はじめに

とびひは正式には「伝染性膿痂疹:でんせんせいのうかしん」といい、主に「黄色ブドウ球菌」による子どもに多い皮膚感染症です。

黄色ブドウ球菌は、人の皮膚や、鼻や耳、のどなどに住んでいる「常在菌(じょうざいきん)」で、健康な皮膚に対しては何も悪さをしませんが、すり傷、虫刺され、あせも、発疹など、皮膚にできた傷に細菌が入り込んで感染します。

黄色ブドウ球菌によるとびひは「水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)」とも呼ばれ、菌が増殖して強いかゆみを伴う水泡ができ、かき壊しているうちに次々に飛び火のように広がります。

とびひの9割は「黄色ブドウ球菌」による感染ですが、その他の細菌によるとびひもあり、治療法を間違えると完治せず悪化することがあるため、とびひの正しい治療法を知っておきましょう。

黄色ブドウ球菌によるとびひの治療法

とびひの治療は、細菌の増殖を抑えたり死滅させるために、抗生物質で皮膚と体の内側の両方から治療を行います。

・飲み薬=3日~7日間

・塗り薬=毎日2~3回

必要に応じて

・かゆみ止めの抗ヒスタミン薬

・患部を保護するために亜鉛化軟膏(あえんかなんこう)を使用することもあります。

早めの治療であれば一週間ほどで良くなります。

注意として、とびひはステロイド剤を使うと悪化することがあるため、手持ちのステロイド剤は使用せず、医師に処方された薬を使いましょう。薬は途中でやめると再発することもあるので、医師の指示に従って最後まできちんと治しましょう。

とびひの9割は黄色ブドウ球菌による感染ですが、連鎖球菌による痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)もあります。

原因となる細菌により抗菌薬を選択して治療します。

まずはとびひの症状がある場合は、小児科または皮膚科を受診しましょう。

抗生物質が効かない「耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」が増えている

とびひは通常は抗菌薬(抗生物質)により治っていくのですが、処方された抗生物質は効果がなく、どんどんひどくなっていくケースがあります。

これは、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)という、抗生物質を使い続けているうちに抗生物質が効きにくい、または全く効かない細菌が数十年前から増えているためです。

MRSAは30%ほどあり、処方された薬が効かない、なかなか治らないという時は、MRSAが原因菌となっている可能性があります。

MRSAにも効く可能性のある抗生物質をうまく選んで使用していくこともありますが、抗生物質だけに頼るとMRSAの勢いが強まってしまいさらに悪化するため、その場合はホームケアと塗り薬のみで治療していくこともあります。

このように、とびひの原因により治療法も異なる為、症状が改善されない、再発した際は自己判断はしないようにしましょう。

悪化させないためにも医師に相談し、適切な治療をすることが大切です。

治療はスキンケアが重要

とびひは、医師の指示による薬による治療と併用して、ホームケアがとても重要になります。

以下のことを実践しましょう。

・お風呂は湯船を避け、こまめにシャワーを浴びさせて、肌を清潔にしましょう。

・殺菌力のある石鹸でよく泡立てて洗い、十分に流しましょう。

・清潔にした患部に薬を塗り、うつらないようにガーゼなどで覆うようにしましょう。

・爪は短く切り、かきむしらないように注意してあげましょう。

・子どもの鼻ほじりに注意しましょう。

 鼻には黄色ブドウ球菌がたくさんあるため、手についた細菌に一層広がります。また鼻の中にも水疱ができるため要注意。

・手や爪の中も石鹸でよく洗い、細菌を繁殖させないようにしましょう。

・タオルも家族とは別のものを使用しましょう。

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photo AC

さいごに

今回紹介したように、とびひの原因の9割は黄色ブドウ球菌ですが、菌にも特性があるため正しい診断と治療が大切です。

特に暑い季節には高温多湿により皮膚表面の細菌が増えてきます。その上あせもなどの皮膚トラブルも多くなるため、日頃から予防も兼ねて、清潔とスキンケアをしっかりしてあげましょう。