アタマジラミは不潔さとは無関係

「シラミ」と聞くと、不潔なイメージがあるという方も多いのではないでしょうか。
しかし、アタマジラミが寄生する原因は不潔さではありません。

戦後の衛生環境悪化により流行した「コロモジラミ」のイメージにより、シラミが寄生している人は不衛生だというレッテルを貼られがちですが、それは間違いです。

アタマジラミは日本だけではなく、先進国も含めた世界中で発生しています。
世界的にみれば、日本は発生数がとても少ない国のひとつ。イギリスでは小学校の先生から生徒へアタマジラミについての説明を行ったり、専門のボランティアがいたり一般的な病気として認識されています。

シラミへの誤った認識から、いじめにつながるケースもあるのが現状です。
不要な差別が起こらないよう、保護者はもちろんのこと、保育園や学校の関係者なども正しい知識を身につけなければなりません。

この記事ではアタマジラミの原因や感染経路から駆除方法まで詳しく解説します。

アタマジラミとは

シラミは種類によって発生原因も寄生する場所も異なります。また、アタマジラミのほかにコロモジラミ、ケジラミ、動物のシラミなどがいます。
アタマジラミは季節問わず発生します。幼稚園や小学校で夏のプール開きの前に検査を実施し、アタマジラミが発見されるため夏に多いと思われがちですが、実際は1年中注意する必要があります。
アタマジラミは人間の頭髪に寄生し血を吸いますが、感染症の心配はありません。

アタマジラミの症状

吸血により、激しいかゆみが起こります。
また、頭を掻いてしまったことによってかき傷が化膿し、細菌感染を起こすなどリンパ節が腫れたりする場合もあるので、なるべく掻かないように注意が必要です。

アタマジラミは子どもに多い理由とは?

アタマジラミ発生の約90%は0〜9歳の子どもです。とくに保育園年長から小学校低学年に集中しています。
大人にアタマジラミがうつらないのではなく、子どもの生活スタイルがアタマジラミの感染を広げているのです。
子どもに多いおもな理由は2つあります。

■シャンプーが不十分
赤ちゃんや子どもの洗髪は親が洗っても、子どもが嫌がったりすることなどからどうしても不十分になりがちです。
また小学生くらいになると、自分で洗髪をするようになるため、洗い残しが多く、アタマジラミの卵があっても流すことができません。

■子どもは頭(髪)の接触が多い
学校などの集団生活では、頭の接触する機会が多いものです。帽子の貸し借り、給食帽の使いまわし、体育の授業や遊びでの頭の接触など、日常的に大人よりもアタマジラミに感染しやすい状況にあるといえます。

アタマジラミの感染経路

アタマジラミの感染は、おもに頭(髪の毛)の直接接触により起こります。
子ども同士での感染が多いのは、近い距離で遊ぶことにより、髪の毛が触れ合う機会が多いためです。
また、保育園などでの集団での昼寝にも感染の可能性が潜んでいます。具体的な観戦のシチュエーションをみていきましょう。

頭を寄せ合いながら遊んでいるとき

ゲームや本などに夢中になり、同じ画面を覗き込んでいるときなどは要注意です。頭を寄せ合っているため、お互いの髪の毛が触れあい、感染の原因となります。
ほかにも子ども同士が相撲をとるなど、体を寄せているときに頭が接触し感染することがあります。
手で触って感染したり、アタマジラミが飛び跳ねたり、飛び回ったりして感染することはありません。

集団での昼寝

子どもたちが寄り添って昼寝をしていると、髪の毛と髪の毛が重なり、感染が起こります。まくら、シーツ、ベット、寝具を介しての感染も考えられます。

また子どもたちは、ごろごろしながら遊ぶことも多いでしょう。そのように遊んでいる部屋も感染経路のひとつとなる場合があります。

帽子やヘアブラシなどの共有

帽子や衣類、ヘアゴム、ヘアブラシ、クシ、タオルなどを子どもたちは共有することが多いので、感染が大人よりも高くなります。

プールで感染することはない!

