尿路結石の痛みで救急車?!

夜中に激しい痛みに襲われ救急車で運ばれたら尿路結石だった・・。

尿結結石は年々増加傾向にあり、男性では一生のうち7人に1人が、女性では15人に1人が発症すると言われている身近な病気です。

尿路結石の特徴は、胆石・膵炎とともに「三大激痛」ともいわれるほどの痛みです。中には救急車で運ばれるほどの激しい痛みを感じる人も多いとされています。

しかし症状の出方には個人差があり、痛みをほとんど感じないこともあり「サイレントストーン(沈黙の石)」と呼ばれることもあります。

尿路結石は治療せずに放っておくと、腎盂腎炎などの合併症を引き起こし腎臓が機能しなくなってしまう可能性もある危険な病気です。何より、断続して起こる痛みがあれば、日常生活にも影響を及ぼしてしまいます。

この記事では尿路結石の症状や原因から予防法まで徹底解説します!

尿路結石とは?

尿路結石は、腎臓から尿が通る腎杯(じんぱい)・腎盂(じんう)・尿管・膀胱・尿道に結石ができる病気です。それぞれ結石ができる部位ごとに、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と呼ばれていますが、総じて尿路結石症と呼んでいます。

尿路結石は大別して上部尿路結石(腎杯・腎盂・尿管)と下部尿路結石(膀胱・尿道)に分けることができますが、尿路結石のうちの95%が上部尿路結石であり、特に尿管での結石がほとんどです。

主に30〜60代の男性に多くみられる病気で、発症の男女比は2.5:1といわれています。女性では更年期をすぎたあたりの50〜60代にかけて発症が多くみられます。

また、5年以内に再発する可能性が40〜50%と、再発率が高い病気としても知られています。

尿の成分が結石を作る!

結石とは尿の成分が結晶化し、集合したり沈着して石のように硬くなったものです。結石の主な成分は以下の5つです。

・シュウ酸カルシウム
・リン酸カルシウム
・リン酸マグネシウム/アンモニウム
・尿酸
・シスチン


結石の成分によって尿路結石の原因を特定することもできます。

上部尿路結石の約90%がシュウ酸カルシウムかリン酸カルシウムの「カルシウム結石」です。リン酸マグネシウム/アンモニウムは女性の結石に多い成分です。

また、尿酸結石は食生活が主な原因となります。

結石の成分の種類によって治療法の選択も変わってくるので、結石の成分を調べることも大切です。

結石の形状

結石がどの部位でできるかによって、結石の形状も異なります。

腎臓でできる結石はサンゴのように太く枝分かれして成長します。尿管でできる結石は金平糖のようにギザギザとした形になります。膀胱で結石ができた場合は比較的表面がなめらかで比較的大型のものにあります。

形状によって痛みの程度も治療方法も異なります。

尿路結石に季節性はある?

尿路結石の発生と季節の関係については全世界でさまざまな研究がなされてきました。

最近の見解では、四季がある地域では夏場の7〜9月にかけて発症が増える、気温が20℃以上だと結石の発作が多くなるとされ、発症と季節性の関係が議論されています。

季節性がある根拠としては、外気温があがり発汗が増えると尿が濃縮される、尿の量が増えるため結石が起きやすくなることがあげられています。

なお、比較的寒い北欧や年間の平均気温が安定している西オーストラリアなどでは、尿路結石の発症と季節性が関係ないとする論文も報告されています。

若い女性の尿路結石が増えている!

尿路結石は昔から男性に多いとされている病気でしたが、近年では若い女性にも増えているのです。

その理由は、尿路結石ができる原因にあります。尿路結石の原因として過労や仕事上のストレス、肉食中心の食生活の乱れ、過度の飲酒などがあげられ、現代の忙しく働く女性にもあてはまることが多くなっています。

症状や治療法は基本的には男女共通なので、しっかり対策をとって予防していきましょう。


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尿路結石の原因

尿路結石の原因は多岐に渡ります。

なぜ結石ができるのか全てが解明されているわけではありませんが、結石ができるまでには以下のような変化が起こっていると考えられています。

なんらかの原因で尿の成分のバランスが崩れたり、尿の性質が酸性またはアルカリ性に傾いたり、尿が停滞したりして、尿の中に結晶ができます。できた結晶が核となり、集結・成長して結石となるのです。

尿が変化する原因と考えられているものをご紹介します。

肉中心の食生活

尿路結石は尿中の成分により作り出されるため、結石ができる原因は食生活に大きく左右されます。肉類などの動物性タンパク質をメインとする食事には、シュウ酸や尿酸などの結石の成分となる物質が多く含まれています。

