頻尿・残尿感・尿漏れの症状

なお、頻尿以外の不調がある、排尿時に痛みや出血がある、尿の量が異常に多い、夜間だけ排尿が起こる場合は、なんらかの病気が頻尿の原因となっている可能性があるので医療機関を受診しましょう。

頻尿

一般的に、朝起きてから寝るまでに8回以上トイレに行く状態を「頻尿」といいます。

頻尿が起こる原因はさまざまありますが、市販薬で治療ができる頻尿は、ストレスからくるものや加齢による膀胱機能の低下が原因となるものです。

また、就寝後に尿意で1回以上目が覚めることを「夜間頻尿」といいます。

頻尿の症状について詳しくは関連記事をごらんください。

残尿感

膀胱内の尿のあるなしに関わらず、まだ尿が残っているように感じることを「残尿感」といいます。女性の膀胱炎が原因で現れる症状のひとつです。

男性の場合は慢性前立腺炎・前立腺肥大症などで残尿感の症状がよくみられます。

尿漏れ

医療的には「尿失禁」といい、自身の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことをいいます。急に立ち上がった時や咳・くしゃみをしたときなどに漏れる症状は女性の約4割が経験しているといわれています。さまざまな原因による筋力の低下が原因とされています。

また、乗り物での移動中などに急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまう場合もあります。男性では前立腺肥大症でこのような症状がみられます。

加齢などにより尿意をトイレまで我慢できない場合も尿漏れの症状に含まれます。

頻尿には漢方薬と西洋薬のどちらが効く?

西洋薬や漢方薬の効果の現れ方には個人差があるため、どちらがよく効くと一概にいうことはできません。

西洋薬は特定の病気を治すことを目的としていることに対し、漢方薬は体全体の不調を改善することを目的としているため、自分の症状と原因をしっかり見極めて西洋薬や漢方薬を選択することが大切です。

一般的には漢方薬と比較すると、西洋薬の方が効果が早く現れるとされています。

もし2週間以上使用しても効果が感じられない場合や再発を繰り返す場合は、一度医療機関を受診することをお勧めします。

効果が感じられたとしても、連続して使用するのは1か月以内にとどめましょう。1か月を超えて薬を継続したい場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

残尿感におすすめの薬

トイレに行ってもすっきりしない、残尿感がある方は、尿が膀胱内に溜まっていても排出できていない状態です。

尿路感染症などの細菌感染症の可能性もあるため、殺菌・利尿作用のある漢方薬がおすすめです。

ただし、性感染症のおそれがある場合はすぐに医療機関を受診してください。

漢方薬名 こんな人におすすめ
竜胆瀉肝湯 下腹部筋肉がつっぱる、比較的体力がある
五淋散 下半身の冷えがあり、体力がそこそこにある
・体力がやや弱め
猪苓湯 口が渇くことがある
・尿を出すときに痛みがある

・血尿がある

竜胆瀉肝湯エキス錠クラシエ

五淋散料エキス〔細粒〕80

「クラシエ」漢方猪苓湯エキス錠

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尿漏れにおすすめの薬

尿漏れは、膀胱に溜まった尿が漏れてしまう状態です。 重いものを持ち上げた、くしゃみがでた、突然我慢できない尿意がきた、加齢など尿漏れが起こる原因はさまざまあります。 尿漏れがある場合は泌尿器の働きを助ける薬を選択しましょう。

薬剤名 こんな人におすすめ
八味地黄丸 高齢者
ユリナールb ・神経質で胃腸が弱く、強い冷えがある
・女性で重いものを持ち上げたときに尿漏れがする
・女性で笑ったときなどに尿漏れが起こりやすい
・八味地黄丸で胃腸障害が出る
・全身のだるさがあり、口の中がよく渇く

「クラシエ」漢方八味地黄丸料エキス錠

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ストレス・緊張したときの頻尿におすすめの薬

ストレスや緊張、不安などの精神的疲労からくる頻尿には、清心蓮子飲・桂枝加竜骨牡蛎湯を使用しましょう。精神科でも処方される漢方で、高い効果が期待できます

薬剤名 こんな人におすすめ
ユリナールb ・神経質で胃腸が弱く、強い冷えがある
・女性で重いものを持ち上げたときに尿漏れがする
・女性で笑ったときなどに尿漏れが起こりやすい
・八味地黄丸で胃腸障害が出る
・全身のだるさがあり、口の中がよく渇く
桂枝加竜骨牡蛎湯 のぼせや寝ぼけが見られる
レディガードコーワ 女性専用の薬

「クラシエ」漢方桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒

レディガードコーワ20錠

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夜中にトイレで起きてしまう人におすすめの薬

日中は頻尿の自覚はなく夜間だけ頻尿になる状態は、心不全、前立腺肥大などの初期症状の可能性があります

夜中だけ何度もトイレに行きたくなる方は一度医療機関を受診しましょう。

基本的には、市販されている頻尿の薬はどの薬も昼間と夜間の頻尿で効果はほとんど変わりません。

薬剤名 こんな人におすすめ
八味地黄丸 疲れやすく手足に冷えと熱を交互に感じる
ジェントスルーコーワ細粒 ・手足に冷えと熱を交互に感じる
・疲れやすく、口の中がよく渇く

