はじめに

水疱瘡は、「水痘(すいとう)ウイルス」が原因のウイルス感染症です。

9歳以下の発症が90%を占めるといわれていますが、大人も感染し、その場合ウイルスが肺、脳、心臓、関節に感染して重症化することがあります。

水疱瘡は、発疹をはじめとして、37〜38℃程度の発熱、軽度の頭痛、倦怠感などの症状が現れます。症状は、子どもより大人の方が重いとされています。

水疱瘡の治療は、水痘ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス剤の使用が基本になります。抗ウイルス剤は医師の処方箋の必要な薬であり、水疱瘡の治療の基本は病院を受診することです。

しかしながら、土日祝日夜間など医療機関に行けないときに、発熱や頭痛がひどく、応急処置として市販薬を使用したいと考えるケースもあるかもしれません。

ただし、水疱瘡のときには使用が禁止されている成分があり、安易に手元にある風邪薬や解熱鎮痛剤を使用することは危険です。

この記事では、水疱瘡のときに市販の解熱鎮痛剤を使用する場合の注意点について解説します。

水疱瘡のときに使えない薬の成分

解熱鎮痛剤の中でも「非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs」と呼ばれるグループの薬は多く使われています。

水疱瘡の時はNSAIDsのなかでも「サリチル酸系」と呼ばれる薬は、「ライ症候群」とよばれる脳症や肝臓への障害につながる合併症を起こすことがあり死亡例もあるため使用が禁止されています。

ライ症候群は、主に19歳未満の未成年が発症しやすいとされていますが、成人の方も使用を避けたほうが無難です。

市販薬の中で「サリチル酸系」と呼ばれる成分は「 アスピリン(アセチルサリチル酸)」「エテンザミド」になります。

これらの成分が含まれる薬は、水疱瘡の治療中や、水疱瘡が疑われる時は使用しないようにしましょう。

水疱瘡のときに使用できない主な薬

◼︎アスピリン(アセチルサリチル酸)が配合されている薬
バファリンA、バイエルアスピリン、エキセドリンA錠、ケロリン

◼︎エテンザミドが配合されている薬
ノーシン、新リングル、新パトシック錠 など

水疱瘡のときに使える解熱鎮痛剤

市販薬で急場をしのぐ場合、最も推奨されているのは成分がアセトアミノフェンの薬です。

アセトアミノフェンは、脳の中枢神経に作用し、痛みや熱をおさえる作用があります。また、副作用や合併症などを引き起こすリスクが他の薬に比べて低いとされています。

とくに、15歳未満の子どもが水疱瘡の時に使える解熱鎮痛剤の成分はアセトアミノフェンのみです。

15歳未満の子どもが使えるアセトアミノフェンの市販薬

小児用バファリンC2 16錠(第2類医薬品)

小中学生用ノーシンピュア 12錠(指定第2類医薬品)

ノーシンホワイトジュニア

15歳以上が使えるアセトアミノフェンの市販薬

タイレノールA

タイレノールは数少ない成人向けの「アセトアミノフェンのみ」の解熱鎮痛剤です。
小児用の薬と同様安全性は高く、授乳中の方でも使えるタイプになります。

水疱瘡のときに大人が使える解熱鎮痛剤

アセトアミノフェンは副作用が少なく安全な分、効果は穏やかです。人によっては期待するほど効き目が感じられない場合もあるかもしれません。

水疱瘡のときに推奨されているわけではありませんが、飲んでも問題ないとされ、アセトアミノフェンより効果が期待できる薬としてイブプロフェンやロキソプロフェン(ロキソニン)といった成分の薬があげられます。

イブプロフェンの薬

バファリンルナi 20錠

生理痛の薬としてパッケージングされていますが、こちらの成分は発熱時の解熱にも使うことができます。男性の解熱鎮痛でも使用が可能です。

なお、バファリンルナiの成分は問題ありませんが、バファリンシリーズの他の薬には主成分がアスピリンのものもあります。水疱瘡が疑われるときは使用できないので注意してください。

おわりに

水疱瘡の治療は、基本的に医療機関で行うものです。

市販の解熱鎮痛剤を使用するのは、あくまで応急処置と考え、休日などでどうしても医療機関に行けない場合にのみにとどめましょう。