また、プリン体を多く含む食品や飲み物も結石の危険性につながります。プリン体には尿酸値を上げる働きがあるため、尿酸が原因となる結石ができやすくなります。

また、食塩に含まれているナトリウムは、尿の成分のバランスを保つカリウムを排出してしまう作用があるため、塩分の取りすぎも結石のできやすさにつながっています。

ストレス

尿路結石の原因は全てが解明されているわけではありませんが、尿路結石ができやすい方の傾向として、ストレスを溜めやすい30〜50代の働き盛りの男性が多いということがいえます。

身体が強いストレスを溜め込むと自律神経のバランスが乱れ、血流に障害がみられます。尿路結石ができやすい尿管では、自律神経のバランスが乱れることで血管が収縮しし、血流障害が起きます。その結果、結石の成分となる尿酸の排泄機能が低下し、尿路結石が起きやすくなるのです。

また、結石ができやすいだけでなく、ストレスは腎臓から膀胱へ尿を運ぶ尿管の動きにも作用します。尿管の血流が悪くなると尿管は収縮して圧力がかかり、尿管に結石がある場合に激しい痛みの原因ともなります。


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水分不足

水分の摂取量が少なかったり体から放出される水分量が多かったりと、身体の水分が不足すると、尿も濃縮された状態になります。尿が濃くなると尿中の成分が沈着しやすくなり、結石ができやすくなります。

特に、夏場や汗をたくさんかくような仕事に従事している人などは、気づかないうちに身体が水分不足に陥りやすく結石ができやすい状態にあります。

尿路感染症

尿路感染症が原因で尿路結石が形成される場合もあります。尿素分解菌によって尿素を分解してアンモニアが生成されると、尿がアルカリ化して結石が作られます。

この結石は感染結石と呼ばれており、リン酸マグネシウム/アンモニウムが主成分となります。結石が細菌を増殖させ、さらに細菌が結石を成長させる悪循環となります。

女性の尿路感染症では、膀胱炎や腎盂腎炎などが多くみられます。

長期間の臥床

病気などで終日寝ている状態が多い場合、骨からカルシウムが抜けやすくなり、骨密度が下がります。骨から向け出たカルシウムが血液に分泌されて尿中に染み出し、結石の原因となります。

また、寝たきりの体制では尿が停滞しやすく、尿路感染も起こりやすくなります。


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薬の影響

服用している治療薬が結石の原因となっている場合もあります。特に長期的に治療薬を服用している場合、原因解明のためにも受診時にしっかりと医師に申告しましょう。

【尿路結石の形成に注意すべき薬】

商品名 適応症
アセタゾラミド ・緑内障
・メニエール病
・睡眠時無呼吸症候群
グルココルチコイド ・リウマチ疾患
・膠原病
・副腎不全
活性型ビタミンD3 ・骨粗鬆症
カルシウム製剤 ・カルシウム欠乏症
インジナビル ・HIV感染症
プロベネシド ・痛風
・高尿酸血症

遺伝や病気との関係は?

尿路結石の9割を占めるカルシウム結石では、遺伝的要素の上に食生活や生活習慣などの環境要因が重なって発症すると考えられていますが、遺伝的要素のみで結石ができるとは断言できません。

しかし、高い再発率や家族間の発生状況の報告からも、結石が起こりやすい原因に先天性の要素が関係していると考えることができます。

また、病気が原因で尿路結石ができる場合もあります。特に、「原発性副甲状腺機能亢進症」と呼ばれる病気は血中のカルシウム濃度が異常に上昇するため、尿中のカルシウム成分も増えて結石とりやすくなる病気です。尿路結石を発症している方の2〜5%はこの病気を合併している言われています。

他にも、高尿酸血症、クッシング症候群、前立腺肥大症なども尿路結石が起こりやすい病気です。


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尿路結石の症状

急な激しい痛み

尿路結石の特徴といえば痛みです。尿路結石では、腎盂や尿管、膀胱などの周りの筋肉が痙攣して、特に腰や脇腹にするどい痛みを感じます。発作的に痛みが起こり、数分から数時間まで一定の間隔を置いて周期的に繰り返されます。

特に夜間や明け方に痛むことが多く、夜間に濃縮された尿により結石の周囲が腫れて尿が詰まるためだと考えられています。

痛みの程度には結石の大きさや発症部位によっても個人差があり、激痛から鈍い痛み、ほとんど感じない痛みまで様々です。

腎臓で結石ができた場合はほとんど痛みを感じませんが、結石が尿管に落ちてくると、尿路がつまり急激に水腎症になり、激しい痛みを感じます。尿路結石の最初の症状は、この突然の痛みであることが多いです。

