乾燥肌のメカニズム

乾燥肌は、ドライスキンともいい、肌の表面にある「角質層」という細胞の層の水分が少なくなったり、皮脂の分泌が低下したりした状態のことです。

肌が乾燥するとうるおいがなくなり、カサカサして粉をふいたり、肌が厚くなってゴワゴワしたりすることがあります。

中でも特に症状が出やすいのが「手」「かかと」「すね」です。

乾燥肌はなぜ起こるか?

角質層はわずか0.02mm程度の厚さで、水分を保つ「保湿機能」と外的刺激から肌を守る「バリア機能」と、肌にとって重要な働きをしています。

健康な角質層では、セラミドなどの細胞間脂質の保湿成分によって角質層の水分を保つことができます。そのため、保湿成分がしっかりと機能していると、乾燥した環境でも肌が乾燥することはありません。

しかし、さまざまな要因で保湿成分が減少したり、正常に働かなくなったりすると、皮膚のバリア機能が低下して肌に水分をとどめることができなくなり、皮膚の表面が乾燥してしまいます。

健康な角質層には20%の水分が含まれているといわれており、水分量が20%以下になると、乾燥肌とよばれる状態になります。

乾燥肌になる原因は、主に環境・生活習慣・加齢などが関係しています。

乾燥肌の原因1:環境

冷暖房器具の使用

エアコンやストーブなどの冷暖房器具は空気を乾燥させるため、長時間その環境にいると肌も乾燥していきます。

特に、オフィスなどでは、通年エアコンがきいているため、注意が必要です。エアコンは空気中の水分も一緒に吸収してしまうため、空気が乾燥し、肌の水分保持力が低下します。

乾燥肌の場合、湿度30%以下で肌の水分が蒸発し始めるといわれています。

寒さによる血行不良

気温が低い環境にいると血行不良が起こり、栄養が肌まで届かず、肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れて乾燥肌を招きます。

紫外線によるダメージ

紫外線を繰り返し浴びていると、肌のターンオーバーが乱れ、皮膚のバリア機能が低下します。

紫外線が内部へ侵入するのを防いで肌を守ろうとする働きの影響で、肌表面には古い角質が残り、肌の水分保持力が低下して乾燥しやすくなります。

バリア機能が低下した肌は、刺激を受けやすい状態となり、紫外線による乾燥はさらに進み、炎症や色素沈着が発生することもあります。

乾燥肌の原因2:生活習慣

間違ったスキンケア

洗顔やクレンジングをしすぎたり、ナイロンタオルやアカスリタオルなどで体を強く洗いすぎたりすると、皮膚のバリア機能が低下することがあります。

洗浄力が強すぎる洗顔料や石けんなどの使用も、皮膚のバリア機能の低下の一因になります。

また、高温のお湯は必要な皮脂まで奪ってしまうため、熱いお湯でも入浴も乾燥の原因となります。

バランスの悪い食事

栄養バランスの偏った食事は、乾燥肌の原因になります。

特に、たんぱく質は角質細胞内にある天然保湿因子はアミノ酸が原料で、コラーゲンのもとになるため、不足すると皮膚のうるおいが低下します。

また、ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンAが不足するとターンオーバーが乱れ、バリア機能の低下を招きます。

睡眠不足・喫煙・ストレスなど

生活習慣の乱れによって自律神経やホルモンバランスが崩れることで、血行不良が起こります。皮膚の血行不良が起こることでターンオーバーが乱れ、肌のバリア機能が低下します。

また、ストレスが溜まると活性酸素が発生したり、ホルモンバランスが崩れたりして、バリア機能が低下し、肌へ影響をおよぼします。

喫煙の習慣も乾燥肌の原因のひとつで、喫煙によりビタミンが破壊され、肌細胞にダメージを与えてしまいます。

乾燥肌の原因3:加齢

年齢とともに、皮膚の水分や、セラミドなどの細胞間脂質、皮脂が減少していきます。さらに、ターンオーバー機能が遅れることによって肌が乾燥しやすくなります。これにより皮膚のバリア機能が低下し、乾燥肌を招きます。

皮膚の水分の保持には細胞間脂質のほか、天然保湿因子(NMF)も大きく関わっていますが、これらは25〜30歳以降減少していきます。
また、特に女性はホルモンによる影響が大きく、 閉経後は女性ホルモンが急激に減少するため、皮脂が減少していきます。

乾燥肌によって起こる肌トラブル

肌が乾燥するとさまざまな肌トラブルが起こります。肌トラブルが起こってしまうと悪循環が続き、なかなか改善しにくくなります。

そのため、毎日の保湿ケアは肌トラブルの予防のためにとても大切なのです。

乾燥肌によって起こる主な肌トラブルは、次のようなものがあります。

敏感肌

肌が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下して、外からの刺激を受けやすくなり、敏感肌になります。

敏感肌になると、アレルギーの原因となるアレルゲンや化粧やホコリなどの小さな刺激にも反応しやすくなり、かゆみや赤みなどの皮膚炎を招きやすくなります。

肌荒れ・湿疹

乾燥肌の状態が続くと角質が厚くなっていきます。これは肌が保湿をするため新しい角質をつくろうとして、角質細胞の生産を早める働きによるものです。

すると、皮膚のターンオーバーに不調が起こり、バリア機能が未熟な角質細胞がどんどんと厚くなり、硬くなってきます。

角質を生産しては硬くなるという悪循環が起こり、乾燥がさらに進行し、慢性的な肌荒れや湿疹が続くようになります。

くすみ・しわ

乾燥によって皮膚のターンオーバーが正常に働かないと、古い角質が厚くなり肌がくすみがちになります。

また、角質が硬くなることによって肌がカサつき、ちりめん状や棒状のしわができやすくなります。

放っておくと、しわが増えたり、深いしわの原因になります。

おわりに

乾燥肌にはさまざまな原因が考えれらます。

肌の保水力を鍛えて「バリア機能」と「保湿機能」を鍛えるためにも、毎日の正しいスキンケアや生活習慣で乾燥しない肌づくりを心がけましょう。