インフルエンザは予防できる!薬の予防投与とは?タミフル・イナビル・リレンザ

抗インフルエンザ薬の予防投与について薬剤師監修のもとわかりやすく解説。予防投与の条件や目安の値段を紹介します!タミフル・イナビル・リレンザの予防投与の用法用量も掲載!

12月から3月にかけてやってくるインフルエンザシーズン。人生をかけた受験がインフルエンザの流行期と重なる受験生、大きな仕事の商談など、大切なイベント間際に体調を崩せない方には心配が尽きない季節です。

どうしてもインフルエンザに感染したくない!そんなとき、インフルエンザの予防にタミフル・リレンザ・イナビルなどの抗インフルエンザ薬が役に立つことをご存知でしょうか。

この記事では、抗インフルエンザ薬の予防投与について解説します。

抗インフルエンザ薬の予防投与は誰でも可能?

抗インフルエンザ薬には、インフルエンザの感染を防ぐ働きはありません。しかし、あらかじめ服用することで、体内にウイルスが侵入した時にウイルスの増殖をおさえる作用が働き症状が現れることを防ぐことができます。

「インフルエンザ感染者と接触しインフルエンザに感染する可能性が高い状況」「インフルエンザに感染したらどうしても困る状況」など、いざというときに抗インフルエンザ薬の予防投与が可能です。

ただし、抗インフルエンザ薬を乱用することで薬に耐性を持つウイルスが氾濫することを防ぐために、予防投与にはいくつかの条件や注意があります。

抗インフルエンザ薬の予防投与の条件

予防投与の条件の基本は、家族や身の周りで生活している方がインフルエンザになった場合と定められています。

抗インフルエンザ薬タミフルの添付文書には以下のように記載されています。

予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイ ルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1)高齢者 (65 歳以上)
(2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3)代謝性疾患患者 (糖尿病等)
(4)腎機能障害患者

タミフルカプセル75 添付文書

基本的にはインフルエンザの感染と重症化のリスクが高い方の予防が目的とされています。

条件外でも予防目的で薬が欲しい場合は?

家族などに感染者がいない場合でも、どうしても予防目的で薬を使用したい時は、まずは医師に相談しましょう。

人生のかかった受験や大事な商談など、インフエンザにかかるわけにはいかない事情は人それぞれです。医師に事情を相談することで処方箋をもらえるケースがあります。

ただし、基本的には抗インフルエンザ薬には処方のための条件があるため、予防目的では処方箋を出さない病院や医師もいます。予防目的での処方が可能かどうか事前に病院側に確認することをお勧めします。

抗インフルエンザ薬の予防効果は10日程度

予防投与による効果は、薬の種類に関わらず薬を使用している間の10日程度です。服用開始から10日以降のインフルエンザ感染に対する予防効果は確認されていません。

そのため、抗インフルエンザ薬を予防に使う場合はタイミングがとても大切です。絶対にインフルエンザにかかるわけには行かない日や期間に合わせて薬を処方してもらうことを覚えておきましょう。

A型・B型インフルエンザウイルスに効果あり

抗インフルエンザ薬の予防投与では、A型・B型インフルエンザウイルスに効果を発揮します。

ただし、C型インフルエンザウイルスと治療薬に耐性を持ったインフルエンザウイルスには十分に効果を発揮しないこともあります。

また、インフルエンザウイルスに特化した薬なので、他の細菌などによる感染症には予防効果がありません。

抗インフルエンザ薬の予防投与は全額自己負担!

インフルエンザの予防目的で抗インフルエンザ薬を使用する場合は、家族にインフルエンザ患者がいたとしても保険適用外になります。

薬の値段だけでなく、病院の診察料や調剤技術料、薬学管理料などが全額自己負担になります。

総額で5000〜8000円程度の自費負担が見込まれます。詳しくは各病院に問い合わせてください。

抗インフルエンザ薬の予防投与の用法・用量

抗インフルエンザ薬は治療で使うときの用法用量は異なるため注意してください。

吸入薬:イナビル(成分ラニナミビル)

イナビルを予防目的で使うときは、成人と10歳以上の小児はイナビル吸入粉末剤40mg(容器2個分)を1日1回吸入します。また、イナビル吸入粉末剤20mg(容器1個分)を1日1回、2日間吸入することもできます。

10歳未満の場合は、イナビル吸入粉末剤20mg(容器1個分)を1日1回吸入します。

なお、予防投与を2日間にわける場合は吸入時間に関する決まりはありません。基本的には2日目も1日目と同じ時間で服用すれば問題ありません。

吸入薬:リレンザ(成分ザナミビル)

リレンザを予防目的で使うときは、成人も小児もリレンザ10mg(5mgブリスター2個分)を1日1回吸入し、10日間行います。

なお、リレンザ以外に慢性呼吸器疾患の治療用の吸入薬を使っている場合は、呼吸器疾患の吸入薬を先に使い、リレンザを後に使います。

錠剤:タミフル(成分オセルタミビル)

タミフルを予防目的で使うときは、成人はオセルタミビル75mg(タミフルカプセル1個分またはタミフルDS約2.5g分)を1日1回、7〜10日間使用します。

体重37.5kg以上の小児はオセルタミビル75mg(タミフルカプセル1個分またはタミフルDS約2.5g分)を1日1回、10日間使用します。体重37.5kg以下の小児はオセルタミビルとして1回2mg/kg(タミフルDS 66.7mg/kg)1日1回、10日間使用します。

抗インフルエンザ薬の予防投与の注意点

予防接種は必ず受けておくこと

インフルエンザの予防の基本は予防接種になります。

抗インフルエンザ薬の予防投与の効果は10日間だけのもので、5ヶ月間効果を発揮する予防接種に置き換わるものではありません。

また、抗インフルエンザ薬の予防投与はインフルエンザの感染と発症リスクを下げることはわかっていますが、100%完全なものではないので、予防投与をしてもまれに感染してしまう場合もあることを覚えておきましょう。

妊娠中・授乳中は予防投与が可能?

抗インフルエンザ薬の添付文書によると、予防に限らず治療においても、妊娠中の方には「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」、授乳中の方には「投与する場合には授乳を避けさせること」という記載があります。

しかし近年厚生労働省をはじめ、日本産婦人科医会などの各学会から妊娠中や授乳中においても、「胎児や乳児に重大な影響を及ぼす可能性はない」「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される」という発表がされています。

妊娠中や授乳中の方は、必要に応じて抗インフルエンザ薬の予防投与をかかりつけ医に相談してみましょう。

おわりに

抗インフルエンザ薬の予防投与は、「いざ!」という時に使う方法として覚えておくといいですね。

インフルエンザの最大の予防は、あくまで予防接種です。予防接種に加えて免疫力を落とさないために生活習慣の見直しや食生活を改善してインフルエンザシーズンに備えましょう。

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