魚の目は他の部位にうつる?

魚の目は主に、足の裏や手などの摩擦や圧迫が多い部位にできます。刺激を受けると痛みを感じ、日常生活に支障をきたす場合もあります。

足に大量の魚の目ができたり、気づいたら魚の目が増えていたという事例も少なくありませんが、魚の目が他の箇所にうつることはありません

圧迫や摩擦のない箇所に魚の目のようなものがある場合や、あまりにも増えすぎた魚の目は、「ウイルス性イボ」のおそれがあります。

魚の目とウイルス性イボの違い

魚の目とウイルス性イボは、発症の原因から違います。

【魚の目】

歩き方や履いている靴などの圧迫や摩擦が長期間続くことによって起こります。皮膚を守るために硬く厚くなった角質が皮膚の内側まで侵食し、くさび型になります。歩いたり体重がかかることによって芯が血管や神経を刺激し、痛みを感じます。

魚の目について詳しくは関連記事をごらんください。

【ウイルス性イボ】

目に見えないほどの小さな傷口などから「ヒトパピローマウイルス」という150種類以上あるウイルスが感染することによって発症します。

他にも、免疫を抑制する薬を使用して治療している人やアトピーなどの皮膚炎で皮膚のバリア機能が低下している場合に感染するケースが多くみられます。

皮膚の内側で増殖したヒトパピローマウイルスが、表面近くまで増殖を繰り返すことで皮膚が盛り上がります。ウイルスが他の箇所に接触し感染すると、その箇所でも増殖を起こしイボが増える場合もあります。

表面を削ることで違いを判断する

皮膚科にいくと、魚の目かイボかを判断するために視診(目で見て診断すること)と合わせてカミソリなどでイボを削る場合があります。

イボの場合は角質まで血管が侵入しているため、表面を削ると血管が透けて黒い斑点が見えます。これによって、魚の目かイボかを判断します。

しかし、イボの初期症状の場合では血管の侵入による黒い斑点が確認できない場合もあり、時間が経ってからもう一度診察する場合もあります。

魚の目と似ているイボの種類

ウイルス性のイボには多くの種類がありますが、魚の目と間違えやすいイボの種類には以下のものがあります。

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

ヒトパピローマウイルス2型・27型・57型などの感染によって手や足によく発病します。

魚の目と間違えられやすい代表的なウイルス性のイボで、主に手指や足の裏にできます。

表面に凹凸があり、小さな黒い点がみられます。症状が進行するとなかなか治らないので長期にわたる通院が必要になります。

ミルメシア 

ヒトパピローマウイルス1型の感染によって手のひらや足の裏などによく発病します。

患部は盛り上がって噴火口のように中心部分がへこんでいます。赤みを帯びている場合もあり、体重をかけると痛みを感じます。

単体でできることが多く、同時多発的にできたり、複数できたとしてもその患部が繋がったりすることはありません。

青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)

ヒトパピローマウイルス3型・10型の感染によっておでこや手の甲などによく発病します。

平たくざらついているのが特徴です。

ウイルス性イボの治療法

液体窒素凍結療法 

-196度の液体窒素をスプレー、もしくは綿棒等に浸して患部を焼きます。

これを1~2週間以内に1回のペースで15~20回行います。2週間以上を空けるとイボが盛り返してしまうので定期的な通院が必要になります。

この治療法は痛みをともなうことが多いとされています。

症状の重さによって個人差がありますが、週1回のペースでも半年近くかかり、イボが進行している場合は1年以上かかることもあります。

スピール膏

角質を軟化する作用のあるサリチル酸を含んだスピール膏を使用して治療します。

ビタミンD3軟膏を塗った後にスピール膏を上から貼ることで、薬の成分がイボに浸透し効果が高まることを期待してビタミンD3が併用されることもあります。

市販薬でもサリチル酸を配合した治療薬が販売されていますが、ウイルス性のイボは判断が難しいため、医師の指導のもと使用する必要があります。市販薬を使用して自己判断で治療することはやめましょう。

漢方のヨクイニン内服 

古くからイボの治療に用いられている漢方薬です。ヨクイニンはハトムギ由来の成分です。免疫反応を活発化する作用がイボにも効果があると考えられています。お茶にアレルギーがなければ、子どもでも服用できます。

主に液体窒素での治療と併用して処方されることが多くなっています。

ウイルス性イボの予防・対策

ウイルス性のイボは、原因となるヒトパピローマウイルスの種類が多すぎることなどから感染経路がはっきりとわかっていません。

できる予防・対策として次のことに気をつけましょう。

◼︎プールや温泉に入ったあとは、綺麗な水でもう一度全身を流す
◼︎家族にイボを発症している人がいる場合は同じタオルを使用しない
◼︎イボを触った手で他の箇所に触れない
◼︎傷口は絆創膏などでしっかり保護する

おわりに

魚の目とイボは、医療に従事していない人が見た目だけで判断するのは非常に難しい症状です。

また、放置して状態が悪化すると手術を行わなければ除去できない場合もあります。正しい知識をつけ、イボに当てはまる症状があり、少しでも異変を感じたら皮膚科を受診しましょう。