日本泌尿器科学会では、1日8回以上の排尿や、8回未満でも排尿回数が多いと自分で感じる場合は、頻尿であると定義しています。

この記事では、男性の頻尿で考えられる原因について解説。男性特有の病気からストレス性の病気、さらには男性・女性共通で注意が必要な病気まで取り上げます。

頻尿の原因になる男性特有の病気

頻尿の原因になる男性特有の病気には、前立腺肥大や前立腺炎、尿道炎などがあります。

前立腺肥大

前立腺肥大は、前立腺が肥大し、尿路がふさがれていく病気です。加齢による男性ホルモンの変化が強く関与しているため、高齢男性に多くみられます。

頻尿のほかには排尿困難や残尿感、尿意圧迫感(尿がしたくて我慢できない)、尿勢低下(尿の勢いが弱まる)といった症状が現れるのが特徴です。

前立腺炎

前立腺炎は、若い男性に比較的多い病気です。細菌性と非細菌性のものがありますが、頻尿が起こりやすいのは、細菌性による急性の前立腺炎となります。

頻尿のほかにも前立腺の痛みや腫れ、排尿痛といった症状がみられます。このほか倦怠感や筋肉痛といった全身症状が出るのも特徴的です。

尿道炎

尿道炎は、尿の通り道である尿道に炎症が起こる病気です。尿道が短い女性は膀胱に炎症が起こりやすく、尿道が長い男性は尿道に炎症が起こりやすい傾向にあります。

尿道炎の原因の多くが、性行為による性感染症です。淋病の原因である「淋菌」やクラミジア感染症の原因である「クラミジア・トラコマティス」などによって引き起こされます。このほか、女性が膣トリコモナス症である場合も、尿道炎を起こしやすいです。

頻尿の男性にみられるストレスが原因の病気

ストレスを溜め込み過ぎると、頻尿になる場合があります。ストレス性の病気では、心因性頻尿や心因性多飲症が頻尿の原因になることがあります。

心因性頻尿

心因性頻尿は、過度なストレスが原因の頻尿です。中高年だけでなく、若い男性にも多くみられる病気であり、人間関係や生活環境などが主な引き金となっています。なお、膀胱や尿道などには異常がみられません。

緊張状態が続いたり、トイレに行くことができない状況に置かれると、特に症状が出やすくなります。また、心因性頻尿がストレスになって、さらに症状が悪化するという悪循環に陥ることがあります。

心因性多飲症

心因性多飲症は、ストレスが原因で喉の渇きを感じる、脳の「口渇中枢」という場所が刺激さてしまう病気です。飲み物を摂取する量が増えるため、自然と尿の量が増え、頻尿となります。

心因性頻尿と同じく、膀胱や尿道などには異常がみられないため、心のケアが重要です。ストレス解消のために、利尿作用が強いアルコール類やカフェインが含まれるコーヒーなどを摂取してしまう男性は、特に注意が必要です。

男性・女性に共通する頻尿の原因

頻尿の原因となる病気には、男性女性に共通するものがあります。ここでは代表的な過活動膀胱と膀胱炎について解説します。

過活動膀胱

過活動膀胱は、膀胱が過敏になり、尿が少し溜まっただけでも強い尿意を感じてしまう病気です。日本泌尿器科学会によると、男女合わせて800万人以上がこの病気にかかっています。

血管の老化や、膀胱や尿道を支える骨盤底筋が弱まることが原因となるため、高齢になるほどかかりやすいです。主な症状は強い尿意を感じる尿意圧迫感ですが、頻尿や切迫性失禁といった症状が出ることもあります。

膀胱炎

膀胱炎は、細菌が膀胱に入り込むことによって炎症が生じる病気です。女性に多い病気ですが、男性にもまれにみられます。男性の場合は、前立腺炎による尿道圧迫が原因となって起こりやすいです。

頻尿のほかにも排尿痛や残尿感といった症状が出やすく、さらに悪化すると、発熱をともなう腎盂腎炎を招くことがあります。

頻尿には市販薬の有効活用を

頻尿の原因によっては市販薬が有効活用できる場合もあります。過活動膀胱や心因性頻尿などは市販薬での対応が可能です。

自分の症状に合わせて適した市販薬を選択しましょう。

さいごに

男性の頻尿は、さまざまな病気が原因となって引き起こされます。デリケートな悩みなので打ち明けにくいですが、病気の悪化や重症化を防ぐためには、早めに対処することが大切です。1人で抱え込まず、医師や薬剤師と二人三脚で治しましょう。