アトピー性皮膚炎|アトピー治療の処方薬・市販薬は?

アトピー性皮膚炎に使用する薬について解説。アトピー治療のために市販薬を使用する場合の注意を解説します。市販薬や市販の保湿ケア製品を使用する場合は、自分の体質に合った薬を根気よく見つけることが最も大切です。

アトピーの治療は病院で!

アトピーは多くの人が悩まされている身近な皮膚疾患のひとつです。正式には「アトピー性皮膚炎」といいます。

アトピーは発症のメカニズムや原因が明確になっていない部分もあるため、自己判断で市販の薬を使用することはおすすめできません。

アトピー性皮膚炎が疑われる場合はまずは皮膚科を受診しましょう。

アトピーの症状の特徴

多くの場合、乳幼児の頃に発症し、半数程度の方は成長とともに症状があらわれなくなってきます。ただし、症状が重い場合は年齢を重ねても症状が落ち着きにくい傾向があります。

アトピー性皮膚炎の主な症状は、赤みがありじゅくじゅくして掻くと皮がむけたり、体液が出てくる「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。

乾燥しやすくなる冬季、汗をかきやすい夏季に悪化しやすくなります。

病院で行なわれるアトピー治療

皮膚科を受診しアトピー性皮膚炎と判断されたら、症状の程度に合わせて以下の3つの治療を組み合わせて行われます。

治療の種類 治療内容
原因の分析と対策 個人の原因(食べ物、ストレス、発汗など)に合わせた対策
スキンケア 保湿(保湿剤の使用)
薬物療法 ・炎症の抑制
・かゆみ対策 など

アトピーは症状の悪化と改善を繰り返し慢性化することが多い皮膚疾患です。

症状の程度に関わらず、原因への対策とスキンケア、かゆみ対策は日常的に行います。加えて、症状の程度に合わせて炎症をおさえる薬を使用し、症状を安定させることを目指します。

アトピー治療で使用する処方薬

アトピーに用いられる薬は目的ごとに使いわけます。

アトピーに用いられる薬の種類は複数あるため、医師の診断のもと症状に合わせて薬が処方されます。

アトピーの治療で最も大切なことは、処方薬・市販薬に関わらず、自分の肌や身体に合った薬を使用することです。

よく効くといわれる薬でも、必ずしも自分に合うとは限りません。また、家族の間でも、同じ薬で全員同じ効果を得られるわけではありません。

自分に合った薬を見つけ、症状が改善するまで根気よく治療を続けることが大切です。

目的 薬の成分の種類 主な薬の剤形
炎症をおさえる ・副腎皮質ステロイド
・免疫抑制薬(タクロリムス軟膏)
外用薬(塗り薬)
スキンケア(保湿) 保湿剤 外用薬(塗り薬)
かゆみをおさえる 抗ヒスタミン薬(第1世代、第2世代) 内服薬(飲み薬)

市販の保湿剤はスキンケアで活用

アトピーのスキンケアでは、皮膚の保湿・乾燥を防ぐことを目的とし保湿剤を使用することがメインになります。

スキンケアは症状の程度に関わらず、日々の対策として症状が出ていないときでも継続して行うことが望ましいです。

病院で保湿剤を処方されることもありますが、症状によっては市販の保湿剤を紹介されることもあります。

病院では、保湿に加えて皮膚を清潔にすること、シャワーの習慣などのスキンケア指導も行われます。

スキンケアに適している成分

アトピーのスキンケアに適している保湿成分は以下の通りです。

・ヘパリン類似物質
・ワセリン
・尿素製剤
・亜鉛華軟膏

医師から薬を処方されている場合は、用法用量を正しく守って使用してください。

市販の保湿剤を選ぶポイント

スキンケア目的で市販の保湿剤を使用する場合は、事前にかかりつけの皮膚科の医師に相談することをおすすめします。アトピーの重症度によっては処方薬での治療が必要な場合があるため注意が必要です。

