皮膚が薄い子供や赤ちゃんは、ささいなことで火傷を負ってしまいます。また、大人と比べて重症化しやすい点も要注意です。
この記事では、幼児が火傷を負った場合の対処法について解説します。
火傷の重症度:病院へ行く目安は?
火傷の重症度は、3段階に分けることができます。
1度 | ・皮膚が赤くなる ・ヒリヒリとした痛みがある |
2度 | ・水ぶくれができる ・皮膚が赤くなり、強い痛みがある |
3度 | ・皮膚が白や褐色になる ・水ぶくれはできない ・痛みはない |
水ぶくれができたら早めに病院へ
1度の火傷であれば、病院へ行かなくても数日で治るケースがほとんどです。傷跡の心配もほとんどありません。
一方で、火傷で水ぶくれができた場合は、診療時間外であっても病院を受診する必要があります。
また、皮膚が変色している場合は、水ぶくれがなくても早急に病院を受診しましょう。
火傷の大きさで分かる受診の目安
火傷の大きさが500円玉より小さい場合は、診療時間内に受診すれば問題ありません。
一方で、500円玉より大きい火傷を負った場合は、診療時間外であっても病院を受診するようにしてください。
また、子供や赤ちゃんの場合は体表面積の10%以上が火傷を負った場合は、救急車を呼んで早急に病院へ行く必要があります。
体表面積10%かどうか判断が難しい場合は、子供の手の平より大きな火傷かどうかで判断しましょう。
ケース別!幼児の火傷の対処法
子供や赤ちゃんが火傷を負ったとき、大人はどのように対処すべきか、ケース別に解説します。
口の中や舌が火傷した場合
熱いスープやミルクを飲んだことで火傷した場合、口の粘膜が傷ついたり、舌に炎症が起こっているおそれがあります。
こういったときは、水で数回うがいをしましょう。その後の食事は刺激が少ないものをとるようにしてください。
3~4日経っても火傷が治らない場合は、病院を受診しましょう。
赤ちゃんの場合はうがいができないので、最初から病院へ行くのが賢明です。
手・指・足を火傷した場合
火傷を負ったらすぐに流水で冷やしましょう。大人の場合は15分程度で構いませんが、子供や赤ちゃんの場合は長めに20~30分冷やすようにしてください。
このとき体を冷やさないよう、毛布などで体を包んであげましょう。一晩様子を見て、痛みが治まらないようであれば病院を受診してください。
幼児が火傷を負ったときの注意点
子供や赤ちゃんは思わぬケースで火傷を負っていることがあります。しかし、痛みを上手に伝えることができません。そこで、大人が注意すべきポイントを2つ解説します。
服の下に火傷を負っていないか注意する
火傷といえば、皮膚が露出されている場所に起こると思いがち。しかし、皮膚が弱い子供や赤ちゃんの場合は、服の上から熱いものに触れただけでも火傷を負うおそれがあります。
服の上から熱いものに触れ、痛がっている場合は、服の上から水をかけて冷やしましょう。
あわてて服を脱がせると、水ぶくれがつぶれたり、摩擦で痛みが悪化したりするおそれあがります。
服の上から熱いものに触れ、痛がっていない場合でも、念のため服の下に火傷がないかチェックしてください。
その際は、刺激を与えないよう丁寧に脱がせてくださいね。
低温火傷に注意する
ホットカーペットや電気あんかといった、大人にとってはそれほど熱いと感じないものでも、子供や赤ちゃんは火傷を負うことがあります。
このような、それほど熱くないものに長時間触れることで火傷を負うことを、低温火傷といいます。
低温火傷を負った場合、見た目はそれほど変わっていなくても、皮膚の深部にダメージを受けているおそれがあります。
低温火傷の疑いがある場合は、自分で適切な対処をすることが難しいので、必ず病院を受診してください。
幼児のやけどにキズパワーパッドは使える?
キズパワーパッドは、自然治癒力をサポートすることで、傷を負った部分の皮膚の再生をうながす「モイストヒーリング」ができる製品として注目されています。
火傷による傷の治療にも効果を発揮しますが、幼児の火傷に使用する場合は注意が必要です。
赤ちゃんの火傷にキズパワーパッドは使えない
キズパワーパッドが使える年齢は、3歳以上とされています。そのため、赤ちゃんの火傷に使うことはできません。
また、小さな子供に使う場合は、必ず保護者と一緒に使うようにしましょう。
キズパワーパッドは軽度の火傷のみ使用可能
キズパワーパッドが使えるのは、皮膚に赤みやヒリヒリとした痛みがある軽度の火傷のみです。また、使用前には患部をよく冷やすようにしましょう。
要注意!幼児が火傷を負うケースとは
子供や赤ちゃんが火傷を負いやすいケースを知って、今後の火傷予防につなげましょう。
ストーブ・ヒーター
石油ストーブでつかまり立ちをしたり、ストーブの上にあるやかんに触ることで火傷を負うケースが目立ちます。
また、ヒーターに近づきすぎたことで温風による火傷を負うケースも少なくありません。
子供や赤ちゃんを火傷から守るためには、ストーブやヒーターを安全柵で囲むようにしましょう。
加湿器・炊飯器
加湿器から出ている高温の蒸気に触れることで、火傷を負うおそれがあります。加湿器に近づかないよう、ベビーゲートを設け、その外に加湿器を置くようにしましょう。
同じく蒸気が出る家電として、炊飯器も注意が必要です。
電気あんか・湯たんぽ
就寝中、ずっと電気あんかや湯たんぽに触れていたことで低温火傷を負ってしまうおそれがあります。
大人の場合、44度のものに3~4時間触れていると低温火傷を起こすリスクが高まります。子供や赤ちゃんは、さらに短い時間でダメージを受けると考えておくのが賢明です。
そのため、就寝前に電気あんかや湯たんぽで布団を温め、就寝時は使わないようにしてください。
まとめ
子供や赤ちゃんは好奇心旺盛で、いろんなものに触れてしまいます。その結果、思わぬ形で火傷を負うケースも少なくありません。
大人は火傷から幼児を守るために、できるだけ熱いものを遠ざけるようにしましょう。
火傷の対処で自己判断が難しい場合は、自分たちだけで悩まず医師に相談してくださいね。