帯状疱疹ってなに?ヘルペスとは違うの?

「ヘルペスと帯状疱疹の違い」を問う人がいますが、ヘルペスウィルスが感染して起こる病気なので、「帯状疱疹」もヘルペスの一種ということになります。

多くの場合、人々がヘルペスと呼んでいるのは同じくヘルペスの一種であり、発症率が最も多い「口唇ヘルペス」です。

「帯状疱疹」は、カラダの左右どちらかに、胸や背中にかけて発症することが多い病気ですが、もしも免疫力が著しく低下している場合には、全身に症状が広がる場合があります。また、皮膚症状がおさまった後も痛みが残ることがあります。

水痘・帯状疱疹ウィルスはカラダの神経にかくれている?

<通常であれば、水痘・帯状疱疹ウィルスにより1~5歳ぐらいに「水ぼうそう」として初感染し、大人になってから「帯状疱疹」として再発します。子供の頃にかかる水ぼうそうは、発熱や強いかゆみをともなう水泡がカラダにあらわれ、1~2週間で症状がおさまります。

しかし、症状がおさまったからといって、ヘルペスウィルスがすっかり身体から抜けたかといえば、そうではありません。実は、ヘルペスウィルスは背骨の近くにある神経細胞が集まっている場所に、こっそり隠れているのです。

つまり、「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」とは、潜伏していたウィルスにより発症する病気ということです。

帯状疱疹の症状について

カラダの左右、どちらかに症状があらわれます。基本的には胸からお腹、背中まで、神経に沿って帯状に症状があらわれますが、顔面にある三叉神経の領域にも症状が出る場合があります。 

なお、目や耳のまわりにできた場合、角膜・聴覚・顔面神経に障害が及び、その障害を残してしまうことがあるので要注意です。

帯状疱疹の症状のあらわれ方

発症から回復するまでには、だいたい3週間から1か月ほどかかります。

段階 症状
初期段階 カラダの片側の神経に沿って、刺すような痛み(チクチク・ピリピリ)を感じる。
この痛みが数日~1週間続くことも。
第二段階 痛みを感じた場所に、まるで虫刺されのようにブツブツとした赤い発疹ができる。
症状のピーク 中央にくぼみのある水ぶくれが胸から背中、腹部などまで帯状に広がる。顔や手、足にあらわれる場合も。水ぶくれは1週間で破れて、ただれる。
治癒へ やがて、水ぶくれはかさぶたになり治癒へと向かう。基本的には皮膚症状がおさまると痛みも消える。

※皮膚が治っても「帯状疱疹後(ヘルペス後)神経痛」が起こり痛みが長期間残る場合があります。

帯状疱疹の痛みの特徴

・夜も眠れないほどの激痛が何日も続くことがある。
・症状が全身に広がることがある。
・衣類を着脱するだけでも痛みを感じる場合がある。
・年齢が高くなるほど発症率が上がる。

帯状疱疹発症の原因

子供のころに水ぼうそうとして発症し、カラダのなかに潜伏していたヘルペスウィルスが増殖して暴れだすのは、カラダの抵抗力が弱まったとき。そのために、以下の原因で帯状疱疹が発症すると考えられています。

・疲労
・ストレス
・病気・手術・ケガ
・高齢化
・免疫抑制薬の使用

帯状疱疹の治療と薬について

「帯状疱疹」は、重症になると入院して点滴で治療する場合があります。そのために、皮膚や神経へのダメージが少ないうちに適切な治療を受けることが大切です。帯状疱疹の治療とは、主に抗ウイルス薬「アシクロビル:ゾビラックス、バラシクロビル:バルトレックス、ファムシクロビル:ファムビル」の投与でウィルスの増殖をおさえることです。しかし、この薬は効果が出るまでに数日間を要します。

できる限り早く皮膚科を受診するようにしましょう。なお、あまりにも症状がひどい場合は消炎鎮痛薬やステロイドを内服する場合があります。

加えて、痛みが過度に激しいときはペインクリニックを受診し、「神経ブロック注射」で痛みを抑える方法もあります。

「神経ブロック注射」とは、神経のまわりに局部麻酔をして、痛みが伝わる経路を遮断する注射です。ただし、ワーファリンなどのお薬を服用している場合「神経ブロック注射」は行えません。

帯状疱疹に効果のある市販薬は?

「帯状疱疹」は、早目に抗ウイルス薬を全身に投与することが何よりも先決です。

それゆえに市販薬の積極的な活用はおススメしません。しかし、一時的に激しい痛みをなんとかしたいというときは、以下のような薬を利用してみましょう。

◆タイレノール(非常に安全性の高いアセトアミノフェン系のお薬です)

発症予防にワクチンが有効?

水痘ワクチンの接種で発症率を低くしたり、重篤化を軽減させる可能性があるならば、これからの高齢化社会において、それほど有効なことはありません。

高齢者が身内にいる場合、専門の医療機関でワクチンについて相談してみることも予防対策のひとつになるかもしれませんね。もしも、高齢者が帯状疱疹を発症して、重篤な合併症や帯状疱疹後神経痛を患った場合、それは耐え難いもので、場合によってはうつ症状になってしまうこともあります。

ただし、それを検証できるのはまだまだ先だといいます。

しかし小児期に水痘ワクチンを接種しておくと、高齢になった時に帯状疱疹が出にくくなると、理論的には肯定できるのだとか。

このワクチンは、2014年小児を対象に定期接種化されたとのこと。これにより水痘患者が減少し、免疫がつくられないことで帯状疱疹患者が増えるのではないかという見解があります。
皮膚科によっては、1988年日本で認可された「水痘ワクチン」の接種を行っている場合があります。