報告されています。

不眠の症状が軽いようなら、まずは薬を使用しながら様子をみてください。不眠以外にも違和感があるようなら、薬を処方された医師に中止の検討も含めて相談しましょう。

おわりに

インフルエンザの症状は強烈で、ときに眠れないほどの苦しさや痛みをもたらします。薬に頼りたくなりますが、インフルエンザウイルスに効果がある薬は抗インフルエンザ薬のみです。解熱鎮痛剤などは、一時的に症状をおさえるだけであり、発熱がつらくない場合の使用は好ましくありません。つらい症状のピークは2〜3日なので、対処法を実践して乗り切りましょう。