はじめに

「過活動膀胱(overactive bladder:OAB)」は自分の意志に関係なく、膀胱が収縮してしまい排尿障害が起きる新しい診断名です。
40代以降の男女に多く見られ、現在800人以上が悩んでいるとされていますが、若い人にも起こります。
排尿のトラブルにも色々ありますが、過活動膀胱についても知っておきましょう。
 

過活動膀胱の症状

尿意切迫感(にょういせっぱくかん)

急に尿意をもよおし、漏れそうで我慢できない。

切迫性尿失禁(せっぱくせいしっきん)

トイレまで我慢できずに漏れてしまう。

頻尿、夜間頻尿(ひんにょう)

昼間に8回以上トイレに行く。
夜中に1回以上トイレのために起きる。


中でも「切迫性尿失禁」が約半数見られます。
過活動膀胱の特徴は「突然」起こることですが、失禁しても尿の量は少量です。
過活動膀胱は、炊事など水に触れただけ、水のしたたる音を聞いただけでも尿意を感じることがあり、また外出中、突然尿意に襲われるなど、生活の質がひどく低下してしまうことが問題です。

ただし、症状が頻尿のみで、尿意切迫感の症状がなければ、過活動膀胱ではありません。

 

過活動膀胱の原因

過活動膀胱は、尿がたまる前に膀胱が収縮してしまうために起こります。

神経因性
脳卒中や脳梗塞などの後遺症により、脳と尿道の筋肉を結ぶ神経回路の障害

■非神経因性
加齢や出産により膀胱、子宮、尿道などを支えている骨盤底筋が傷ついたり弱体している


これ以外に原因不明のストレス性など心因性のこともあります。

 

膀胱炎と過活動膀胱の違い

膀胱炎は、細菌性により膀胱の粘膜に炎症を起こしているもので、過活動膀胱とは原因が違います。

■細菌性膀胱炎の場合
膀胱の細菌を早く外に出すために、尿意を我慢せず、水分を多めに摂るようにします。

■過活動膀胱の場合
尿意を少しずつ我慢し、膀胱の筋肉を鍛える必要があります。
過活動膀胱の場合、尿意を我慢しても膀胱炎にはなりません。

このように頻尿など似ている症状があっても、原因や治療法が異なります。

 

過活動膀胱の治療法は?

❏薬物療法
過活動膀胱の原因となる神経伝達物質の「アセチルコリン」の働きを抑える「抗コリン剤」が主に使われます。
ほとんどの患者さんは薬により軽快しますが、口が渇いたり便秘などの副作用もあるため、医師と相談しましょう。

排尿日誌をつける
いつから、何時間、何度トイレに行ったか、を記録しておくと正しい診断に役立ちます。

膀胱トレーニング
排尿の間隔を拡げるように、尿意を感じても、少しずつ慌てずに我慢する訓練をします。
また、膣や肛門に力を入れて骨盤低筋を鍛えるトレーニングを併用するとより効果的です。
 

日常の注意

○水分を摂りすぎない
○アルコールやカフェインを控える
○冷たいものを一気飲みしない
○外出時はトイレの場所を確認しておく
○早めにトイレに行く
○尿漏れパッドを利用しながらトレーニングする
○夏は冷房で下半身を冷やしすぎない

このようなことを、日頃治療法と合わせて焦らずにケアしましょう。
 

泌尿器科に行きにくい・・・

まずは内科や婦人科を受診しましょう。
過活動性膀胱かどうかの診断のために、腹部エコー検査、血液検査、尿検査などをすることがあります。
過活動性膀胱と診断が付けば、内科や婦人科でもお薬の処方ができます。
そのうえで泌尿器科を受診する必要があるかどうか、相談すると良いでしょう。


 

さいごに

過活動膀胱は多くの人が悩んでいる病気で決して恥ずかしいことではありません。
過活動膀胱は命の危険はない病気ですが、生活の質がひどく低下してしまうことが問題であるため、早めの受診をおすすめします。


image by illust AC
image by
Photo AC