「クラシエ」漢方八味地黄丸料エキス錠

ジェントスルーコーワ細粒

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女性の頻尿におすすめの薬

女性に多い神経性の頻尿に効果を発揮する成分はフラボキサート塩酸塩です。 フラボキサート塩酸塩は、膀胱の容量を大きくさせる作用、排尿力を正常に保つ作用があります。

製薬会社の臨床試験では、約7割の方が頻尿改善の効果を感じたとされる古くから使われてきた有効な成分です。 ストレスや緊張、不安などの精神的疲労からくる頻尿にも有効です。

フラボキサート塩酸塩は男性は使用できません。男性の頻尿は前立腺肥大に関係することが多く、フラボキサート塩酸塩は前立腺肥大症の排尿困難を悪化させるおそれがあるためです。

また、妊娠中の場合もフラボキサート塩酸塩は使用できません。

薬剤名 こんな人におすすめ
レディガードコーワ ・日中・夜間に何度もトイレに行きたくなる
・残尿感がある

レディガードコーワ20錠

レディーガードコーワはフラボキサート塩酸塩単一成分の薬です。男性と15歳未満の子供は使用できません。

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高齢者の頻尿におすすめの薬

高齢者は頻尿が症状としてでる前立腺肥大症、膀胱炎などの病気にかかりやすく、それに加えて加齢による筋力低下などもあり、頻尿が起こりやすくなっています。 老化により泌尿器の機能が低下しているため、泌尿器機能の回復を補助する薬を選択しましょう。

薬剤名 こんな人におすすめ
ジェントスルーコーワ細粒 ・手足に冷えと熱を交互に感じる
・疲れやすく、口の中がよく渇く
リエイジEX錠​​ 疲れやすく手足に冷えと熱を交互に感じる

ジェントスルーコーワ細粒

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子どものおねしょ・頻尿におすすめの薬

子供の頻尿は膀胱炎などの病気がある場合と、特に原因もなく起こる場合があります。症状に不安がある場合は、一度医療機関を受診しましょう。

特に病気がなく、心理的なことが原因で頻尿やおねしょをしている場合は市販薬が活用できます。小児夜尿症に効果のある薬がおすすめです。

薬剤名 こんな人におすすめ
小建中湯 体が弱く虚弱体質な子ども
桂枝加竜骨牡蛎湯 神経質でストレスを感じやすい子ども

「クラシエ」漢方小建中湯エキス顆粒

「クラシエ」漢方桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒

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妊婦・授乳婦が使える薬はある?

妊婦は必ず医師に相談する

妊娠中は頻尿の薬に限らず、薬を使用する時は注意をする必要があります。

頻尿には基本的に漢方薬を用いますが、妊娠中はダイオウ、ボウショウ、コウカ、ゴシツ、トウニン、ボタンピ、ブシなど使用を控えるべき生薬の成分がたくさんあります。

妊娠中に頻尿の症状がある場合は、医師に相談して適切な薬を処方してもらいましょう。

授乳中はダイオウを避ける

薬の成分によっては母乳に移行して赤ちゃんに影響を及ぼす可能性もあるため、授乳中も薬の使用には注意しましょう。

特にダイオウが含まれている漢方薬は使用を控えてください。ダイオウのアントラキノン誘導体が母乳に移行し、乳児が下痢を起こす可能性があります。

ダイオウが含まれていない漢方薬として、八味地黄丸があります。

製薬会社の添付文書にも授乳中の使用について注意がなく、安心して使用できます。

頻尿改善のセルフケア

食事の改善

頻尿を改善する以下のポイントを確認しましょう。

◼︎みかん、酢の物などの酸味のある食べ物を控える
◼︎塩分を控える
◼︎チョコレート、ナッツ、豆腐などの豆製品を控える

水分補給の改善

頻尿を気にしすぎて過剰に控えると体が脱水症状を起こしてしまいます。1日コップ5〜8杯を目安にとりましょう。

ただし、寝る前に大量の水分をとると夜間頻尿の原因となるので注意が必要です。朝昼夕で均等に水分をとるように心がけましょう。

体温より冷たい飲み物、炭酸飲料や糖分の多いジュースなど刺激のある飲み物、コーヒー、紅茶などのカフェイン含有量の摂取は控えましょう。

骨盤底筋を鍛える

骨盤底筋を鍛えることも有効な頻尿です。骨格底筋を鍛えることで、尿漏れを訴える女性の約80%が効果を実感したという報告もあります。

骨盤底筋とは骨盤のなかで内臓を支えている筋肉の総称で、年齢とともに衰弱してしまいます。

下記の3つの手順で簡単に行うことができます。

1)肛門のまわりの筋肉を、ゆっくり息を吸いながら強く引き締めて5秒間保つ
2)息を吐きながら力を緩める
3)1と2を10〜20回繰り返し、1日4セット(朝・昼・夜・就寝前)を継続的に行う

仰向けになり両足を肩幅程度に広げ、ひざを曲げた姿勢で行うと効果的です。気軽にできるため、毎日の習慣にしていきましょう。


おわりに

頻尿はとても身近な症状です。ストレスや不安から頻尿になる、年齢とともに頻尿になることは、体の機能の自然な変化です。

自分に合う薬を見つけ、精神的ストレスを取り除いてあげること、また年齢によるものは受け入れるなどしてうまく頻尿と付き合っていきましょう。