急に激しい痛みを感じる症状として、急性虫垂炎、急性腹膜炎、急性膵炎、子宮外妊娠などもあるため、その他の症状も含めて受診時にしっかりと医師に伝えることが大切です。

血尿

血尿も尿路結石の特徴的な症状の一つです。結石が動いたときに腎臓や尿管などを損傷し、血尿となることがあります。

激しい痛みとともに血尿が起こることもありますが、痛みがない血尿の場合もあることを覚えておきましょう。

血尿といっても、明らかに赤い色をした血尿もあれば、茶褐色やピンク色、血の塊が混じるものなど見た目で判断がつきにくい場合もあります。

また、血尿だけでは、尿路結石が原因であると特定することはできません。血尿がでる病気として膀胱炎、腎臓・膀胱がんなどがあり、高血圧でも血尿が出ることがあります。

肉眼で確認できる血尿には大きな病気が隠されている危険性があるので、すぐに病院で検査を受けましょう。

叩打痛(こうだつう)・放散痛

背中の肋骨辺りを叩いたときに骨に響くような痛みを感じます。また、鼠蹊部や外陰部に痛みが起こる放散痛がある場合があります。

吐き気・嘔吐

腎臓や胃の周りを囲っている自律神経の反応により、腸などが反射性麻痺を起こすため、吐き気や嘔吐がおきます。この吐き気や嘔吐は、腎臓付近の痛みによる嘔吐中枢の刺激であり消化管の病気ではないため、吐き気から嘔吐しても不快感が軽減されないことも特徴です。


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尿路結石の検査は泌尿器科へ

尿路結石と似たような症状を持つ病気は多いため、症状が疑われたら自己診断で放置せずに泌尿器科を受診しましょう。

尿路結石の症状には特徴的な部分もあるため、過去に尿路結石と診断されたことがある場合は、検査が不要となる場合もあります。通常は原因や症状名を特定するために画像検査を行います。

超音波検査

超音波検査では、上部尿路にある5mm以上の結石では95%以上診断することができる高い有効率を示します。ただし、上部尿路だけでなく全部位の計測についてはやや有効率が低くなります。

腎・尿管・膀胱単純撮影(KUB)

診断率は他の検査方法と比べると低いですが、結石の成分を鑑別することが可能です。また、尿路結石の経過観察に優れています。

単純CT

現在の尿路結石の標準的な診断方法とされています。尿路結石の確定診断では90.7%と、他の検査方法と比べると最も高い有効率となっています。ただし、他の検査方法と比べると放射線被ばく量が多いこと、腎機能や尿路の形態が調べられないことがデメリットです。

妊婦や子供の検査は?

基本的には超音波審査で診断を行います。


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尿路結石の治療:10mm未満の結石

尿路結石の診断が確定されたら、結石の大きさによって治療法を選択します。

10mm以下の大きさの結石については、自然に結石を体外に放出することを目指します。

また、尿路結石と診断される方は激しい痛みを訴えて病院を受診することが多いため、痛みを抑える薬物療法も並行して行います。

自然に結石を排出するための対症療法をご紹介します。

自然排石はいつまで?大きさは?

10mm以下の尿管にできる尿管結石の約3分の2は、症状が出てから4週間以内には自然に排石されます。海外の研究では、尿管結石の自然排石までの平均日数は,2mm以下で約8日、2~4mmで約12日,4mm以上で約22日という報告があります。

なお、海外の研究では尿管結石の自然排石率は以下のとおりです。

結石の大きさ 自然排石率
1mm 87%
2~4 mm 76%
5~7 mm 60%
8mm〜10mm 39%

水分の補給:ビールはNG?!

自然排石を目指すための最も効果的な治療方法は水分の摂取です。食事以外で1日2〜3ℓを目安に水分を補給しましょう。

一時はビールを飲んで石を出すという民間療法が話題になりました。確かに、ビールには利尿作用もありますが、アルコールを摂取することで返って脱水状態になると尿が濃縮され、結石ができやすい環境になります。

