胃腸炎の種類の中でも、ウイルスや細菌などの感染による胃腸炎は感染性胃腸炎と呼ばれます。

インフルエンザと感染性胃腸炎はともに冬場に流行する感染症です。

下痢や嘔吐など似たような症状が現れることもあり、どちらに感染したのかわからず対処法に迷うケースもあります。

この記事では、見分けがつきにくいインフルエンザと感染性胃腸炎の違いについて解説します。

インフルエンザと感染性胃腸炎の流行期は似ている

インフルエンザの流行期と感染経路

インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで発症します。12月から流行がはじまり、1月から3月の間に流行のピークを迎えます。

咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛沫感染、ウイルスがついた手で口や鼻に触れることによる接触感染が主な感染経路です。

インフルエンザウイルスは非常に感染力の強いウイルスで、症状が発症する前日くらいから熱が下がったあとも数日は体内にウイルスが存在し、感染拡大につながるおそれがあります。

インフルエンザの感染経路について詳しくは関連記事をごらんください。

感染性胃腸炎の流行期と感染経路

感染性胃腸炎の主な原因はウイルス、細菌、寄生虫などの感染によるものです。

ウイルスや菌などがついた手で口に触れることによる接触感染、ウイルスや菌などに汚染された物を食べることによる経口感染が感染経路です。

代表的な感染性胃腸炎であるノロウイルスは11月ごろから2月の間に流行し、乳幼児が感染しやすいロタウイルスは3月から5月にかけて流行します。

インフルエンザと感染性胃腸炎の症状の違いは?

インフルエンザでは一般的に、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感や、風邪と同様の喉の痛み、鼻水、咳といった症状が現れます。

さらに、下痢や嘔吐・吐き気などの胃腸炎と同様の消化器症状がみられることもあります。

いっぽう感染性胃腸炎では、原因となる病原体や感染菌の量などによって異なりますが、発熱、下痢、悪心、嘔吐、腹痛などといった症状がみられます。

インフルエンザウイルスの初期症状では、発熱や頭痛、関節痛などの全身症状が急激に現れるケースが多くなっています。

高熱や頭痛、関節痛などの全身症状がある場合は、インフルエンザである可能性が高いといえます。ただし、適切な治療を受けるためにも、自己判断はせず医療機関を受診することが確実です。

インフルエンザの症状について詳しくは関連記事をごらんください。

インフルエンザB型だと高熱が出ない場合も

冬場に流行を引き起こす主なインフルエンザウイルスはA型とB型です。

B型のインフルエンザウイルスに感染した場合、下痢や嘔吐など消化器系の症状が出やすい傾向があります。

インフルエンザB型は高熱が出ない場合もあるため、胃腸炎との見分けが難しい場合があります。

インフルエンザB型について詳しくは関連記事をごらんください。

インフルエンザと胃腸炎を併発することはある?

インフルエンザや感染性胃腸炎に感染すると、体の抵抗力が落ちてしまいます。

そのため、細菌やウイルスに二次感染する危険性が高くなり、インフルエンザと感染性胃腸炎を併発する可能性もあります。

インフルエンザと感染性胃腸炎の治療法の違い

インフルエンザの治療には、インフルエンザウイルスの増殖をおさえる作用のある抗インフルエンザ薬の使用が有効です。

抗インフルエンザ薬は医師の処方箋が必要な薬であり、発症してから48時間以内の使用が効果的であるため、症状が疑われたら早めに医療機関を受診する必要があります。

感染性胃腸炎には特別な治療法がなく、症状を軽減させる対症療法になります。

下痢や嘔吐により脱水症状を引き起こしやすいため、嘔吐がおさまったら水分補給をしてください。吐き気がひどい時は、一度に水分を多く飲むと吐き気を催すことがあるので、少量の水分を回数を多くして飲むと良いでしょう。

口から水分や食物を摂取できない場合は点滴での栄養摂取となるため、重症化しやすい高齢者や乳幼児は医療機関を受診することをお勧めします。

なお、インフルエンザと感染性胃腸炎、いずれの場合も下痢止めは使用しません。ウイルスの便から排出を妨げるため、病気の回復を遅らせることがあるためです。

おわりに

インフルエンザも感染性胃腸炎も、流水と石けんによる手洗いが予防法となります。

感染症を防ぐために、特に冬場は帰宅時や調理前、トイレの後など、念入りな手洗いを習慣にしてください。日頃から免疫力を低下させないように、バランスのとれた食事や規則正しい生活習慣を心がけましょう。