はじめに

身体の片側にブツブツとした赤い発疹ができ、やがて小さな水ぶくれが帯状に広がっていく帯状疱疹(たいじょうほうしん)。
胸や背中、腹部の皮膚によく見られ、顔や手足に現れることもあります。

皮膚のブツブツよりも先に、感じるのは患部の痛み。皮膚の奥の神経がチクチク、ピリピリする痛みを感じたのち、赤い発疹が発生するケースがほとんどです。
初期症状の見た目から、虫刺されやかぶれと間違えてしまう人も多いようですね。

帯状疱疹の厄介な点は、ウイルスが引き起こす皮膚疾患だということ。疱疹自体の痛みやかゆみの他に、頭痛や発熱をともなうこともあります。

帯状疱疹とそれにともなう諸症状が起きてしまうメカニズムを知り、早期に発見して症状が軽いうちに治しましょう!

 

帯状疱疹は、免疫力が落ちているときに現れる

帯状疱疹を引き起こす原因ウイルスは、水ぼうそうを引き起こすのと同じ「水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス」です。
多くの人が子供時代に経験する水ぼうそうですが、実は水ぼうそうが治癒しても、水痘・帯状疱疹ウイルスは体内から消えていません。

水痘・帯状疱疹ウイルスは神経の根元にある「神経節」に潜伏していますが、普段は水ぼうそう治癒の際にできた抗体に抑え込まれているので特に問題はありません。
ところが、疲労やストレス、体調不良などで免疫力が低下してしまうと、水痘・帯状疱疹ウイルスを抑え込む抗体の力も弱まってしまうのです。

そして再び活性化したウイルスが増殖し、知覚神経を通って皮膚表面に作用します。これが、帯状疱疹が現れるメカニズムです。

帯状疱疹の発症者は、40代以上が約75%を占めると言われています。これは、中高年になって身体の免疫力がぐっと低下するため。
しかし最近では生活習慣の乱れや過労、精神的ストレスによって免疫力低下を引き起こしてしまう20代〜30代も多く、この世代の帯状疱疹発症者も増えはじめています。

 

帯状疱疹ができたとき、頭が痛くなるのはなぜ?

帯状疱疹ができたとき、同時に頭痛を訴える人がいます。
多くの場合、疱疹ができる1〜2日ほど前から頭痛の兆候を感じはじめているようです。

帯状疱疹にともなう頭痛は、血管が拡張することによる片頭痛です。水痘・帯状疱疹ウイルスが活発化しだすと、神経はウイルスによる刺激を受けます。
刺激によって血管が炎症を起こし、拡張するため、ズキズキと脈打つような片頭痛が起こるのです。

片頭痛はウイルス活性化のサインであり、帯状疱疹の前触れにもなります。
片頭痛が起きていることで「帯状疱疹だ」と早期に判断できるケースも。

 

帯状疱疹ができたとき、熱が出るのはなぜ?

頭痛と同じように、疱疹が現れる1〜2日ほど前から発熱するケースもあります。
発熱とは、身体の中で悪さをするウイルスと戦うための反応。水痘・帯状疱疹ウイルスの力を抑え込もうと生体防御機能がはたらいた結果、発熱します。

また、帯状疱疹は免疫力が低下しているときに現れる疾患ですから、免疫力低下によって風邪などの症状も同時に引き起こし、それによる発熱という可能性も考えられます。
目安として、37.5度程度なら水痘・帯状疱疹ウイルスに対抗するための発熱、38度以上になるようなら、帯状疱疹以外の疾患も同時に引き起こしている可能性を疑いましょう。

 

患部の強い痛みやかゆみも帯状疱疹のサイン

虫刺されやかぶれと間違われてしまうことが多い帯状疱疹ですが、疱疹が現れる前の頭痛や発熱、皮膚の奥のピリピリとした痛みなどで帯状疱疹だと判断することができます。

また、一般的な虫刺されやかぶれよりも強い痛み・かゆみを感じることが多いので、「いつもと違うな?」と感じたら、まずはお近くの皮膚科の診察を受けるようにしましょう。

 

適切な治療を受ければ3週間〜1ヶ月で治癒

水痘・帯状疱疹ウイルスの活動のピークは、疱疹が発生してから3日間です。その期間にウイルスを抑え込む「抗ヘルペスウイルス薬」を内服すれば、早めに治癒することができます。

適切な時期に効果的な治療を受けることで、治癒を早められるだけでなく、ただれ跡が皮膚に残ってしまうのを防げたり、後遺症である「帯状疱疹後神経痛」を防げます(帯状疱疹後神経痛について、くわしくはコチラの記事をご参照ください)。

 

おわりに

単なる皮膚疾患ではなく、ウイルスが引き起こす疾患である帯状疱疹。そのメカニズムと症状の特徴を知っておけば、早期発見につながり、ひどくならないうちに治療を受けることができるはず。

また、免疫力の低下が引き起こす症状だと知っていれば、普段から食事や睡眠、休息、運動などに気を使い、免疫力を高めるよう、心がけることができます。

一度、帯状疱疹を発症すれば、水痘・帯状疱疹ウイルスへのより強い抗体が身体の中にできるため、再発はしにくいと言われています。
ですが、油断は禁物です。治療中はもちろんのこと、治癒後もバランスの整った食事と十分な睡眠を心がけ、規則正しい生活をするようにしましょう。

日頃の心がけによって培われた高い免疫力は、帯状疱疹だけでなく、さまざまな疾患からあなたを守ってくれますよ。

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