また、ビールには尿酸値をあげるプリン体が多く含まれています。尿酸値は結石をつくる原因となるため、過度の摂取には注意が必要です。

ただし、我慢ばかりでストレスを溜めてしまうのもよくありません。一回のビールの量は500ml程度におさめて、週に二日は休肝日を作ることを心がけましょう。


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運動

全身運動で代謝を高め、尿管の働きを活発にして結石を出しやすくなります。また、運動には結石を砕いて自然と排石しやすくなる効果も期待できます。

運動前にしっかり水分をとってから、運動するとより効果的です。なわとび、階段昇降運動、ジャンプなど上下に体を動かすような運動が望ましいです。

適度な運動と発汗は、ストレス解消にもつながり代謝もあがるため、無理のない範囲で継続して行いましょう。

激しい痛みを感じる場合は安静にして、痛みが弱まってから水分を補給して運動を行いましょう。

利尿薬・クエン酸の摂取

利尿薬やクエン酸を摂取して、尿の中の成分を補正します。クエン酸やマグネシウムにはカルシウム結石の形成を抑える作用があります。また、クエン酸や重曹には尿をアルカリ化にする作用があり、尿酸が成分となる結石を溶かす効果があります。


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尿路結石の治療:10mm以上の結石の場合

結石の大きさが10mm以上と大きい場合は自然に結石が排出されることが困難なため、外科的な治療を行います。

また、治療開始から1か月が経過しても自然に結石が排出されない場合、薬でも痛みがコントロールできない場合、水腎症・腎機能低下・汗腺などがみられる場合も、積極的に石を取り除く手術を行います。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

体外衝撃波結石破砕術は体の上から衝撃波エネルギーを与えて結石を細かく砕く手術です。お腹を切らずに行うことができるため、麻酔を使わず安全性が高いため、高齢者でも比較的簡単に行うことができます。手術後もすぐに日常生活や仕事に復帰することができます。

手術時間は1回に60分程度と比較的短期間の手術になります。小さな結石の場合は1〜2回で石を破砕することができるため、短期の入院や外来で手術が可能です。

症状によっては、砕いた石を取り出しやすいように尿管に尿管ステントを設置することがあります。その場合は脊椎麻酔を行います。

デメリットは、20mm以上の大きな結石では破砕することはできないことです。また、砕けた石が自然と排出されないこともあります。また、まれに砕けた石が尿管などを傷つけ血尿や貧血が出る場合もあります。

なお、妊娠中は手術を行うことはできません。

経尿道的尿管結石破砕術(TUL)

尿管鏡と呼ばれる細い内視鏡を尿道に通し、モニターを見ながらレーザーで石を砕いて鉗子などで石を取り出します。ESWLでは砕くことができない硬い結石や比較的大きな結石も砕くことが可能です。

手術に使われる内視鏡などの医療機器の進歩により、膀胱内から腎臓内まで治療を行うことができるようになりました。

デメリットとして、全身麻酔が必要なこと、使用する器具が多く技術的な習熟が難しいことがあげられます。また、手術により尿管に穴が開いたり、切れたりする可能性もあり、術後に尿管狭窄をおこすこともあります。

経皮的腎結石破砕術(PNL)

ESWLやTULで治療が困難な20mm以上の大きい結石の場合、特に腎臓にできたサンゴ状の結石の場合は、経皮的腎結石破砕術を行います。

結石がある場所の背中から器具を差し込み、結石を砕いて取り出します。

デメリットは、他の手術方法と比べると身体への負担が大きく、出血、気胸、敗血症などの合併症を起こす可能性もあります。

手術には全身麻酔が必要で入院期間・治療期間も長期に渡ります。


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10mm未満・10mm以上〜20mm未満・20mm以上:結石の大きさごとの手術

◼︎10mm未満

基本的にはESWLの手術が行われる。状況に応じてTUL・PNLの方法が選択される。

◼︎10mm以上〜20mm未満

ESWL・TUL・PNLのいずれの手術も可能。ただし、状況に応じて15mm以上の結石はTULに加えてESWL・PNLの併用も考えられる。

◼︎20mm以上

基本的にはPNLが優先される。

尿路結石に使われる薬

尿路結石の痛みは、尿路が急激に狭くなることで筋肉が緊張すること、結石による粘膜の損傷、尿管の痙攣などが原因とされています。

そのため、痛みを根本的に取り除くためには、尿路の閉塞を取り除くことです。しかし、尿路結石の痛みは強烈なため、まずは痛みを緩和する鎮痛剤が使われます。

鎮痛薬NSAIDsの選択

NSAIDsはステロイドが含まれていない抗炎症薬です。体内で痛みや炎症などを引き起こすプロスタグランジン(PG)の生成を抑えるよう作用するもので、処方薬から市販薬まで幅広く活用されています。

ただし、すでに腎機能が低下している場合はNSAIDsの使用にも注意が必要です。また、NSAIDsの種類の一つであるアスピリンは、アスピリン喘息の方には重大な副作用を起こす可能性もあるので、自己判断で市販薬を使用せずに必ず医師に相談しましょう。

なお、漢方製剤の芍薬甘草湯も即効性があり鎮痛効果に優れているという報告もあります。

関連記事:アスピリンと他のNSAIDsの違いや特徴について

排石促進薬

カルシウム拮抗薬(ニカルジピン)やα1遮断薬(タムスロシン)は,尿管を拡張する作用があり、排石促進の効果が期待される。

尿路結石を予防・再発防止!

