空気が乾燥する冬はもちろんのこと、夏でも紫外線やエアコンの吹き出し口からの風によるダメージで肌は乾燥します。肌のかゆみは乾燥が進行しているサインで、さらに悪化すると乾燥性の湿疹を引き起こします。

乾燥性の湿疹を放置すると全身がかゆくなる状態に進行したり、何度もぶり返すなど治るのに時間がかかるようになります。

今回は乾燥肌が原因で起こる湿疹の症状や治療について詳しく解説します。

乾燥肌による湿疹とは?

湿疹とは、外からの刺激と体質など内面的なことが影響しあって起こる炎症性の皮膚の病気です。

【外からの刺激】

・物理的刺激:紫外線、温熱、寒冷、乾燥など
・化学的刺激:化粧品、洗剤、薬物など
・アレルゲン:金属、花粉、ハウスダスト、植物など

【内面的な刺激】

・肌のバリア機能の乱れ
・皮脂分泌や発汗異常など皮膚の異常
・アレルギー体質
・内臓疾患など

皮膚の表面には肌に潤いを与える角質層があり、皮脂と水分による皮脂膜で覆われています。皮脂膜は天然の保湿クリームのような存在で、角質層の水分の蒸発を防いだり刺激から守るバリアの働きをしています。

乾燥肌は何らかの原因で皮脂膜によるバリア機能が壊れたことがきっかけで、角質層からどんどん水分が蒸発し、ちょっとした刺激にも敏感に反応するようになります。かゆみに我慢できずにかくと、その刺激がさらにかゆみ神経を刺激して症状が進行・悪化してしまいます。皮膚は柔軟性を失ってひび割れたり、ポロポロと皮がむけたりします。

乾燥肌による湿疹の症状

【初期】

・皮膚が乾燥してカサカサになる
・皮膚が粉を噴いたような状態になる
・わずかに痒い
・体が温まってくるとかゆみが増す

【中期】

・皮膚の表面がひび割れる
・皮膚が赤くなる
・小さな水ぶくれができる
・ただれる
・コイン位の大きさにジュクジュクしてくる

症状が慢性化すると皮膚が厚くなりザラザラの状態になったり、色素沈着を起こすこともあります。

乾燥肌になりやすい人とは?

・40代以上の方
・幼い子ども
・アトピー性皮膚炎の方
・ダイエット中の方
・空調がきいた部屋に長くいる
・普段運動をしない
・汗をかきにくい
・冷え性

年齢を重ねると誰でも肌が乾燥しやすくなりますが、皮脂腺の働きが未熟や子どもや、乾燥した場所に長くいる人、体が冷えやすい人なども乾燥肌に注意が必要です。

また血行不良や偏った食生活を続けていると細胞に十分な酸素や栄養が行きわたらなくなり、乾燥肌を引き起こします。

乾燥肌による湿疹ができやすい場所

「肌は内臓の鏡」といわれるほど、全身状態に左右される部分です。もともとの体質に加えて、日常生活の影響も受けて肌の状態は変わります。

肌のバリアである皮脂膜は体の部位によってばらつきがあり、乾燥度合いに大きく影響します。一般的に皮脂腺が多い部位は乾燥しにくく、皮脂腺が少ない部位は乾燥しやすくなります。

【皮脂腺が少ない部位】

・手足(二の腕、すねなど)
・わき腹
・腰回り
・顔のUゾーン
・目元、口元

乾燥による湿疹も皮脂腺が少ない部位に起こりやすいので、日頃から保湿を心がけましょう。また下着でこすれるなど刺激が加わる部分はさらに痒みが起こりやすく、湿疹ができやすくなります。

乾燥肌の湿疹に使用する市販薬

乾燥肌による湿疹は、炎症を鎮めるとともに皮膚の乾燥を抑えることが治療の基本です。乾燥や湿疹の度合によって使用する薬が違うので、肌の状態に合わせて薬を選択します。

症状の程度によっては市販薬で治療が可能です。また、処方薬と同じ成分を含んだ市販薬も販売されています。自分の症状に合った市販薬を選択しましょう。

かゆみや炎症があるとき

かゆみを抑える抗ヒスタミン剤や、炎症を抑えるステロイド剤の塗り薬を使用しますが、症状によっては内服薬も併用することがあります。

バリア機能を助ける保湿剤

保湿剤は肌の乾燥が気になったときに、一日に何度でも使用できます。お風呂上りや手を洗った後など、肌表面の水分をやさしく拭き取った後に塗ると効果的です。保湿クリームや乳液など、使用感や成分から選んでください。

乾燥肌による湿疹予防:日常生活での注意点

日常生活では、とにかく保湿を心がけることと、皮膚に刺激を与えないことが湿疹予防のカギとなります。

部屋の乾燥に注意

夏でもエアコンの吹き出し口や扇風機からの風に当たっていると肌が乾燥しやすくなります。ときどき窓を開けて、外気を入れるようにしましょう。

洗い過ぎに注意

肌を清潔に保つことは重要ですが、皮脂の洗い流し過ぎは逆効果です。ナイロンタオルなどでゴシゴシとこすり過ぎたり、石けんで何度も洗うのは避けてください。ボディソープは肌への刺激が弱く潤いを保つタイプを選びましょう。

爪を短く切る

軽くかいたつもりでも、爪があたると皮膚の表面が傷ついて、さらに強い痒みを引き起こして湿疹を悪化させます。

肌にやさしい繊維を

化学繊維は肌に刺激を与え、かゆみを誘発しやすいといわれています。木綿などの天然素材は保湿性があり、肌にやさしいのでおすすめです。化学繊維の洋服を着る場合は、その下に木綿の肌着を着るといいですね。

十分な睡眠とバランスのよい食生活を

私たちの細胞はすべて食事から生み出されます。また寝ている間に新陳代謝が行われるので、質のよい睡眠をとるようにしましょう。

おわりに

皮膚のトラブルはいったん症状が治まってもぶりかえすことが多いので、根気よく治療を続けることが大切です。治った後も湿疹の再発を防ぐために、一年を通して保湿ケアを心がけてください。

市販薬を使用しても症状がよくならなかったり、腫れや痛みがある、慢性的に症状をぶり返すなどの場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。