乳首がただれる原因は?
下着の刺激
化学繊維でできた下着などを着用していると、乳首が刺激され炎症を起こし、ただれや湿疹などの症状が現れる場合があります。
乳首周辺を清潔にし、木綿などの自然素材でできた下着を選びましょう。症状が軽度であれば市販薬での対処が可能です。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、肌にかゆみ・赤み・炎症などの症状が一定期間続く病気です。肌がかさかさと乾燥した状態になったり、じくじくとただれたりすることがあります。
アトピー性皮膚炎の人は、乳首にも症状が現れやすい状態です。皮膚科を受診し、アトピー性皮膚炎の治療を進める必要があります。
乳がん
乳がんの一種である「乳頭パジェット病(乳房パジェット病)」の症状のひとつに、乳首のただれがみられることがあります。乳頭パジェット病は、乳管にできたがんが乳首の皮膚まで広がることで発生します。
目立つ症状としては、乳首が赤くじくじくとしてただれたり、かさぶたができたりすることがあります。
単純な皮膚の炎症として治療をしていてもなかなか治癒しない場合は、乳頭パジェット病の疑いがあります。乳腺外科を受診しましょう。
授乳による乳首のただれに注意
授乳中は特に、乳首に関わる病気が起こりやすくなります。
代表的なものには、「乳頭炎」「乳頭鵞口瘡(にゅうとうがこうそう)」という病気があります。
不安な症状があれば基本的には、皮膚科や産婦人科、乳腺外科を受診しましょう。
授乳時の刺激
授乳中は赤ちゃんが乳首をくわえることで、乳首に刺激を与えることになります。乳首が炎症を起こし、ただれなどの症状につながることもあります。
症状が軽度であれば市販薬での対処も可能ですが、症状が長く続く・悪化するようであれば病院を受診する必要があります。
また、市販薬を使用する場合、赤ちゃんに授乳をする前には乳首を拭き取り、清潔にしましょう。
乳頭炎
乳頭炎は、乳頭部分の皮脂が皮膚を保護するために必要な分まで減少し、炎症を起こす病気です。
乳頭にただれや湿疹などの症状が現れます。なお、乳頭パジェット病の場合も似た症状が現れるため、治療中は経過観察を注意深く行いましょう。
乳頭鵞口瘡
乳頭鵞口瘡は、乳頭部分や赤ちゃんの口にカビの一種である「カンジダ」が感染する病気です。
乳頭にただれや赤みがみられ、かゆみをともなうことがあります。また、赤ちゃんの口に白いコケ状のものができます。
乳首のただれに使用できる市販薬は?
乳首がただれている場合は、乳がんなどの重大な病気が関わっているおそれがあるため、基本的には皮膚科や乳腺外科の受診をおすすめします。
市販薬を使用する場合は、原因に見当がついている場合や症状が軽度な場合にとどめてください。また、市販薬を使用して5〜6日経過しても改善がみられない・悪化した場合は、速やかに病院を受診してください。
※紹介する薬の価格は2018年5月現在のものです
授乳中の人は市販薬の使用に注意
授乳中の人は、基本的に自己判断で市販薬を使用することはおすすめしません。
乳首がただれている場合は、単なる授乳時の刺激によるものや細菌の感染によるもの、乳がんなどの重大な病気に関わるものまであらゆる原因が考えられます。
ただし、軽度のただれであれば市販薬で対処することも可能です。市販薬を使用中は、授乳前には必ず乳首を拭き取るなどして、清潔な状態にしてから赤ちゃんに授乳をしましょう。
また、市販薬を使用して5〜6日経過しても改善がみられない・悪化した場合は、皮膚科または産婦人科、乳腺外科を受診してください。
おわりに:市販薬使用時は経過観察をする
乳首のただれは、乳がんなどの重大な病気が関連しているおそれがあります。
自己判断でむやみに市販薬の使用を続けることは避け、市販薬使用時は患部の経過観察を注意深く行いましょう。
市販薬を使用してから5〜6日経過しても改善がみられない・悪化した場合は市販薬の使用を中止し、速やかに皮膚科または乳腺外科を受診してください。また、授乳中の人は産婦人科で相談をするのもいいでしょう。