はじめに

人間の身体の中で最もむくみやすい部位、それが足。

「むくみ」とは、余分な水分が細胞に溜まってしまっている状態のこと。
足は、心臓から遠い位置にあるため血流が悪くなりやすく、また、重力の影響で水分もたまりやすいのです。

見た目が気になるだけでなく、だるさや痛みなども引き起こす足のむくみ。医学的には「下腿浮腫(かたいふしゅ)」という名で呼ばれます。

この下腿浮腫には、大きな病気のサインが隠されていることもあるんです。

病院に行くべき足のむくみ

・足以外の顔や手にもむくみがある
・息切れ、動機、倦怠感、血尿などがある
・ふくらはぎや膝の裏の血管がウネウネしている
・むくみを指で押しても戻らない
・就寝前や就寝中に足がつる
・足のむくみに左右差がある
・足が激しく痛む
・足の皮膚が硬くなっている
・足の皮膚が茶色に変色している 

こんなにある!足のむくみからの病気のサイン

足のむくみは多くの場合、一過性のもの。ひと晩ゆっくり休めば解消する程度なら過度な心配はいりません。ですが、あまり長く症状がつづくようなら、病気が原因のむくみを疑わなければなりません。

足のむくみを引き起こす体内の異常には以下のものがあります。

① 腎臓の異常

体内の老廃物を尿として排出し、血液を浄化する役割を持つ腎臓。

腎臓の機能に異常が起きると、身体に必要なタンパク質の一種「アルブミン」が尿に混じって排出されてしまいます。アルブミンが混ざった尿は、一般的に「蛋白尿」と呼ばれます。

本来、排出されるべきではないアルブミンが排出されてしまうと、体内のアルブミンが不足することになります。血管に水分を取り込んだり、排出したりといった機能をコントロールするアルブミン。アルブミンが不足することでこの機能が狂い、血管の周囲の細胞に水分がたまりやすくなり、むくみが起きるのです。

また、腎臓の尿をつくる機能が低下することでも、排出されるべき水分が排出できなくなり、むくみが生じます。

② 肝臓の異常

アルブミンの不足がむくみを招くと説明しましたが、このアルブミンは、肝臓でつくられます。
肝臓の機能に異常が起き、アルブミンがつくれなくなることでも、体内のアルブミンは不足します。

③ 心臓の異常(心不全)

血液を全身に送り届けるためのポンプの役割を持つ心臓。

心臓が悪くなり、ポンプとしての機能を十分に果たせなくなった状態を「心不全」と言います。

心不全になると、必要な分の血液が全身に行き渡らなくなります。心臓から遠い位置にある足では特に血流が悪くなり、むくみを引き起こします。

また、腎臓に血液が行き渡らなくなることも、むくみの原因になります。十分な血液がなければ腎臓は正常にはたらくことができず、尿がつくられなくなり、排出されるべき水分が体内に溜まっていってしまうのです。

④ 下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)

足の静脈にある、血液の逆流を防ぐための弁に異常が起こり、血液が足に溜まりやすくなってしまう病気を「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」と言います。

むくむだけでなく、足の血管がコブ状にぼこぼこと膨らむこともあります。すぐに命に関わるような病気ではありませんが、特に女性にとってはその見た目が深刻な悩みになることも。

⑤ 甲状腺ホルモンの異常

甲状腺とは、首にある器官のこと。甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、全身の新陳代謝を促すはたらきを持ちます。なんらかの疾患によってこの甲状腺ホルモンの機能が低下すると、代謝も低下し、皮膚の下には粘液が溜まります。この粘液が、むくみの原因です。

腎臓や肝臓、心臓の異常が原因で起こるむくみとは違い、むくんだ部位を指で押しても跡がつかないという特徴があります。

一過性のむくみは日頃のケアで解消できる

足のむくみの原因となるさまざまな病気を紹介しましたが、多くの場合、足のむくみは一過性のもの。

上記に挙げたような深刻な病気ではありませんが、放っておくと疲れが溜まりやすくなり、免疫力の低下を引き起こしてしまうことも。

一過性の足のむくみは、日頃からの心がけとケアで解消できます。

適度な運動

運動不足によって腿やふくらはぎの筋肉が弱ると、血行が悪くなりむくみやすくなります。

お休みの日にウォーキングをしたり、普段の生活でもエスカレーターやエレベーターではなく階段を使うなどし、足を使った適度な運動を心がけてみてください。特に階段の上り下りは効果的ですよ。

また、デスクワークの人は、座りながら足の先を上下左右に動かしてみてください。足の先を動かすと、ふくらはぎの筋肉も一緒に動きます。座りながら手軽にできるストレッチとしておすすめです。

身体を冷やさない

身体の冷え、特に足の冷えによる血行不良はむくみを引き起こします。ひざかけや厚手の靴下などを活用し、極力、身体を冷やさないようにするとともに、半身浴や足湯なども冷え性の改善には効果があります。

食事と生活習慣に気を使う

塩分や糖分の摂りすぎや、睡眠不足などの生活習慣の乱れは自律神経の不調を引き起こし、水分の排出が正常に行われなくなってしまいます。

むくみ解消に効果があると言われるカリウムを豊富に含むアボカドやほうれん草、塩分の排出を助けるトマトなど、野菜を中心にバランス良く食べましょう。また、自律神経を整えるためには、毎日同じ時間に眠り、同じ時間に起きるのが理想的。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

深刻で長期的な足のむくみとともに、今回ご紹介したような症状がともなう場合、早めに専門医の診察を受けてください。むくみの原因となっている体内の異常・不調をしっかり治療すれば、足のむくみも解消されるはずです。

一過性のむくみに悩んでいるという人も「大したことじゃない」と甘く見ずに、ご紹介したケア方法を試してみてください。身体に排出されるべき水分が溜まっている状態は、見た目の問題だけでなく、やがて、さまざまな悪影響を身体中におよぼします。

足のむくみを解消して、すっきりとした軽い足取りで毎日を過ごしましょう!