手足口病は夏風邪の一種で子どもの間で流行する感染症です。その90%は主に5歳以下の乳幼児で流行しますが、まれに大人も感染します。子どもから保護者に感染することもあれば、乳幼児と接する仕事やそれ以外でも外での活動において大人単独で感染することもあります。

子どもの場合、発熱は3人に1人程度で、発疹も1週間程度で消える軽度の病気です。しかし大人が手足口病に感染した場合、子どもに比べて症状が重症化しやすくなるので注意が必要。

この記事では大人の手足口病について、詳しい症状や対処法を解説します!

大人の手足口病の症状は子どもと違う!

子どもの手足口病は最初に白い水泡性の発疹が口内に表れ、その後手や足にも2~3mmの発疹が出現します。口内は強い痛みをともなう口内炎のような状態で、手や足の発疹は痛みがない場合もあります。発熱は38度以上の高熱にはなりません。
しかし大人が手足口病に感染した場合、これらの症状がより重くなり他の症状も表れることが多くなります。
症状を重くしないためにも初期症状を見逃さないことが大切です。

手足口病の初期症状

手足口病の初期症状は口の中にできる水泡です。水泡は痛みをともない口全体に白いポツポツができるため、見た目にも判断しやすい初期症状の一つです。痛みに加えてかゆみも出る場合があります。
また、水泡が口の中にできたあとに、口内だけではなく手のひらや足の裏などにも広がります。

大人の症状の特徴

■発熱する
大人は発熱する割合が高く、その中でも3割程度は40度近い高熱がでやすくなります。

■痛みが強い
口内の発疹が舌の付け根や喉の奥にもでき、強い痛みをともないます。また手や足にできた発疹も痛みをともない、物を持ったり靴下を履くといった行動が困難になりやすいです。

■かゆみがある
手や足にできた発疹が痛みではなくかゆみを発症する場合もあります。

■爪に影響がある
指先や手にできた発疹がかゆみを持ち、その影響で症状が治まった1~2か月後に爪が弱くなったり剥がれてしまう症状が表れることもあります。

合併症に注意!

手足口病の原因となるウイルスは複数ありますが、エンテロウイルスは他のウイルスで手足口病にかかった場合と比べて、中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高いことが報告されています。
特に大人の場合は通常の症状も子どもより重いため、より注意する必要があります。頭痛や悪寒、嘔吐などがある場合は早めに病院を受診することをおすすめします。

手足口病の感染経路

手足口病はどのように感染するのでしょうか。感染経路は主に3つあります。

飛沫感染  咳やくしゃみなどでウイルスを含んだ分泌物を吸い込み感染。
接触感染 皮膚や粘膜による直接的な接触、物体の表面を介した間接的な接触により感染。
糞口感染  便の中にウイルスが排出しており、口に入って感染。

手足口病の感染を5歳以下の乳幼児が90%以上占めているのは、これらの感染経路が乳幼児が集団生活をする保育施設や幼稚園などで防ぐことが難しいからです。

大人の感染経路はオムツ交換にあり!

大人が手足口病に感染する時は、子どもが保育園や幼稚園から持ち帰ったウイルスから接触感染する可能性が高くなります。すでに子どもが手足口病に感染している場合、子どものオムツ交換後、手洗いが十分ではなく手指にウイルスが残ったまま食品を触るなどして糞口感染します。
症状が現れていない潜伏期間にもウイルスは存在しているので、子どもの発症が確認されていなくても、オムツを交換した際には手洗いの習慣をつけることを徹底しましょう。

手足口病の対処法

大人が手足口病に感染したらどのような治療法があるのでしょうか。気になる出社・出勤についてもまとめました。

手足口病の治療

子どもも大人も手足口病の主な治療方法は「対処療法」です。手足口病に専用の薬はなく、病院へ行っても特別な治療方法はありません。状態に応じて痛みを和らげる鎮痛剤や、熱がひどい場合は必要に応じて解熱剤を使うなど、それぞれの症状に対処しながら自宅で安静にする治療となります。

大人の場合は各部位の症状が重くなりやすいため、口内の水泡に対してうがい薬や口内炎治療薬、手足の強いかゆみには炎症を抑える抗ヒスタミン薬が処方される場合もあります。このように症状が幅広いため、まずは病院を受診して適切な処方を受けることが大切です。
自然治癒する目安は、おおよそ1週間から10日ほどです。

出社・出勤は可能

手足口病は学校保健安全法による出席停止が義務付けられている感染症ではないため、子どもは症状が回復すれば登園、登校が可能です。大人が感染した場合も診察して出社・出勤を停止するよう言われることはないでしょう。
しかし手足口病は咳やくしゃみなどで飛沫感染するため、出社・出勤・外出するときにはできるだけマスクを着用することが、感染拡大を防ぐエチケットです。

手足口病をうつさない・うつらないための予防

家族に手足口病に感染した子どもがいる場合、家族が接触感染をしないよう気をつけることが大切です。
お風呂で同じ洗面器やタオルを使うことは、物体の表面を介した間接的な接触感染をおこす可能性がとても高くなります。また保護者が身体を洗ってあげるときに水泡性発疹がつぶれてしまうと、水泡の中にいるウイルスに接触感染してしまいます。
家族に乳幼児がいなくても外で接触感染している可能性はあるので、石鹸を使った丁寧な手洗いが何よりも大切です。

手足口病は症状が回復しても3~4週間は鼻水や便の中にウイルスが含まれています。そのため、発症から回復した後も含めて最低1ヶ月は感染対策に注意が必要です。

おわりに

大人の手足口病について、詳しい症状や対処法を解説しました。
感染症に感染しないためには、自分の免疫力を保つことも大いに有効です。特に手足口病は大人でも体力を消耗しやすい暑い夏場に流行するため、普段から睡眠時間の確保やバランスの取れた食事など日常生活での意識も大切です。
しっかり予防と対策をおこない、重症化しやすい大人の手足口病にかからないようにしましょう!