タバコはインフルエンザを悪化させる?発症中は禁煙すべき?肺炎合併の可能性も解説

タバコがインフルエンザに与える影響を解説。インフルエンザへの感染や症状を悪化させる可能性があるか、肺炎合併の可能性や受動喫煙のリスクについても解説します。

タバコには4,000種類以上もの化学物質が含まれており、発がん物質は50種類以上もあります。

喫煙が動脈硬化や心筋梗塞などさまざまな病気になるリスクを高めていることは比較的知られているかもしれませんが、実はインフルエンザにも影響があるのです。

この記事では、喫煙によるインフルエンザへの影響を解説します。

タバコとインフルエンザの関係

喫煙者はインフルエンザに感染しやすい

厚生労働省が発表している研究では、喫煙者は非喫煙者に比べてインフルエンザにかかりやすいことがわかっています。

喫煙本数により発症確率は異なりますが、1日10本以下でも非喫煙者に比べて約2倍、11〜20本では約2.4倍、21本以上では約3倍インフルエンザにかかりやすいという結果が出ています。

喫煙は免疫力を低下させます。免疫力が低下すると、ウイルス感染に対する抵抗力も落ちてインフルエンザにかかりやすくなってしまうのです。

インフルエンザが悪化しやすい

喫煙はインフルエンザにかかりやすいだけでなく、インフルエンザを発症した場合に重症化しやすいこともわかっています。

1日11〜20本喫煙する方は、非喫煙者の約2.5倍インフルエンザが重症化します。

インフルエンザが悪化しやすい原因も、免疫力の低下と考えられます。

肺炎を合併する可能性が高い

タバコを吸う方は吸わない方と比べ、肺炎になるリスクが2〜3倍高くなるといわれています。特にインフルエンザにかかったときは注意が必要です。

肺炎は細菌やウイルスが体内に入って肺に炎症を起こす病気です。

気管支などの中には、繊毛(せんもう)があり、ウイルスが体内に入るのを防ぐ働きをしています。ウイルスが気管支に入ってくると、気管支から分泌される粘液がウイルスをキャッチして、繊毛が粘液とともにウイルスを体の外へ運び出そうとします。

しかし、タバコを吸っていると繊毛の働きが低下し、病原体が肺に届いて炎症を起こしやすくなります。このことから、インフルエンザにかかったあとに肺炎にもかかってしまうリスクが高まってしまうのです。

タバコはなぜ免疫力を低下させる?

タバコがインフルエンザの発症や重症化に関わる理由は、タバコが免疫力を低下させることにあります。

免疫細胞に悪影響を与える

免疫細胞である白血球の一種にマクロファージがあります。

体内にタバコに含まれる有害物質が入ってくると、マクロファージが有害物質を取り込んで活性酸素を大量に発生させると考えられています。大量の活性酸素はDNAを切断して細胞にダメージを与えて、免疫力の低下を引き起こすといわれます。

マクロファージが損傷を受けると、連携している免疫システム全体がスムーズに機能しなくなってしまうのです。

また、喫煙がウイルス感染細胞やがん細胞を排除する重要な免疫機能を持つナチュラルキラー細胞の働きを低下させるという報告もあります。

繊毛(せんもう)の働きを低下させる

喫煙することによって、入ってきたウイルスを体の外に押し出す役目をする繊毛の働きを低下させます。

活性酸素をおさえるビタミンCを破壊する

ビタミンCは免疫機能を低下させる活性酸素をおさえる働きがありますが、喫煙することでビタミンCを多く消費します。

厚生労働省でも、喫煙者はビタミンCが不足しがちになるため、積極的な摂取の必要性が高いと発表しています。

インフルエンザにかかったら禁煙を!

インフルエンザにかかっている間は、重症化や肺炎合併を防ぐために禁煙を心がけましょう。

インフルエンザのワクチンにはインフルエンザの重症化を予防する効果がありますが、予防接種を受けていたとしても喫煙によって免疫力を下げてしまうと、その効果を減らしてしまう恐れもあります。

インフルエンザを治すには免疫力を高めることも大切です。インフルエンザを早く治すためにも、禁煙して十分な休養とバランスの良い栄養をとりましょう。

また、インフルエンザは発症前日から発症後3〜7日間はウイルスが体に残っています。熱が下がった後も体にウイルスがある期間は、重症化のリスクも残ったままです。発症後7日間は禁煙することをおすすめします。

受動喫煙でもインフルエンザにかかりやすくなる?

喫煙は喫煙者本人だけでなく、身近にいる人にも影響を与えます。

受動喫煙でもウイルス感染に対する抵抗力を低下させる恐れがあるため、本人が吸っていなくても身近に喫煙者がいることでインフルエンザにかかるリスクが高まる危険性も考えられます。

日本医師会の発表資料によると、煙に含まれる有害物質の量が主流煙より副流煙に多く含まれるものがあります。

副流煙に含まれる有害物質 主流煙との比較
ニコチン 2.6〜3.3倍
各種発がん物質 100倍
窒素酸化物 4〜10倍
一酸化炭素 2.5〜4.7倍
ホルムアルデヒド 0.1〜50倍
アンモニア 47〜170倍

喫煙者本人以上に副流煙を吸ってしまう周囲の人にも、タバコの煙はリスクが高いことがわかります。

特に免疫が安定していない子どもや抵抗力が落ちている高齢者が身近にいる場合は、インフルエンザにかかるリスクが高まる恐れがあるため、喫煙に注意してください。

おわりに

喫煙はインフルエンザだけでなく、ガンや心筋梗塞などさまざまな病気にかかるリスクを高めます。さらに身近にいる人にも副流煙によって悪い影響を及ぼします。

インフルエンザにかかった場合は、禁煙することをおすすめします。また、インフルエンザにかかった人がいるところでタバコを吸うことも避けましょう。禁煙することが理想ですが、禁煙できない場合でもタバコの本数を減らすように意識しましょう。

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