心疾患のある方はインフルエンザ重症化のリスクが高い

心臓の疾患の総称を「心疾患」といいます。心疾患には、脈の乱れを起こす不整脈、先天性の心臓病、心筋や心膜の病気、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患などがあります。

インフルエンザにかかると肺炎などを併発し重症化する可能性の高いグループのことをハイリスク群といいますが、慢性心疾患のある方はこのハイリスク群に当てはまります。

インフルエンザ感染は心臓に負担をかける

インフルエンザなどの呼吸器感染症は、心拍出量を増加させるため、血圧や心拍数が上がり心臓に大きな負担がかかります。

同時に、呼吸器感染症は心臓発作の誘発率を高める可能性も指摘されています。

肺炎・心筋炎などの合併症に注意

心疾患のある方は肺炎などを併発しやすく、インフルエンザが重症化しやすくなっています。

インフルエンザの合併症には肺炎のほかに、気管支炎、関節炎、中耳炎、副鼻腔炎、急性胃腸炎、心筋炎などがあります。心筋炎はウイルスが心臓の筋肉に感染して炎症を起こす病気で、特に心疾患のある方は注意が必要です。

インフルエンザの合併症や重症化について、詳しくは関連記事をごらんください。

インフルエンザ予防接種などの対策を

心疾患のある方は、徹底的なインフルエンザ予防対策を取ることをお勧めします。

手洗いの励行、マスクの着用、インフルエンザシーズンには人混みを避けるなどの対策を取り、感染しないように注意しましょう。

インフルエンザ予防接種

インフルエンザの予防接種は、インフルエンザウイルスの感染を防ぐ働きはありませんが、感染後の発症と発症後の重症化を予防する一定の効果が認められています。

インフルエンザの流行は、毎年12月頃からはじまり1月から3月にピークを迎えます。インフルエンザワクチンは接種して2週間後ぐらいから効果を発揮し、約5か月ほど持続します。

このことを考慮して、本格的なインフルエンザシーズンを迎える前の10月〜11月、遅くても12月中旬までにかかりつけの医療機関や医師とも相談の上、予防接種を受けましょう。

インフルエンザ予防接種について、詳しくは関連記事をごらんください。

抗インフルエンザ薬の予防投与

抗インフルエンザ薬には、インフルエンザウイルスの増殖をおさえる作用があり、治療だけでなく予防目的で使用されることがあります。

同居家族または共同生活者がインフルエンザを発症した場合、抗インフルエンザ薬であるタミフル・イナビル・リレンザを予防目的で使用することができます。

原則として、次に当てはまるインフルエンザのハイリスク群の方が予防投与の対象となります。
・65歳以上の方
・慢性呼吸器疾患または慢性心疾患のある方
・代謝性疾患のある方
・腎機能障害のある方

なお、予防目的での抗インフルエンザ薬の使用は保険が適用されないため、全額自費負担となります。

抗インフルエンザ薬の予防投与については、関連記事をごらんください。

インフルエンザに感染してしまったときは

インフルエンザは約1日〜3日の潜伏期間を経て発症しますが、潜伏期間中は自覚症状はなく、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れます。

インフルエンザに感染した可能性のある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

インフルエンザウイルスの増殖をおさえる抗インフルエンザ薬は、発症から48時間以内の使用が効果的です。

おわりに

心臓疾患のある方のインフルエンザ感染は、重症化のリスクが高く特に注意が必要です。まずは予防接種の活用も含め事前の対策をしっかりと行いましょう。

インフルエンザに感染してしまった場合は、早めに医療機関を受診してください。