プールで泳いでいるときの感染はほぼないと考えられています。
実際にはプールでの感染が心配される理由は、前後の着替えのときです。タオルを共有したりすることが原因で感染するので誤解されがちですが、いずれにせよプールの授業は気をつけなければなりません。

アタマジラミ感染後の保育園の登園

子どもがアラマジラミに感染したら、まずは保育園に報告をしてください。
保育園と相談のうえ、登園するかしないかも含め子どもにとっての最良の方法を選びましょう。

基本的には、アタマジラミの寄生数が少ない場合は登園しても問題ありません。ただし、帽子やクシなどの共有で感染の可能性があるので、先生が注意する必要があります。
そしてまめに頭髪を観察し、家では髪の毛をしっかりと洗うことが必要です。

寄生数が多かったり駆除が進まない場合は、保育園を休む選択肢もあります。保育園に駆除の進み具合などを定期的に報告しながら、解決方法を探っていってください。

保護者の間では間違った情報を持っていることも多く、シラミと聞くだけで不潔と思われいじめや差別が起こってしまうケースもあります。
学校側と連携をとり注意しながら対処をしていきましょう。

アタマジラミの駆除方法

まずはアタマジラミの見つけ方を確認しておきましょう。アタマジラミがいるとわかったら、シャンプーや専用のコームを使って駆除します。

アタマジラミの見つけ方

■卵をさがす

アタマジラミの成虫の動きは早く、見つけるのは難しいため、卵があるかどうかを確認します。
アタマジラミの卵は、ヘアキャスト(ふけ)と似ているので気付きにくいのですが、アタマジラミの卵は、髪の毛の根元近くに産みつけられていることがほとんどです。
後頭部や、耳の後ろ側などに多くみられます。

■指で触ってみる

見分け方のポイントは、ヘアキャストは指で触ると簡単にとれるのに対し、アタマジラミの卵は髪の毛にへばりついており、しごかないととることができない点です。
指で触って引っかかる感じがある場合は、要注意です。

また、虫めがねなどで見て確認するのもひとつの方法です。孵化する前の卵の中では、幼虫を確認することができます。

駆除方法①:寄生が少ない場合や日頃の予防に

以下の手順を3日間連続して行いましょう。それでも駆除が終わらない場合は、梳き(すき)櫛を使用する方法に変更してください。

《準備するもの》普段使用しているシャンプー、洗髪中に使用するブラシ

■手順

①ブラッシングをして、髪の毛のからまりを解いておきます。

②普段使用しているシャンプーで丁寧に洗髪をしましょう。耳の後ろや頭皮もしっかりと洗うようにしてください。

③ブラッシングを行いながら、髪の毛をすすぎます。このとき、髪の毛から頭皮に逃げているアタマジラミがいる可能性もあります。十分にすすいでください。

④リンスやコンディショナーも同様に行います。

⑤髪の毛が乾いた後、明るい場所で髪の毛を観察しましょう。卵と思われるものは、ハサミで髪の毛ごと切りましょう。ハサミの取り扱いには十分に注意してください。

ポイント:櫛やブラシは、使用前に60℃のお湯に5分以上浸けておいてください。

駆除方法②:梳き櫛を使用+薬剤を使用しない方法

この方法は薬剤に弱い子どもに向いています。卵などをしっかり確認しながら駆除でき、服を着たまま行うことができます。

《準備するもの》梳き櫛(駆除専用櫛や目の細いものなど)、普通のヘアブラシ、ベビーオイル(洗い流さないコンディションナーでも可)、ヘアクリップ、普通のシャンプー、使い古しの歯ブラシ、ティッシュ、タオルやケープなど

■手順

①髪の毛全体をブラッシングし、からまりをほどきます。ベビーオイルなども上手に使いながら、徹底的に行いましょう。

②髪の毛を2〜3cmの束にわけて、もう一度ブラッシングをしましょう。まわりの余計な髪はヘアクリップで留めておきます。

③ベビーオイルをつけた梳き櫛で、髪の毛の根元から梳いてください。
アタマジラミが髪の毛から頭皮へ避難している場合もあります。頭皮もよく確認しながら行いましょう。髪の毛が櫛に引っかかる場合は、ブラッシングからやり直します。

