インフルエンザの症状は、発熱・頭痛・関節痛・咳・鼻水などが3〜5日間続き、発症から5日程経つと症状が落ち着いて回復に向かっていきます。

発熱中はベッドから出られないほどのつらい症状が現れることが多いため、体調が良くなってくると仕事や家事、外出などと普段のように行動したくなるもの。

しかし、治りかけのインフルエンザにこそ注意が必要!完治する前に普段通りの生活をすると、感染を広げてしまったり悪化したりするおそれがあります。

この記事では治りかけのインフルエンザにみられる症状や注意点、感染拡大を防ぐ対策などを解説します。

治りかけでもインフルエンザはうつる?

個人差はありますが、インフルエンザウイルスは発症してからインフルエンザウイルスが体内から消失するまで約1週間ほどかかります。

熱が下がった後もしばらくは体内にインフルエンザウイルスが存在しているため、学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」は学校や幼稚園などへの出席は停止と定められています。熱を下がった日を0日目とし、翌日を1日目として数えます。

大人の出勤停止に対する法律は定められていませんが、学校保健安全法に沿った日数の出勤停止を命じる会社もあります。

なお、インフルエンザB型などで熱が出ない症状の場合は、発熱や咳、喉の痛みなど、症状がはじまった日の翌日から7日目までを目安としましょう。

インフルエンザが治ったかどうかの検査は必要?

インフルエンザの治りかけに、本当に治っているかどうかの確認のために再度インフルエンザの検査をすることにはあまり意味がありません。

インフルエンザの検査では鼻の奥の体液を採取し、その後15分程で結果の出る「迅速診断キット」を使用します。

インフルエンザの検査には15分程で結果が出る迅速診断がありますが、これはウイルスの量に反応して結果が出るもので、量が少ないと陽性の結果が出ません。つまり迅速診断で陰性でも、周りの人への感染する可能性がないとは言い切れないのです。

そのため、周りへ感染するかどうか確認する目的でこの検査を受けることは適切ではないといえます。

インフルエンザの治りかけに見られる症状

咳・痰

インフルエンザの治りかけには咳や痰の症状が多くみられます。

熱が下がった後に咳や痰の症状が出ることが多く、ウイルスが体内から消えたあとでも、気道が炎症を起こして咳が出続けるケースもあります。

インフルエンザによって出る痰は、肺に入った細菌やホコリ、白血球の残骸が混ざったものです。飲み込んでしまうと肺や気管支に入ってしまうことがあるので、できるだけ吐き出すように心がけましょう。特に高齢者などは誤嚥の原因にもなるので、吐き出すように注意してください。

咳や痰などの症状には乾燥は禁物です。部屋の湿度は50〜60%を保ちましょう。また、マスクを着用することでも喉の乾燥を防ぐこともできます。

水分は呼吸器の問題解決に非常に大切な要素なので、意識してたくさんとりましょう。喉を潤す作用と殺菌作用のあるハチミツをお湯やハーブティーなどで割ったものを飲むこともお勧めです。

下痢

下痢などの消化器症状は、特にB型インフルエンザの感染で強く現れる傾向にあります。人によってはA型インフルエンザでも現れることもあります。

インフルエンザウイルスは感染力を保ったまま消化管の中で生存できることが報告されています。消化管から感染するかどうかは解明されていませんが、ウイルスが消化管の中にとどまっている状態は望ましくないため、基本的には下痢止めなどは使用せずにこまめに便を排出することが有効です。

異物が体内に入った際に、体は異物を外に出そうとする生理反応を起こします。生理反応のひとつとして、下痢や嘔吐が引き起こされている可能性が高いため、薬などで無理に下痢や嘔吐を止めることは望ましくありません。

ただし、下痢や嘔吐の回数が多くなると、脱水症状が起こりやすくなります。下痢や嘔吐がある場合は、水分補給にも気を配りましょう。水分だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液などで電解質も補い、体力の回復を目指すことが大切です。

