2009年-2010年シーズンに全世界的に猛威を振るった「新型インフルエンザ」。
発生後、数ヶ月で全世界に広がりパンデミックを起こし約1万4千人もの死者を生んだことは記憶に新しいと思います。
現在もなお冬場に流行している季節性インフルエンザとして2009年の新型インフルエンザが流行しています。
このように、一度発生するとパンデミックとなり全世界的な影響を与える新型シンフルエンザですが、2009年シーズンに限らず過去にも何度も生まれているんです。
過去には、スペインインフルエンザ(通称:スペインかぜ・1918-1919年・死者4〜5000万人)、アジアインフルエンザ(通称:アジアかぜ・1958-1959年・死者100万人超)、香港インフルエンザ(通称:香港かぜ・1968-1969年・約3万3千人)などが新型インフルエンザによるパンデミックとして有名です。

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新型インフルエンザ誕生のメカニズム
新型インフルエンザ誕生のメカニズムは、鳥と豚が関与していることがほとんどです。
豚には、人間のインフルエンザウイルス、鳥のインフルエンザウイルスの両方に感染するという特徴があります。
これにより運が悪いと、1匹の豚が人間のインフルエンザと鳥インフルエンザウイルスの両方を同時に感染する可能性があります。
この場合、豚の体内で人間のインフルエンザと鳥のインフルエンザとの間で「不連続抗原変異(ふれんぞくこうげんへんい)」と呼ばれる変異が起こることがあり、この変異が起こると人間にも感染力をもった「新型インフルエンザウイルス」が誕生する可能性があります。
イメージにすると以下のような流れで新型インフルエンザウイルスが誕生します。
実際、過去の新型インフルエンザのパンデミック(世界的流行)は、鳥インフルエンザと豚が原因となっていることが多いのです。
新型インフルエンザの治療は通常のインフルエンザ治療薬が使われる
万が一、新型インフルエンザウイルスが発生した場合は、通常のインフルエンザ治療薬を使うこととなっています。
インフルエンザウイルスは変異しても増殖の仕方は同じメカニズムになっており、新型インフルエンザウイルスも従来のインフルエンザ治療薬が効果を発揮すると考えられているためです。
(実際、2009年-2010年の新型インフルエンザ発生時はタミフル等が効果を発揮しました)
現在も新型インフルエンザの発生が危惧されているタイプ(亜型)として「H5N1亜型」「H7N9亜型」に属する新種のウイルスが挙げられており、昨今の鳥インフルエンザのタイプがこれらに属していることもあり警戒されています。
おわりに
現在、鳥インフルエンザの発生が騒がれているのは、家畜や食用の鳥にとって危険だからという理由もありますが、「新型インフルエンザ」になって人間に致命的なダメージを与える可能性を潜在的に秘めているからなんですね。
この辺りのメカニズムも理解して鳥インフルエンザのニュースなどを理解していきたいですね。