おりもの・おりものシートはデリケートゾーンのかぶれの原因に
デリケートゾーンは皮膚のバリア機能を果たす角質層が薄く、ムレや摩擦による刺激・下着による締め付けでかぶれや炎症を起こしやすい部位です。
加えて、膣から分泌されるおりものによる刺激もデリケートゾーンのかぶれの原因となります。
また、おりものシートを使用すると下着の汚れを防ぐことができますが、肌の通気性は悪くなるためデリケートゾーンのかぶれを引き起こすことがあります。
おりものによるかぶれにおすすめの市販薬
おりものやおりものシートによるかぶれには、抗ヒスタミン成分が配合されたデリケートゾーン専用の市販薬がおすすめです。
抗ヒスタミン成分は、かゆみを発生させたり血管を拡張させて炎症を引き起こすヒスタミンという物質の働きをおさえるため、かゆみやかぶれを鎮める効果が期待できます。
なお、陰部は他の場所よりも皮膚が薄くデリケートなため、かゆみが強いからといって自己判断でステロイドを使用することは避けましょう。
おりものに異常がある場合は感染症などに注意
膣の自浄作用などの役割があるおりものは、通常は透明でにおいのない状態です。
おりものの色・量・においなどに異常がある場合は、細菌やカビの一種である真菌による感染症などのおそれがあるため、婦人科などの医療機関を受診してください。
おりものの異常と関係のある、主な感染症には次のようなものがあります。
かゆみとともにぽろぽろとしたおりものが出る:膣カンジダ
膣カンジダは、カンジダ菌というカビの一種が膣内で増殖することで、かゆみや腫れとともにおりものの異常を引き起こす病気です。
カンジダ菌自体は健康な人も保有していますが、何らかの原因によって菌が増殖すると、ぽろぽろとした白いおりものをともなうかゆみが現れることがあります。
カンジダ菌が増殖する原因としては、ピルや抗生剤などの使用によるホルモンバランスの乱れや膣内の環境の変化、ストレスや疲労になどによる免疫力の低下、または性交渉によるパートナーからの感染などがあげられます。
強いかゆみとともに緑色のおりものが出る:トリコモナス膣炎
トリコモナス膣炎は、膣トリコモナスという原虫によって引き起こされる感染症です。
性交渉による感染が一般的ですが、お風呂の椅子やタオルを介して感染することもあります。
トリコモナス膣炎に感染すると、淡黄色〜黄緑色の水っぽいおりものが出て、強いかゆみや灼熱感をともないます。おりものは泡立っていることも多く、悪臭がします。
おわりに
女性のデリケートゾーンは、生理用品の使用やおりもの・生理などによって、男性と比較しても常にムレやかぶれを起こしやすい環境といえます。
おりものやおりものシートによるかぶれを予防するためにはこまめにシートを交換するなどして、雑菌が繁殖しないようにデリケートゾーンの清潔を保ちましょう。
長く続くかゆみや我慢のできないかゆみが現れた場合は、症状に応じて市販薬を使用し、性感染症が疑われる場合には放置せず速やかに医療機関を受診しましょう。