高齢者のインフルエンザ予防接種費用は?助成や医療費控除はある?

高齢者のインフルエンザ予防接種について分かりやすく解説。費用の相場から助成や医療費控除があるかまで記載。さらに高齢者がインフルエンザ予防接種を受ける時期や回数、副反応のリスクも記載しています。

国もすすめる高齢者のインフルエンザ予防接種

インフルエンザ感染のリスクを軽減させる代表的な対策といえば、予防接種です。高齢者がインフルエンザに感染した場合、肺炎をはじめとした合併症を引き起こすおそれがあることから、特に予防接種は重要なものとされています。

厚生労働省の報告によると、高齢者がインフルエンザ予防接種を受けた場合、死亡のリスクが5分の1に、そして入院のリスクが3分の1~2分の1にまで減少するとされています。こうした傾向から、インフルエンザ重症化を未然に防ぐためにも、高齢者は積極的に予防接種を受けることが薦められています。

しかし、どれくらい費用がかかるのか、副反応ではどんな体調の変化が起こるのかといった疑問が解決されないと、最初の一歩を踏み出せないという人もいることでしょう。

そこでこの記事では、高齢者がインフルエンザ予防接種を受けるときに知っておきたい情報を分かりやすく解説します。

インフルエンザ予防接種に関する概要については関連記事をごらんください。

高齢者インフルエンザ予防接種の基本情報

対象者

高齢者インフルエンザ定期予防接種の対象者は、お住まいの自治体に住民登録がある方で下記のいずれかに該当する人となります。

・接種日現在に満65歳以上の方
・接種日現在に満60歳から64歳で、心臓・腎臓・呼吸器・ 免疫機能のいずれかに障害があって身体障害者手帳1級相当の方
・接種日現在に満60〜64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり日常生活がほとんど不可能な方

自治体によっては、予防接種を本人が希望していることも条件として提示される場合があります。

接種場所と方法

お住まいの自治体が契約を結んでいる医療機関で接種します。予約方法は医療機関によって異なります。

予防接種当日は、健康保険証など住所や年齢を証明できるものを持参してください。

高齢者インフルエンザ予防接種の費用

費用の相場

インフルエンザの予防接種は、健康保険が適用さないため原則として全額自己負担です。

ただし、高齢者の場合は自治体によっては助成金を出している場合があり、自治体によって異なりますが自己負担額の相場は2,000円ほどとなります。

下記は、一部自治体の自己負担額(費用)の例です。

市町村名 自己負担額
北海道札幌市 1,400円
東京都調布市 2,200円
千葉県千葉市 1,800円
神奈川県横浜市 2,300円
京都府京都市 2,000円
大阪府大阪市 1,500円
福岡県福岡市 1,500円

※2017年9月時点 

費用の免除・助成について 

『予防接種法』という法律によって高齢者の予防接種が推奨されていることから、自治体によっては費用が全額免除されたり、一部が助成されたりする場合があります。

免除や助成の対象者は自治体によって異なりますが、生活保護受給者の方や公害認定患者の方といったケースが多くあります。

なお、各自治体における高齢者インフルエンザ予防接種の助成金や無料接種の対象は、シーズンに1回までとなっています。

費用の免除・助成を受ける場合は、対象者に該当することを証明する書類を医療機関に提出する必要があります。

用意する書類は、自分がどの対象者に該当するかによって異なるので、詳細はお住いの役所窓口に問い合わせてみましょう。  

医療費控除について

医療費控除は、病気の治療や診察にかかった費用が対象となります。そのため、病気の予防を目的としているインフルエンザ予防接種は医療費控除の対象になりません。

しかし、インフルエンザの症状に市販薬を購入した場合は、「セルフメディケーション税制」という医療費控除を受けられる可能性があります。

セルフメディケーション税制では、対象の市販薬を買った場合に一定金額の所得控除(医療費控除)が受けられます。セルフメディケーション税制を受けるためには、対象となる市販薬のレシートを保管しておき、確定申告を行いましょう。

インフルエンザ予防接種の費用については関連記事をごらんください。

高齢者インフルエンザ予防接種の時期・回数

時期

自治体によって多少異なりますが、おおむね10月はじめから予防接種を開始します。接種時期は、翌年の1月末まで続く自治体がほとんどです。

インフルエンザ流行は12月から始まり、1〜3月ごろがピークとなります。

インフルエンザワクチンが効果を発揮するまでには約2週間ほどかかることから、予防接種は12月まで、遅くても12月中旬までには受けておくのが理想的です。なお、ワクチンの効果は約5か月持続します。

インフルエンザ予防接種の効果や効果期間について詳しくは関連記事をごらんください。

回数

65歳以上の場合、1回の接種でも十分な効果が得られると考えられています。ただし、年によってはインフルエンザウイルスの性質に大きな変化がみられる場合、2回接種が必要となることがあります。

また、持病などで免疫力低下を認識している高齢者は、予防接種を2回受けるということも選択肢のひとつとなります。

なお、1回目を助成金や費用免除で行った場合は、2回目以降の予防接種は通常の費用が必要になります。

インフルエンザ予防接種の詳しい効果や接種時期については関連記事をごらんください。

高齢者インフルエンザ予防接種の副反応

厚生労働省によるとインフルエンザ予防接種の副反応のうち発熱、頭痛、だるさなどは、約10%の人に起こるとされています。軽度な副反応は、予防接種後24時間以内に発生し、2〜3日で自然におさまるケースがほとんどです。

副反応による体調の変化

副反応による体調の変化は、「接種部位周辺に起こる」ものと「全身に起こるもの」があります。

接種部位周辺 全身
腫れ、膨張
かゆみ、しびれ
うずくような痛み
・・など
発熱、頭痛
倦怠感、めまい
吐き気、嘔吐
下痢
 ・・など

下痢で水分が流れてしまうと、高齢者の場合は脱水症状を引き起こしやすいので、注意が必要です。

副反応に関する注意点

まれに重篤な副反応が起こることがあります。予防接種を受けた後の30分間は、医師との連絡が取れるように病院内で安静にしておきましょう。

このほかにも異常な反応が起こった場合は、すみやかに医療機関を受診してください。

予防接種健康被害救済制度について

インフルエンザ予防接種で副反応が起こったことで、日常生活が不自由になったり、病院での治療が必要になった場合は、救済制度が受けられます。

制度の対象者には一定の条件があるため、詳細はお住まいの自治体へお問い合わせください。

インフルエンザ予防接種の副反応について詳しくは関連記事をごらんください。

おわりに:肺炎球菌ワクチンとの併用も

インフルエンザによる死亡原因のほとんどが、肺炎によるものです。そのため、インフルエンザの感染と同時に肺炎の予防対策も行うことが重要になります。

CDC(アメリカ疾病管理予防センター)は、インフルエンザワクチンと同様に、高齢者には肺炎球菌ワクチンの接種もすすめています。

肺炎球菌ワクチンは高齢者の肺炎の予防につながり、インフルエンザワクチンと同時に受けることが可能です。インフルエンザの予防接種を受けるときに、担当の医療機関に相談してみるといいでしょう。

予防対策を行って、インフルエンザシーズンを乗り切りましょう。

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