【インフルエンザ予防接種2016】フルミストが推奨されない理由とは?

インフルエンザの予防接種で使われるフルミストですが、2016-2017シーズンは接種を見合わせる病院が出てきています。その理由を解説します。

フルミストは鼻に直接吹きかける噴霧型のインフルエンザワクチンです。日本ではまだ認可されていませんが、アメリカでは主流となっている予防接種です。

皮下注射と違って痛みがないため子どもでも接種しやすく、効果も1年続くため、日本でも個人輸入により一部の病院で提供されてきました。

しかし、2016-2017のシーズンでは、取り扱いのある病院が少なくなっています。

2016-2017シーズンはフルミストは推奨されない!

その理由は、米国疾病予防管理センター(CDC)が、昨シーズンの2~17歳のフルミストの予防効果が注射による不活化ワクチンより低く「2016/2017シーズンはフルミストの接種を推奨しない」と発表したためです。

フルミストのインフルエンザ予防効果の現状

米予防接種諮問委員会(ACIP)の調査によると、2012年までのフルミストのインフルエンザ予防効果は50〜70パーセントで、注射型のインフルエンザワクチンとほぼ同程度の効果があると報告されました。
しかし、2013年以降ののACIPの調査では、フルミストの予防効果は、2013/2014シーズンがマイナス1%、2014-2015が3%、2015/2016が3%という報告になりました。マイナスというのは、ワクチン未接種の方がインフルエンザに感染しにくいという結果を指します。
つまり、フルミストの予防効果はほぼゼロに近いという報告内容でした。
これを受けて、米国疾病予防管理センターでは「2016/2017シーズンは勧奨しない」と発表したのです。

フルミストが効かなくなった理由

それではなぜ、フルミストが効かなくなったのでしょうか?
その理由としては、生ワクチンは温度による影響を受けやすいにも関わらず、クリニックでのワクチンの保存温度が低いなど、保存状態が適切でなかった可能性が考えられます。

また、生ワクチンの場合、過去にインフルエンザに感染したことがあると、接種したウイルスが体から排除され効果が弱くなるといわれています。

ただし、どれも推論であり、現時点でははっきりとした理由は明らかになっていません。

フルミストと他のインフルエンザワクチンとの違いは?

日本で認可されている注射の予防接種は「不活化ワクチン」です。不活化ワクチンとは、ウイルスを殺して毒性をなくして免疫を作るのに必要な成分を取り出したものです。
不活化ワクチンは、接種後にウイルスが増殖することはないので、複数回の接種が望まれます。特にインフルエンザに免疫が全くない乳幼児には1回の接種では十分に免疫力をつけることができず、複数回の接種が必要とされています。

いっぽうフルミストは、「生ワクチン」です。生ワクチンとは、毒性を極限まで弱めたウイルスを生きたまま接種して、体内で軽い感染状態を作り出すことで免疫をつけるワクチンです。接種後は毒性を弱められたウイルスが増殖していき、同時に免疫力も強くなっていきます。そのため、乳幼児にも1度の接種で効果があるとされています。
さらに、流行しているインフルエンザの型が違っていても発症を軽症化させる作用があるといわれています。

おわりに

この記事では、2016-2017シーズンにアメリカで発表されたフルミストに関する見解を紹介しました。
イギリスやカナダなどでは引き続きフルミストが使用されており、日本でも昨年よりは数は少ないですが、引き続きフルミストを取り扱う病院もあります。

フルミストは注射を嫌がる子どもに向いており、予想とは別の種類のインフルエンザが流行した場合でも、一定の予防効果があるとされています。
フルミストの現状を知った上で、フルミストの接種を受けるかどうか医師と相談して決めることをおすすめします。

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