化膿は殺菌成分が配合された市販薬で治す
化膿とは傷口から細菌が侵入し、膿がたまる状態をさします。
化膿に効く市販薬を選ぶ時に大事なことは、すぐれた殺菌作用のある成分が配合された薬を使用することです。
殺菌成分は、細菌や真菌などの生物から作られる抗生物質と、生物由来ではないサルファ剤に分かれます。
そのうえで、炎症やかゆみなどの症状にあわせた市販薬を選びましょう。
症状別に薬を選ぶ
化膿のみの場合は抗生物質が配合された薬を
炎症やかゆみはなく、化膿している場合には抗生物質のみが配合された薬がおすすめです。
化膿に効く市販薬 | 薬の特徴 |
ドルマイシン軟膏 | ・2種類の抗生物質のみを配合 ・年齢を問わず全身に使うことができる |
炎症やかゆみがある場合は抗生物質とステロイドが配合された薬を
化膿に加えて炎症やかゆみなどがある場合には、抗生物質のほかに炎症やかゆみをおさえる成分が配合された薬を使用しましょう。
ステロイドには、炎症やかゆみをおさえるすぐれた作用があります。
そのため、炎症をともなう化膿には、ステロイドと抗生物質が配合された薬が効果的です。
ただし、ステロイドには免疫を抑制させて細菌を増殖させる働きがあるため、必ず抗生物質も配合された薬を使用してください。
ステロイド剤の市販薬には効き目のランクが3段階あり、効き目が強い順に「ストロング」「ミディアム」「ウィーク」と分けられています。
効き目の強さと副作用の強さは比例しますが、ステロイド剤を使用するにあたり以下の点に注意すれば副作用の心配はほとんどありません。
・広範囲に使用しない
・長期間使用しない
・皮膚の厚さによって効き目が異なることがある
・特に皮膚が薄い目のまわりには使用しない
「広範囲」や「長期間使用」という言葉についてはメーカーによって解釈が異なりますが、目安としては手のひら2~3枚分以上が「広範囲」、1週間以上の使用が「長期間使用」といえます。
抗生物質とステロイドを配合した薬 | 薬の特徴 |
フルコートf | ・抗生物質に加えて、ストロングのステロイドであるフルオシノロンアセトニドを配合 |
ドルマイコーチ軟膏 | ・2種類の抗生物質に加えて、ウィークのステロイドであるヒドロコルチゾン酢酸エステル配合 |
軽度の化膿にはサルファ剤とノンステロイドの成分が配合された薬を
炎症やかゆみをおさえる成分には、ステロイドではないものもあります。
ステロイドよりも炎症を鎮める作用は弱くなっていますが、その分副作用も起こりにくいといえます。
軽度の化膿には、ノンステロイドの成分に加えて殺菌作用のあるサルファ剤であるスルファジアジンが配合された薬がおすすめです。
殺菌成分とノンステロイド成分が配合された薬 | 薬の特徴 |
オノフェf | ・殺菌効果のあるスルファジアジンが患部の化膿を防止 ・酸化亜鉛が患部の炎症をおさえ、アラントインが皮膚の修復を助ける |
ポリベース | ・スルファジアジンや酸化亜鉛に加えて、かゆみをおさえるジフェンヒドラミンを配合 ・べたつかないクリーム ・浸透力が高いため、じゅくじゅくした患部には使用不可 |
子ども・妊娠中でも使える化膿の薬
2種類の抗生物質が配合されたドルマイシン軟膏は、子どもや妊娠中でも使用できます。
ただし、1歳未満の赤ちゃんの場合は、病院を受診することをおすすめします。
子どもにステロイド剤は使える?
子どもは皮膚の発達が未熟なため、薬の成分が浸透しやすくなります。
子どもに対してはストロングランクのステロイドを使用するのは避けましょう。
ウィークのステロイドと抗生物質が配合されたドルマイコーチ軟膏を使用するのがおすすめです。
子どもステロイド剤を使用する場合、3日間使用しても症状が改善しなければ使用を中止し、病院を受診してください。
妊娠中にステロイド剤は使える?
妊娠中にステロイドを使用する場合、短期間かつ狭い範囲に使用するのであれば問題ないとされています。
しかし自己判断では使用せず、薬の使用の前にかかりつけの医師に相談してください。
妊婦の場合は、オノフェfやポリベースなどのステロイドが配合されていない薬を使用するのもひとつの手段です。
化膿に効く市販薬
抗生物質のみの市販薬
抗生物質とステロイドが配合された市販薬
殺菌成分が配合された市販薬
おわりに
化膿には抗生物質による殺菌が必要です。
また、症状によっては炎症やかゆみが出ることもあるため、症状にあった市販薬を選びましょう。
市販薬を使用することで悪化する、市販薬での治らない場合は病院を受診しましょう。