医師との相談の上で、市販の保湿剤を選択する場合は、次の3つのポイントを確認しましょう。

・ヘパリン類似物質またはワセリン成分のものを選ぶ
・自分の肌質や身体に合った薬を選ぶ
・低刺激の製品を選ぶ

ミナカラ薬局のポイント
処方薬では尿素製剤や亜鉛華軟膏を処方されることがありますが、尿素製剤は症状によっては傷口にしみてしまうこともあります。
また、亜鉛華軟膏は乾燥を促進させることもあるので、自己判断で使用せず、必ず医師に相談しましょう。
市販の保湿剤で低刺激のものには、有効成分がヘパリン類似物質単剤のもの、またはワセリン単剤のものがあります。

市販の保湿剤を選ぶポイントについて詳しくはこちらの記事をごらんください。

アトピーで処方される薬は?

炎症などをともなわない軽微のアトピーの場合は、ステロイドを含まない外用薬に加えて、必要に応じて抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服薬が処方されます。

1〜2週間程度を目安に薬を使用し、定期的に受診して使用後の症状の変化を観察し、薬の継続や変更の判断が行われます。

炎症をともなう症状の場合は、発症部位や年齢に合わせてステロイドが含まれる外用薬をメインに使用します。外用薬に加えて、必要に応じて抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服薬が処方されます。

医師の判断にもよりますが、症状が重いときにはステロイドなどの外用薬が一日複数回(二回など)使用されることがあり、症状が良くなってきたら医師の判断のもと使用量や回数を減らしていきます。

ミナカラ薬局のポイント
外用薬の場合、使う量やタイミングが不明確になりがちです。特に症状が良くなったからといって薬を急激に中止してしまうと、かえって長引かせたり悪化を招いてしまうこともあります。
必ず医師の指示を守って薬を使用してください。

ステロイドの外用薬

アトピーの場合は、症状に合わせてステロイド外用薬を使用することが治療の基本になります。

カサカサして乾燥した状態など症状が軽微の場合は、ステロイドを含まない外用薬か、ステロイドの中でも強さが弱いweekクラスの薬を使用します。

また、原則ステロイド吸収率の高い顔などに使用する場合は、ステロイドの強さが中程度のmediumクラス以下の薬を使用します。

ジュクジュクしたり膿んだり症状が重い場合は、very strongやstrongestなどのステロイドの強さが強い薬が処方されます。

症状に合わせて適切な強さのステロイドを使用することが最も大切なので、医師から処方された薬は正しく使用しましょう。

ミナカラ薬局のポイント
アトピーの場合は、市販のステロイド薬は使用しないでください。
ステロイドの強さは症状や使う場所によって、医師の判断が必要となります。
自己判断でアトピーにステロイドを使用すると、症状の悪化につながることもあるため、ステロイドは医師の診察を受けたうえで処方してもらいましょう。

ステロイド薬の使い方の注意

ステロイド外用薬は、使用する前に手をきれいに洗ってください。塗るときは、症状がある部位だけに優しく塗ります。

また、手のひらや足の裏など皮膚が厚い部分に塗る場合は、入浴後など皮膚が柔らかくなっている状態でぬると効果的です。

アトピーの治療は根気よく行いましょう!

アトピーの治療の基本は病院を受診して適切な薬を処方してもらうことです。

薬での治療に加えて、原因に対する対処や生活習慣の改善などを続けることで症状の改善を目指します。

アトピーの治療は、数週間、数か月で完治を目指すものではありません。基本的には薬で症状を落ち着かせて、症状が出ない状態を維持することを目指すため、症状が出ない状態でも日々の保湿ケアも重要になります。医師と相談しながら、市販の保湿ケア製品を試すこともよいでしょう。

時間はかかりますが、皮膚科での治療がアトピー改善の手助けになることは間違いありません。

まずは正しい診断を受けることが治療の最大の近道なので、皮膚の状態に不安がある場合は皮膚科の受診をおすすめします。

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