④櫛を明るい場所で確認し、卵などの有無を確認します。櫛の目に卵や幼虫が挟まっている場合は、歯ブラシなどでしっかりと取り除き、再付着しないように注意してください。

⑤普段通りにシャンプーをし、髪の毛を乾かします。

⑥頭髪を観察し、残っている卵などを確認しましょう。しっかりと行えば、駆除は数日で完了します。

駆除方法③:梳き櫛+薬剤を使用する

この方法は幼虫と成虫の駆除が確実に行えます。しかし薬剤の使用だけでは、卵を取ることはできません。

《準備するもの》薬剤(スミスリンシャンプー)、梳き櫛(駆除専用櫛や目の細いものなど)、リンス(ヘアコンディショナー)、普通のヘアブラシ、ヘアクリップ、使い古しの歯ブラシなど

■手順

①ブラッシングをして、髪の毛のからまりを解いておきます。

②スミスリンシャンプーを使用して洗髪を行います。髪の毛の生え際、耳の後ろ、襟元などもしっかりと洗いましょう。

③シャンプー後、5分置いてから髪の毛をすすぎましょう。5分という時間は、アタマジラミが麻痺するまでにかかる時間です。

④リンスをつけて、普通のブラシでブラッシングします。

⑤髪の毛を1~3cmの束に分け、梳き櫛で根元から梳いてください。

⑥櫛を明るい場所で確認し、卵などの有無を確認します。櫛の目に卵や幼虫が挟まっている場合は、歯ブラシなどでしっかりと取り除き、再付着しないように注意してください。

⑦リンスをすすいで、髪の毛をドライヤーで乾かします。

⑧頭髪を観察し、残っている卵などを確認します。スミスリンシャンプーは、3日に1回(中2日あける)使用しましょう。

駆除が終了しない場合は、薬剤の効かないアラマジラミの可能性があります、保健所などに相談が必要です。

◼︎スミスリンL シャンプータイプ

スミスリンLシャンプータイプ

アタマジラミの除去に有効なシャンプーです。1回の使用量は10〜20ml程度。3日に1度、3〜4回繰り返して使用します。専用くしが付属されています。

オススメ:専用のコーム+ドライヤーで駆除する

薬剤の使用は抵抗がある場合には、ステンレス製の目の細いコームがおすすめです。卵を確実に取り除きます。
そして成虫は熱に弱いので、ドライヤーの熱風を髪に当てると落ちてきます。

■ニットピッカー フリーコム

【国内正規品】ニットピッカーフリーコーム シラミ・卵駆除専用櫛

シラミの卵を「ニット」といい、見落としてしまいそうな小さなニットも動くシラミも、33本のステンレス極細歯が効果的に駆除します。先は丸く丈夫で、頭皮を傷つけません。

アタマジラミの予防方法

◼︎普段からスキンシップをかねて、子どもの頭髪をよく観察しておきましょう。

◼︎兄弟間や子ども間で、帽子やマフラー、くし、タオルなどは共有しないようにしましょう。

◼︎子どもが自分でシャンプーをするようになると、洗い方が不十分な場合があります。アタマジラミの感染が幼稚園や学校である場合は、大人が髪の毛を洗ってあげましょう。

◼︎シーツや枕カバーは、アイロンをかけるか、洗剤を入れて洗濯をしましょう。

◼︎掃除機をこまめにかけましょう。殺虫剤などの使用は不要です。

◼︎駆除を行う大人も感染に注意しましょう。

おわりに

アタマジラミは、誰にでも寄生する可能性があります。正しい知識を持って、適切に処置を行うことで、確実に駆除をすることができます。

また、駆除が終了しても安心せず、定期的に大人が検査を行うようにしましょう。早期発見が大切です。