一日の中で普通に食事をしていても、夕方には多くの方がむくみを感じます。摂取した水分より排出した水分量が少なければ誰にでもむくみは起こるもので、朝に比べて夕方の方が体重も重くなっているはずです。

この体重の増加が1kg程度なら正常の範囲内です。しかし、ひどいむくみでは数日間で10kgも体重が増えることもあり、何らかの病気が隠れている可能性があります。

この記事では、病気が原因で起こるむくみの見分け方と、むくみが起きる病気の特徴を詳しく解説します。

病的なむくみの見分け方

むくみが病的なものなのか、簡単な見分け方を紹介します。

以下のポイントに当てはまったら、むくみに病気が隠れている可能性があります。一度、医療機関で検査を受けましょう。

・朝から足がむくんでいる
・むくみが何日も続いている
・通常と同じ食生活なのに急に体重が増えた
・尿が出にくくなった
・坂道や階段で息切れするようになった

正常な範囲のむくみ

反対に、気にしなくてもいいむくみは以下の状態です。

・夕方靴がきつくなるが、朝になると戻っている
・夕方や蒸し暑い日に指輪がきつくなる
・飲み過ぎた次の日に顔がむくんでいる
・月経の4~5日前からむくみやすくなる
・エアコンで冷えて足が重だるい

日常的に起こるむくみの場合は、体を温めてマッサージをおこなったり、血流を改善して余分な水分を排出する市販薬などを試してみましょう。

むくみが起きる病気

むくみは体の水分が異常に増えた状態です。血液やリンパ液の中にはアルブミンというタンパク質があって、血管に水分を取り込んだり排出したりしながら浸透圧の調整をおこなっています。このアルブミンの量が減ると血管での水分調整ができなくなり、むくみが起こります。

また、何らかの原因で全身に張り巡らされたリンパ管の流れが悪くなることでもむくみが起こります。

むくみを引き起こすおもな病気には、次のようなものがあります。

腎臓の病気

むくみが続くと、腎臓の病気が真っ先に疑われます。腎機能が低下すると体のフィルター機能がうまく働かなくなり、尿にアルブミンがもれ出します。血液中のアルブミン濃度が低下してむくみが起こります。

考えられる病気 症状の特徴
腎不全、ネフローゼ症候群 足が左右同じようにむくむ、まぶたなど顔もむくんでいる、トイレの際に尿が泡立つなど

肝機能の低下

アルブミンは肝臓で作られるので、肝臓の働きが悪くなるとアルブミンが減少し、むくみが起こります。血液検査で肝機能を確認してください。

考えられる病気 症状の特徴
慢性肝炎、アルコール性肝障害、脂肪肝、肝硬変 足が左右同じようにむくむ、立っているとむくみが悪化する、お腹も張ってきた、熱っぽい、だるい

心臓の病気

心臓に何らかの障害が起こりポンプ機能が低下すると、血行が悪くなり体の末端にむくみが起こりやすくなります。

考えられる病気 症状の特徴
虚血性心疾患、心筋症、心臓の弁の病気 手・足・顔がむくむが特に足のむくみが強い、動悸や息切れなどもある、尿の量が減った

甲状腺機能の低下

甲状腺ホルモンの分泌量が少なくなると新陳代謝が下がるため、むくみが起こりやすくなります。血液中の甲状腺刺激ホルモンの量を検査してください。

考えられる病気 症状の特徴
甲状腺機能低下症 女性に多く発症、体のだるさや脱力感がある、冷えを感じる

血管の病気

足の筋肉の深いところにある太い静脈に血栓ができたり、静脈弁が壊れて逆流した血液が足にたまるとむくみが起こります。寝たきりや座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢を取り続けていると起こりやすくなります。

考えられる病気 症状の特徴
深部血栓性静脈炎、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)、下肢静脈瘤 片足だけむくんでいる、痛みがあり赤く腫れている、ふくらはぎの血管がボコボコしている

妊娠高血圧症候群

妊娠の中期以後になってからむくみがなかなか引かない場合は、妊娠高血圧症候群が疑われます。

【特徴】
・妊娠20週~分娩後12週
・高血圧

血圧測定と尿検査で尿中蛋白などを測定し、調べます。

原因不明のむくみ:突発性浮腫

いくら調べてもむくみの原因がわからないことがあります。これを突発性浮腫といいます。

【特徴】
・ほとんどが女性で、20代~50代に多い
・ストレスが多いとむくみが強くなる
・手足や顔、全身に長期的なむくみが起こる
・朝から夜にかけて体重の変動が大きい(1.5kg以上の体重差)

大きなストレスがかかると、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌量が増加します。すると水分代謝が低下するので、むくみやすくなると考えられています。

リンパ浮腫

がんの手術でリンパ節を切除したり、放射線治療によってリンパ節を損傷した影響で手足のリンパ液の流れが悪くなり、むくみが起こります。がんの手術直後に起こることもあれば、術後何年も経ってから症状が現れることもあります。

リンパ浮腫は自然に治ることがなく、悪化すると痛んだり、熱を持ったりします。血管専門医の治療を受けてください。

むくみは何科を受診するの?

病気が疑われるむくみは、まずは内科を受診し、問診や触診、血液検査などでむくみの原因を一通り調べます。

その際、事前に次のようなメモを準備しておくと問診がスムーズです。

【問診の準備メモ】
・いつ頃からむくむようになったか
・どこが、どのようにむくむか
・朝夕、どちらがむくむか
・症状に左右差はあるか
・体重はどれくらい増えたか
・むくみ以外に症状はあるか
・心臓、腎臓、肝臓などに疾患はあるか
・過去にかかった病気
・現在、服用している薬はあるか

おわりに

むくみは大きな病気のSOSサインかもしれません。これまでとむくみ方が違ったり、以前と比べて疲れやすくなった、むくみが長引くようになったなど気になる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。