頭痛・関節痛・筋肉痛

インフルエンザのときの頭痛や関節痛などの痛みの原因は、ウイルスが直接の原因ではありません。

インフルエンザウイルスが入ってきた体内では、ウイルスの侵入を伝えるためにプロスタグランジンという物質を大量に分泌します。

プロスタグランジンは発熱を促進することによりウイルスの増殖を抑制する役目も果たしますが、同時に炎症を起こす作用もあるため、頭痛や関節痛などの症状が起こるのです。つまり、痛みも体がウイルスと戦っているために起こるといえます。

あまりにも症状がつらい場合は解熱鎮痛剤を使用することが可能です。ただし、解熱鎮痛剤の成分の中には、ライ症候群を引き起こしたり、インフルエンザ脳症の予後を悪化させる危険性のあるものも含まれます。インフルエンザの治療中に解熱鎮痛剤を使用する際には、医師や薬剤師に相談してください。

インフルエンザのときに使用できる市販薬については関連記事をごらんください。

微熱

インフルエンザの場合、体温のみで症状の回復度合いをはかることはできません。

インフルエンザの型や予防接種の作用によって発症から回復まで高熱が出ない場合もあれば、「二峰性発熱」と呼ばれる熱のぶり返し症状が起こる場合もあります。

平熱より体温が高いということは、体内で何かしらの異変が起きているということにつながります。熱が下がったからといって安心せず、栄養を摂って安静にしましょう。

症状が長引く場合は病院へ

症状がいつまで経っても治らない場合は、別の疾患や合併症を引き起こしているおそれもあります。なるべく早く医療機関を受診し、医師に相談してください。インフルエンザには、肺炎や脳症・髄膜炎・心筋炎などといった重篤な合併症もあるので、注意が必要です。

インフルエンザの合併症については関連記事をごらんください。

インフルエンザの治りかけのお風呂・運動・飲酒はどうする?

インフルエンザの症状が軽くなってくるといつも通りの生活を送りたくなりますが、症状が完全に治っていない状態では症状がぶり返すおそれがあります。

インフルエンザの治りかけに日常生活の中で注意すべき点を確認しましょう。

お風呂には入ってもいい?

インフルエンザの熱が高い時は、体がウイルスと闘うことによって体力を消耗しているので、体力を使う入浴は控えてください。

熱が下がり倦怠感などがなければ、お風呂に入っても問題ありません。個人差はありますが、熱が下がったひとつの目安は37℃です。

ただし長風呂は避け、上がった後は湯冷めにも注意が必要です。

運動はしてもいい?

インフルエンザの症状が完全に治っていない状態での運動は避けましょう。

体力が落ちているときに激しい運動をすると症状をぶり返したり、二次感染を起こしてしまう可能性もあります。また、周囲にうつしてしまうこともあるため、完治してから運動を再開しましょう。

お酒を飲んでもいい?ビールは?

症状が軽くなっていたとしても、インフルエンザにかかっているときにお酒を飲むのはお勧めできません。インフルエンザに感染して弱っている胃腸や肝臓に対して大きな負担がかかってしまいます。

またアルコールは分解する際に体内の水分を必要とし、利尿作用もあるため脱水症状を加速させてしまう危険性が非常に高くなります。

インフルエンザ中は、下痢や嘔吐、発汗によって水分が足りていないことが考えられるため、インフルエンザが完治するまではお酒は控えましょう。

特にビールに含まれているカリウムは利尿作用が強く注意が必要です。

治りかけにインフルエンザをうつさないために

インフルエンザに感染した初期の頃と比較すると症状は軽くなっていますが、まだ体内にインフルエンザウイルスは潜伏しているため感染のおそれも十分にあります。

外出などの際には、周囲にインフルエンザをうつさないように配慮が必要です。

なるべく人の多いところを避け、どうしても人の多いところに行かなければならない場合は必ずマスクを着用しましょう。

衛生面を考慮し、マスクはガーゼのものより使い捨てのものをお勧めします。

インフルエンザ予防に役立つマスクについて、詳しくは関連記事をごらんください。

おわりに

インフルエンザに限らず、病気にかかったときは完治するまで安静にしておく必要があります。治りかけは特に気持ちもはやって普通どおりに動きたくなりますが、完治するまでぐっと我慢しましょう。

早く治すためにも周囲に感染させないためにも、インフルエンザの正しい知識を身につけておくと、いざという時に役立ちますね。