春の暖かい柔らかな日差しが、ジリジリとした熱さをともなう日差しに変わると、紫外線対策を意識し始める時期です。現在たくさんの日焼け止めが販売されています。しかし成分に関してはよく分からないから、とりあえず表面に記載されているSPFの数値やPAの+マークが多い物を選んでいる、という方もなかにはいらっしゃるかもしれません。正しい紫外線対策を知ると、自分にあった日焼け止めを選ぶことができるようになります。

新しく日焼け止めを購入する前に、ぜひ知ってほしい日焼け止めの仕組み。紫外線吸収剤や紫外線散乱剤の仕組みや違い、メリット・デメリットなど、正しい紫外線対策を解説します!

紫外線とは

太陽から地球に降りそそぐ光線には、いくつかの種類があります。その中のひとつである紫外線で、地上まで届くものは「紫外線A波(UVA)」と「紫外線B波(UVB)」の2種類です。

  肌への変化 地上への届く量 防御方法
紫外線A波(UVA) 急激な変化は無し 大量:UVBの20倍以上 雲や窓ガラスを通り抜ける性質のため、曇りや家の中でも日焼け止めなどを使う。
紫外線B波(UVB) 赤く焼ける、水膨れ 少量:全紫外線量の10% 日焼け止めとあわせて日傘を使うなど、直射日光に当たらない。

UVAはすぐに肌が焼けるという変化はありませんが、じわじわと肌の奥まで届き、将来のシミやしわの発生に大きく関わります。UVBは強いエネルギーで肌の表面細胞を傷つけるため、炎症で水膨れが起きたり、皮膚ガンの原因に関わります。

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い

現在販売されている日焼け止めは、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤を混合したものも多くあります。これは紫外線に対する作用が違い、お互いの足りない部分を補う効果を期待するためです。
それぞれの仕組みを把握すると、環境にあわせてどちらの成分が強い物を選べばいいのか選択しやすくなります。

紫外線吸収剤の仕組み

紫外線吸収剤は、紫外線を吸収剤に取り込んで、他のエネルギーなどに変えて放出し、紫外線が肌の奥に浸透するのを防ぐ仕組みです。
紫外線を浴びている間中、熱エネルギーや赤外線に変えて放出したり、分子構造を一時的に変えたりと常に化学変化を起こしているため、どうしても紫外線吸収剤は時間がたつと弱まって効果を発揮できなくなります。「日焼け止めをこまめに塗りなおしましょう」といわれる理由のひとつは、新しく元気な紫外線吸収剤と入れ替える意味があるのです。

 

紫外線散乱剤の仕組み

紫外線散乱剤は、粒子が紫外線を反射させることにより、紫外線が肌に当たるのを防ぐ仕組みです。紫外線を反射させるために、白色顔料の成分が使われています。白色顔料とはファンデーションなどに白い色を付けるための成分です。紫外線散乱剤、ファンデーションともに「白は光を弾く」現象を利用しているのですね。

日焼け止めを塗っていなくても、すっぴんよりはファンデーションやフェイスパウダーを使うことで日焼け防止になる理由は、紫外線散乱剤と同じ仕組みを利用した効果のためです。紫外線散乱剤は、紫外線吸収剤のように成分自体が化学変化を起こすわけではないので、弱まりにくく効果は長持ちします。

2種類の比較

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の使用感、メリット・デメリットについて比較します。

使用感

  白浮き 効果時間 肌への刺激
紫外線吸収剤 なし 汗に強いが、時間が経つと効果が弱まるため、塗り直し必要。 肌質によっては負担
紫外線散乱剤 あり 効果は長持ちだが、汗に弱いため、流れたときは塗り直し必要。 刺激が少ない

メリット・デメリット

  メリット デメリット
紫外線吸収剤 無色透明なので白浮きがなく、塗り心地もなめらか。 有機化合物のため、肌に刺激を感じる人もいる。化学変化後の安全性や環境への負荷も心配される。
紫外線散乱剤 有機化合物ではないので肌への刺激が弱く、効果も長持ち。 白浮きする。こってりとした感触で、塗り心地のなめらかさに欠ける。

紫外線散乱剤の白浮き対策として、現在はナノ粒子を利用する改善方法も進められています。より小さいナノ粒子を使うことで白い色を肉眼で見えにくくし、紫外線散乱効果も高くなります。しかし安全性については確実なことが分かっておらず、まだ検討すべき状況の部分があるということが現状です。

おわりに

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の、紫外線に対する作用の違いや、選択する際の特徴、メリット・デメリットなどを解説しました。
肌質は個人によって大きく違うため、日焼け止めを選ぶ際は、自分の肌にあっていることが大切です。そして、野外でのスポーツ、日傘を使った近距離の移動、室内での作業など、環境にあわせて日焼け止めを使い分けることが、正しい紫外線対策にとって重要なのです。
どのような環境でどのくらいの時間行動するのかを目安に、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤をうまく使い分けくださいね!