尿路結石は再発率の非常に高い病気です。特に尿路結石の9割を占めるカルシウム結石では5年再発率は45%ととても高くなっています。しっかりと結石を作らない習慣を身につけましょう。

水分の補給が最も大切

治療中でも水分の補給は大事な治療法の一つですが、尿路結石の予防、再発の予防としても水分の補給は最も効果的と言われています。水運を摂取することで、結石を作る成分の濃度を低下させることができます。

1日の尿の量が2000mlを超えるように、水分を摂取することが大切です。食事とは別に1日2000ml以上の水分を意識して摂取しましょう。水分摂取の半分以上は飲料水が望ましいです。

同じ水分でも、かえって結石ができやすくなる水分もあるので注意が必要です。過度のコーヒー・アルコール(特にビール)、清涼飲料水、紅茶、緑茶、ジュースは避けましょう。


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シュウ酸・プリン体の摂取を控える

尿の中に含まれるシュウ酸のうち、食事からくるものは15%以下とされてきましたが、食事の方法によっては50%以上になる研究結果もあり、結石の予防として食事の重要性は高く認識されています。

シュウ酸はさまざまなものに含まれていますが、調理方法や摂取方法によっても大幅に摂取量を減らすことも可能です。シュウ酸は水溶性なので、ゆでると成分が喪失します。生で食べずに茹でるなどの調理をしましょう。また、カルシウムと一緒に摂取することでシュウ酸の吸収を抑えることもできます。

シュウ酸が多い食べ物 ほうれん草・モロヘイヤなどの葉菜類の野菜、タケノコ、さつまいも、レタス、ブロッコリー、チンゲンサイ、セロリ、大根、ナス、トマト、枝豆、未熟なバナナ、ピーナッツ、チョコレート
シュウ酸が多い飲み物 緑茶、コーヒー、紅茶、ココア、ビール

プリン体は尿酸値をあげることがよく知られていますが、尿酸結石の原因だけでなくカルシウム結石の原因の一因にもなります。

日常の生活の中では、プリン体が含まれている食品を全て避けることは困難なので、プリン体含有量が高い食品を摂りすぎないようにすること、一回の食事あたりの摂取プリン体の量を気をつけることが大切です。

プリン体が多い食べ物 煮干し、鰹節、干し椎茸、鶏レバー、マイワシの干物、イサキ白子、レバー(鳥、豚、牛)、大正エビ、マアジの干物、オキアミ、マイワシ、カツオ、サンマの干物
プリン体が多い飲み物 ビールなどのアルコール類

塩分・砂糖を控える

塩分はシュウ酸の吸収を抑えるカリウムを排出させる作用があります。また、尿中のカルシウム濃度をあげることにもつながるので、摂取量に注意が必要です。

トイレに行く習慣を

尿の濃縮を防ぐためにも、濃度の薄い尿を頻繁に出すことが大切です。我慢しすぎずに3時間ごとに排尿することを習慣にしましょう。

適度な運動でリフレッシュ

毎日継続して適度な運動を行うことも尿路結石の予防になります。ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を、無理のない範囲で毎日継続して行いましょう。

運動の前後にしっかり水分補給を行うことを忘れずに。

また、入浴はシャワーで済ませずに湯船につかることも有効です。コップ一杯の水を飲んでから半身浴をすると心も身体もリラックスさせることができます。


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妊婦の尿路結石:注意点のまとめ

妊娠中に尿路結石を発生する可能性は、妊娠第2期と第3期に80〜90%と言われていて、初期の第1期に発生することはあまりありません。妊娠中に尿路結石が疑われたら以下のことを注意するように覚えておきましょう。

◼︎妊娠中に尿路結石が疑われた場合、検査は超音波検査を行うこと
◼︎鎮痛薬はアセトアミノフェンを使用すること。NSAIDsは妊娠週齢に関わらず使用禁忌である
◼︎妊婦はESWLの手術はできない。TUL・PNLが対応可能

おわりに

尿路結石の痛みは七転八倒と言われるほど辛いもの。

できてしまった結石にはなるべく早く治療を行い、再発しない予防の習慣がとても大切です。

一度尿路結石を発症したことがある場合は、定期的に受診をして症状の発症や悪化を防ぎましょう。血尿、下腹部や腰の痛み、微熱などを感じる場合は結石が出来ているサインかもしれません。早めに受診することをお勧めします。