1日の排尿回数が8回以上の場合や、8回未満であっても自分でトイレが近いと感じている場合は、頻尿に該当します。女性の頻尿は、とりわけ40代以降から増加する傾向です。

これは排尿をコントロールする女性ホルモン、「エストロゲン」が加齢とともに減少するため。一方で、10代・20代といった若い女性が、頻尿になることもあります。

そこで、この記事では年代別の傾向を踏まえた上で、女性の頻尿の原因について解説します。

30代~40代以降の女性に多い頻尿の原因

30代~40代以降の女性は、膀胱や子宮、卵巣の病気が原因で頻尿になることがあります。ここでは代表的なものを解説します。

過活動膀胱

過活動膀胱は、膀胱に尿が十分に溜まっていない状態でもトイレに行きたくなってしまう病気です。日本泌尿器科学会によれば、男女合わせた罹患者数は800万人以上にも及び、身近な病気と言っても過言ではありません。

人によっては夜中に何度もトイレに行きたくなる「夜間頻尿」や、トイレが我慢できずに漏らしてしまう「切迫性尿失禁」もみられることがあります。

子宮筋腫

子宮筋腫は、女性特有の病気の中で最も頻繁にみられる病気です。患者の多くは30代~40代。腫瘍自体は良性なので命を脅かすことはありませんが、腫瘍が膀胱を圧迫することで頻尿を引き起こすことがあります。

子宮筋腫では、頻尿のほかに生理関連のトラブル(過多月経や月経困難症)や便秘、腰痛といった症状が現れることがあります。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍は、子宮の左右にある卵巣に腫瘍ができる病気です。日本婦人科腫瘍学会によると、腫瘍は直径20cmを超える大きさになることがあり、膀胱を圧迫することで頻尿を引き起こします。

初期の段階では自覚することが難しく、腹部膨満からスカートがきつくなったことで、異変に気付くというケースがみられます。また、閉経後にもかかわらず不正出血がみられた場合も、卵巣腫瘍の疑いがあります。卵巣腫瘍の約9割は良性ですが、悪性腫瘍であることもあるので、疑わしい症状が出た場合は早めに対処することが理想的です。

このほか30代~40代女性の頻尿では、下記で解説する10代~20代女性にみられる原因が該当する場合もあります。

10代~20代の女性に多い頻尿の原因

10代~20代といった若い女性に頻尿がある場合は、膀胱の病気のほか、生活環境やストレスなどが原因となっている可能性があります。

膀胱炎

膀胱炎は、膀胱に炎症が起こる病気です。女性の約20%が経験するとされ、早ければ10代後半にかかることがあります。

女性に多いのは、細菌が膀胱に張り込む「急性膀胱炎」です。頻尿のほかに、残尿感や排尿痛といった症状が現れるのが特徴となっています。排尿を我慢することや不潔な性交渉などが原因となることが多いです。

心因性頻尿

心因性頻尿は、ストレスによる自律神経の乱れが原因となっている頻尿です。過密なスケジュールや家庭環境、人間関係などが主な原因となります。このほか、テスト前のように緊張状態が持続するときに、心因性頻尿として一時的な頻尿になることがあります。

身体的には問題がないので、就寝後の夜間頻尿はみられないのが特徴です。また、リラックスした状態のときや朝の起床時にも頻尿はみられません。

水分の過剰摂取

ジュースやお茶といった飲み物を摂り過ぎることが、頻尿の原因になることがあります。中でも利尿作用があるカフェインを含む飲み物は、頻尿を悪化させるので注意が必要です。コーヒーや紅茶のほか、コーラにもカフェインは含まれています。飲み過ぎに注意するだけでなく、飲み物の種類にも気を配るようにしましょう。

女性の頻尿は妊娠・出産が原因の場合も

女性の場合、妊娠や出産が頻尿の原因となる場合があります。

妊娠による頻尿

妊娠初期である妊娠2~4か月ごろは、体の変化のひとつとして頻尿が現れることがあります。受精卵が子宮に着床することによって子宮が大きくなり、膀胱を圧迫するためです。

また、妊娠を持続させるための女性ホルモン「プロゲステロン」による影響も頻尿の原因となります。膀胱や尿道は、平滑筋という筋肉によってコントロールされています。プロゲステロンはこの平滑筋の動きを弱めてしまうため、頻尿が生じるのです。場合によっては、妊娠超初期の段階で頻尿が現れることもあります。

出産による頻尿

妊娠中、お腹の赤ちゃんの重みによって骨盤底筋にゆるみが生じると、出産後に頻尿になることがあります。骨盤底筋とは、その名の通り骨盤の底にある筋肉です。膀胱や尿道を支える働きがあるため、ゆるんでしまうと頻尿の原因になります。

骨盤底筋のゆるみによる頻尿では、重いものを持ったり、くしゃみをしたときに尿が漏れてしまうことがあります。

頻尿には市販薬を活用を

頻尿の原因によっては市販薬が有効活用できる場合もあります。過活動膀胱や心因性頻尿などは市販薬での対応が可能です。

自分の症状に合わせて適した市販薬を選択しましょう。

さいごに

なかなか口には出せませんが、多く女性が頻尿の悩みを抱えています。年代だけでなく季節の影響によっても排尿回数は変化するため、とてもデリケートな問題です。一人で悩まず、困ったときは医師や薬剤師に相談しましょう。特に病気の疑いがある場合は、早めに対処することが理想的です。