手の湿疹の予防には保湿を行うことがポイント
手湿疹の原因は、外的刺激・アレルギー反応・アトピー性皮膚炎に大別できます。
その中でも手の湿疹は主に外的刺激が原因のことが多く、日頃から手の保湿をして皮膚のバリア機能を高めておくことが大切です。
そのため、保湿のために皮脂を補うハンドクリームを使用することは、湿疹の予防に効果的であるといえます。
ただし、ハンドクリームを使用する場合は手が乾燥している場合にとどめ、手に水ぶくれのようなものができていたり、ジクジクと化膿していたりする場合は、速やかに皮膚科を受診しましょう。
なお、アトピー性皮膚炎の場合は、皮膚科を受診してアトピー性皮膚炎の治療に沿って手湿疹を改善していく必要があります。
湿疹を予防する保湿におすすめのハンドクリーム
次に紹介するハンドクリームには、ワセリンやグリセリンなどの保湿成分・グリチルリチン酸・ビタミンEなどが配合されています。
成分名 | 効果 |
保湿成分(ワセリン・グリセリンなど) | 皮膚に潤いを与えて乾燥を防ぐ |
グリチルリチン酸 | 皮膚の炎症をおさえる |
ビタミンE | 血行を促進することで皮膚の治りを助ける |
ハイテウルクリームN
皮膚の炎症をおさえるグリチルリチン酸、血行を促進するビタミンEの酢酸トコフェロール、保湿成分のグリセリンが配合されています。
無着色・無香料で刺激が少なく、伸びがいいハンドクリームです。さまざまな皮膚科やクリニックでも推奨されている商品です。
ユースキンA
皮膚の炎症をおさえるグリチルリチン酸、血行を促進するビタミンE酢酸エステル、保湿成分のグリセリンが配合されています。
さらに、dl-カンフル配合でスーッとした清涼感も特徴です。
クリームの色が黄色いですがこれはビタミンの色であり、手に色が残ることはありません。
メンソレータムハンドベールプレミアムリッチバリア
皮膚の炎症をおさえるグリチルリチン酸、血行を促進するビタミンE誘導体、保湿成分の白色ワセリン、グリセリンが配合されています。
さらに、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールも配合されています。
水を弾くクリームになっているため、水仕事が多い人にもおすすめです。
手に湿疹ができてしまった場合におすすめの医薬品
ハンドクリームには、手にできた湿疹をすぐに治す効果はありません。
手に湿疹ができてしまった場合には、炎症を鎮める作用のある医薬品を使用しましょう。
5〜6日使用しても症状が改善しない場合は、使用を中止して医師・薬剤師・登録販売者に相談してください。
メンソレータムメディクイッククリームS
高い消炎効果のあるステロイドであるプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを主成分とした手湿疹におすすめのクリームです。
かゆみをおさえるクロタミトンとリドカイン、荒れた肌を修復するアラントイン、殺菌作用のあるイソプロピルメチルフェノールも配合しています。
手にできる湿疹を予防する方法は?
手の湿疹は一般的に、手を使っている限り悪化し続け、手を使わないようにすると症状が良くなるとされています。
しかし、日常生活において手を使わないようにすることは難しいため、手を外的刺激から防御することも治療において重要なポイントになります。
手湿疹の改善をうながすために、日常生活においては次のようなことに注意しましょう。
手袋をはめて生活する
日常生活では可能限り手袋をはめて、ほこりなどの外的刺激から手を守りましょう。手袋は肌への刺激が比較的少ない、綿手袋がおすすめです。
水やお湯を使いすぎない
水やお湯は、手の皮脂を落とし乾燥しやすくなります。
洗剤・シャンプー・アルコールなどを使いすぎない
水やお湯と同様に、洗剤・シャンプー・アルコールなども手の皮脂を落として乾燥しやすくします。また、含有成分が刺激となり手湿疹を助長するおそれもあります。
水仕事や洗剤を使うときは手袋をはめる
水や洗剤などを止むを得ず使用する場合は、ゴム手袋や使い捨ての手袋をはめて手を保護しましょう。ただし、ゴムやポリエスチレンにアレルギー反応を示す場合もあるため、注意してください。
おわりに:湿疹が改善されない場合は皮膚科を受診
湿疹の重症度が増している場合は、保湿剤やステロイドの外用薬、抗ヒスタミンなどの内服薬、漢方薬などによる治療が必要な場合があります。また、手湿疹ではなく、手の水虫やカンジダ症であるおそれもあります。
ハンドクリームによる保湿や外的刺激からの対策を行っても手の湿疹がなかなか改善されない・症状が悪化した場合は、湿疹を治す市販薬を使用するか、皮膚科を受診することをおすすめします。