女性の方が膀胱炎になりやすいのはなぜ?

女性ならば、1度は必ずなると言われている「膀胱炎」。
大腸菌などの細菌が膀胱に入り込み、繁殖してしまうことで起こります。

男性より女性が膀胱炎になりやすい理由は、尿道まわりの構造の違いにあります。

男性の尿道の長さが14〜18cmあるのに比べ、女性の尿道はわずか3〜5cm。
しかも尿道の入り口(尿の排出口)は、細菌が数多く生息している肛門や腟のすぐ近くにあります。

このような構造上の理由から女性の膀胱は、男性の膀胱よりも細菌に侵入されやすいのです。

こんな症状は膀胱炎かも? 我慢は絶対にNG!

膀胱炎の主な症状としては

・頻繁にトイレに行きたくなる(1日に10回以上)
・排尿の最後の方や、排尿後に痛みを感じる
・残尿感がある
・尿が白く濁っている
・血尿(血が混じった尿)が出る


などが挙げられます。

痛みを感じる理由は、膀胱が細菌感染によって炎症を起こし、敏感になっているから。炎症で剥がれてしまった粘膜や白血球が混ざり、尿が白く濁ります。
膀胱内の粘膜が細菌にさらに傷つけられてしまうと、尿に血が混ざりはじめます。血尿は、排尿の最後の方に出ることが多いようです。

こういった症状があるのに病院に行かず我慢し続けていると、排尿時以外にも下腹部が痛むようになっていきます。発熱や腰痛などの症状が出はじめると、膀胱炎は「腎孟腎炎」にまで発展してしまっている可能性があります。腎孟腎炎は、炎症が腎臓にまで広がってしまった状態。こうならないためにも、膀胱炎の症状を感じたら我慢は厳禁。

すぐに病院に行き、医師の診察を受けた上で、細菌を死滅させる抗生物質を処方してもらいましょう。

冷えやストレスが膀胱炎の原因となることも

膀胱炎は、季節の変わり目になることが多いと言われています。特に、だんだんと暑くなり、屋内では冷房が効きはじめる初夏は要注意。

膀胱内部の温度は、正常な状態(体温が平熱の場合)では37度程度に保たれています。37度前後の温度では、細菌が侵入してしまったとしてもそこで繁殖することはできず、細菌感染はしにくいと言われています。ところが冷え性の女性の場合、膀胱内部の温度が32度以下にまで下がってしまうことも。32度以下は、大腸菌などの細菌がもっとも繁殖しやすいとされる温度。
夏場、過剰な冷房による身体の冷えは、膀胱内での細菌の繁殖を招きます。

また、実は排尿は、膀胱に侵入した細菌を即座に洗い流すためのものでもあります。排尿を我慢すると膀胱炎になりやすいのはこのため。
入り込んだ雑菌が長期間洗い流されずに留まり続けることで、増殖が促されてしまいます。
下半身の冷えは、膀胱や尿道といった排尿に関わる臓器のはたらきを鈍らせ、尿の量(排尿回数)が減ってしまう原因となり、やはり、膀胱内での細菌の繁殖を招きます。

夏場の屋内と屋外の温度差による「自律神経の乱れ」からくる免疫力の低下にも要注意です。自律神経は、極端な温度差といった「身体的ストレス」だけでなく、心配事や悩み事といった「心理的ストレス」の影響も受けます。季節の変わり目は、周囲の環境などの変化が起こり、心理的ストレスを感じやすい時期でもありますよね。

つらい膀胱炎を防ぐためには…

膀胱炎は、免疫力が正常にはたらいていれば、症状が起こる前に身体が防いでくれる病気です。

◎自律神経のバランスを保つ(免疫力を保つ)ために
・疲れやストレスを溜め込まず、こまめな休息、リラックスを心がける
・夏場には羽織ものを持ち歩き、冷房による冷えを防ぐ。特に下半身を冷やさないようにする
・規則正しい生活、食事を心がける

上記を実践したうえで、以下のことにも気をつけましょう。

◎雑菌を膀胱に侵入させない、膀胱内で繁殖させないために
・尿道まわりを清潔に保つ。お尻を拭くときは前から後ろへ
・生理中のナプキンは、最低でも3時間おきに取り替える
・水分を十分にとり、排尿を促す。汗をかくことで尿の量が減りがちな夏は、特に多めの水分をとる

珍しいぶん、やっかいなケースも…男性の膀胱炎

珍しいぶん、やっかいなケースが多いのが男性の膀胱炎。

男性の尿道は女性よりも長いため、尿道の入り口(尿の排出口)から入り込んできた細菌は、膀胱にたどり着く前に尿で洗い流されてしまう場合がほとんど。だから男性は、女性よりも膀胱炎にかかりにくいのです。

ですが、病院で別の病気の治療や手術を受けた際、尿道カテーテルなどの器具によって細菌が入り込んでしまうことがあります。
この場合、膀胱炎よりも先に尿道炎や前立腺炎になり、そこから膀胱炎に発展するケースが多いようです。

症状としては、女性の膀胱炎と同様に、頻尿・残尿感・排尿時の痛み・白濁尿・血尿などが挙げられます。
このような症状を感じたら、すぐに病院に行くようにしてください。男性が膀胱炎の症状を感じるとき、尿道炎や前立腺炎だけでなく、
前立腺肥大症や尿道狭窄、膀胱がんや尿路結石といった大きな病気が隠されている場合も。

また、男性が1度膀胱炎になってしまうと、再発を繰り返すことが多いのですが、これは前立腺炎が慢性化しているから。
前立腺炎の治療には、膀胱炎と同様に抗生物質を使用しますが、大半の抗生物質は前立腺の内部までは届きにくいのです。
そのため、膀胱炎の症状が治まった後も、数週間にわたり抗生物質の投与を続ける必要があります。
症状が治まった時点で抗生物質を飲むのをやめてしまうと、前立腺内部に細菌が残ってしまい、前立腺炎と膀胱炎の再発が起こりやすくなってしまうのです。

男性が膀胱炎と診察された場合、医師の指示に従い、指定された期間中、しっかりと抗生物質を飲み続けるようにしましょう。

おわりに

女性の5人に1人は経験があると言われる膀胱炎。
症状を感じたら、恥ずかしがらずにすぐに病院に行くようにしてください。放置すればするほど症状は重くなり、完治にも時間がかかるようになってしまいます。膀胱炎は、早めに抗生物質を投与すれば、比較的すぐ治すことのできる病気です。

1度なるとクセになってしまう、とも言われる膀胱炎ですが、「尿道まわりを清潔に保つ」「疲れやストレスを溜め込まない」「身体を冷やさない」「トイレを我慢しない」ことに気をつけて生活していれば再発は防げます。

不快な膀胱炎は早めに治し、水分を多めにとってこまめにトイレに行くことを心がけ、体調を崩しがちな季節の変わり目を乗り切りましょう!