夏でもインフルエンザにかかる?

空気が乾燥する寒い季節に流行するイメージが強いインフルエンザ。実は、冬だけでなく一年中インフルエンザに感染するおそれがあるのです。

厚生労働省が取りまとめた資料によると、2017年5月1日~28日の国内のインフルエンザ感染者の報告数は25,315人でした。このうち沖縄県での報告数は1,774人で、47都道府県で最も多い結果となっています。また、2017年9月4日~24日の国内のインフルエンザ感染者の報告数は2,874人、沖縄では744人で、9月より5月の方が感染者が多くなっています。

沖縄県では近年夏にインフルエンザが流行していて、2017年6月には中学校1校と小学校2校の計3クラスが学級閉鎖となっています。

沖縄での流行を考えると「夏季だからインフルエンザにかからない」といい切ることはできない現状です。

インフルエンザの流行時期以外の感染について詳しくは関連記事をごらんください。

沖縄ではなぜ夏にインフルエンザが流行する?

沖縄県で夏にインフルエンザが流行する理由は明確にはわかっていません。

東南アジアや台湾など夏にインフルエンザが流行する諸外国からの観光客の流入が盛んなため、本土に先駆けてウイルスが流入するという学説が日本環境感染学会総会で発表されています。

夏に流行するインフルエンザの種類

日本で流行するインフルエンザウイルスは、主にA型かB型です。

通常、A型インフルエンザは1~3月頃までに流行のピークを迎え、4月~5月にかけて減少していきます。B型インフルエンザは、A型の流行が終わった直後の2~3月の春先にかけて流行するケースが多くみられます。インフルエンザB型の流行が初夏まで続くこともあります。

基本的な症状はA型、B型ともに大きな違いはありません。

季節を問わず発生するC型インフルエンザ

C型インフルエンザは、大きな流行はないといわれてきましたが、全国規模で流行することが2004年に明らかになりました。流行する季節は冬に限らず一年中感染する可能性があります。

C型インフルエンザは、A型・B型インフルエンザに比べて症状が軽く、重症化することもほとんどありません。風邪と間違えやすく、インフルエンザに感染していることに気づかないケースも多くあります。

ただし、重症化するケースも全くないわけではありません。特に2歳未満の乳幼児では入院例が多いため注意が必要です。インフルエンザの流行シーズン以外にも高熱などの症状が出た場合には、すぐに病院を受診しましょう。

C型インフルエンザにはタミフルやイナビルなどの抗インフルエンザ薬が効果を発揮しません。C型インフルエンザに感染したら、風邪の対処と同じように栄養を取り安静にすることが基本になります。

インフルエンザのウイルスの種類や特徴については関連記事をごらんください。

新型インフルエンザの脅威

新型インフルエンザは、季節性インフルエンザと異なり、毎年同じ時期に流行するわけではありません。発生時期も予測ができないのが現状です。冬季だけでなく夏に感染が広がるおそれもあります。

新型インフルエンザはほとんどの人が免疫を持っていないため、感染が急速に広がり世界的大流行(パンデミック)を引き起こす特徴があります。

2009年には豚由来の新型インフルエンザが世界的に大流行し、国内でも6月以降の高温多湿期に感染拡大が見られました。1年余で約2千万人が感染したと推計されています。

新型インフルエンザの症状は、突然の高熱、咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻水・鼻づまり、頭痛などで、季節性インフルエンザとほぼ同じです。ただし、2009年の春に発生した新型インフルエンザでは、吐き気や下痢といった胃腸の症状も一部報告されています。

新型インフルエンザについて詳しくは関連記事をごらんください。

インフルエンザと間違えやすい夏の病気

インフルエンザの最大の特徴は高熱です。インフルエンザと間違えやすい高熱がでる夏の病気を紹介します。

熱中症

熱中症は、身体の中の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、 体の調整機能が正常に働かなくなることによって引き起こされます。

体温の調節機能がうまく働かずに体内に熱がこもり、重症の場合は42℃を超える高熱につながることもあります。  

発熱以外の自覚症状は、ズキンズキンとする頭痛やめまい、吐き気、立ちくらみ、倦怠感などです。また、暑い場所にいるにもかかわらず全く汗をかかなくなったり、皮膚が乾燥したり、触るととても熱をもっていたりしたら要注意です。もうろうとして、呼びかけに反応がなかったり、応答が異常であるといった意識の障害がでることもあります。

咽頭結膜炎

咽頭結膜炎は、アデノウイルスへの感染が原因となる病気です。年間を通して発生しますが、主に6月末頃から夏季にかけて流行します。

2日〜14日の潜伏期間を経て、咽頭炎(のどの痛み)、結膜炎(目の充血)、38℃~40℃前後の発熱が3~7日間ほど続きます。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは乳幼児の間で流行しやすい夏風邪の一種で、3~4日の潜伏期間を経て38℃~40℃の高熱が2~3日続きます。

のどの奥に小さな口内炎が多数でき強い痛みを生じるのが特徴ですが、年長児の場合は突然の高熱のみで口内炎ができないこともあり、扁桃炎と間違えられることもあります。

コックサッキーウイルス群(ほとんどA群数種類)など数種類のウイルスが原因で発症します。

咽頭からの飛沫や糞便からの糞口感染などにより感染します。

感染するのはほとんどが子どもですが、子どもから大人にうつるケースもあります。大人が感染すると、39℃を超える高熱や強い倦怠感、関節の痛みなど、やや重い症状が続くことがあります。

手足口病

手足口病は手足の水疱と口内炎ができる夏風邪の一種です。

手と足と口に水疱ができるのが病気の主な症状ですが、最初の1~2日の間に熱が出ることもあります。水疱はかなりの痛みをともないます。

コクサッキーA16、コクサッキーA10、エンテロウイルス71の3種類のウイルスが原因で発症します。

咽頭からの飛沫や糞便からの糞口感染などにより感染します。

大人に感染した場合、口腔内のみに水疱ができて手や足に水疱ができない事もあります。

夏のインフルエンザの予防法

手洗い

ウイルスの飛沫感染や接触感染を防ぐため、石鹸を使った手洗いをしましょう。手洗いはインフルエンザ以外の感染症の予防にもつながります。

エタノールを使用した手洗いの方法については関連記事をごらんください。

人ごみに注意

人ごみの中に長時間滞在しているとウイルス感染の機会が多くなります。どうしても人ごみに外出しなければならない場合はマスクを着用しましょう。

マスクによるインフルエンザの予防については関連記事をごらんください。

乾燥に注意

のどの粘膜が乾燥するとウイルスを防ぐ力が落ちます。加湿器や濡れタオルを使い、部屋の湿度を60%に保ちましょう。

鼻やのどの保湿については関連記事をごらんください。

栄養と休養

冷たい食べ物や飲み物の過剰な摂取や室内外の温度差により、胃腸の不調や全身の倦怠感、さらには食欲不振を招き夏バテを引き起こします。体力と抵抗力が落ちた夏バテの状態は、ウイルスに感染しやすい状態ともいえます。

栄養バランスがとれた食事と十分な睡眠をとりましょう。また、エアコンの温度をこまめに調節し、体温の調節をしましょう。

おわりに

インフルエンザは冬だけではなく一年中感染する可能性があります。夏場でも突然の高熱がでた場合はインフルエンザである可能性があります。

しかし、インフルエンザの症状に似ている夏特有の病気もさまざまあります。自己判断が難しい症状がでた場合は、早めに医療期間を受診しましょう。