はじめに~

多くの人が何度も経験する「頭痛」という症状。なんと、世界人口の4分の1が慢性の頭痛に苦しんでいるデータもあるようです。その症状の度合いは様々で、少し時間が経つとやわらぐ軽いものから、身もだえるほど激しい痛みに苦しみ、嘔吐まであるという重度のものがあります。また、頭痛という孤立した症状ではなく、生命の危険を脅かす重い病気が原因となっている場合があります。そのため、「皆が経験することだから」と決して軽く考えてはいけない症状、それが「頭痛」なのです。

 

頭痛の種類とは?

頭痛には大きく2つに分けて、慢性的に発症するが原因を確定しにくい「一次性頭痛」と、病気が原因となって発症する「二次性頭痛」があります。また、一次性頭痛は基本的に「緊張型頭痛」「片頭痛(偏頭痛)」「群発頭痛」の3つに分類されますが、「緊張型頭痛と片頭痛の混合」も存在します。

◆一次性頭痛…原因が明確ではない

  • 緊張型頭痛
  • 片頭痛(偏頭痛)
  • 群発頭痛
  • 緊張型頭痛と片頭痛の混合

 

二次性頭痛…病気が原因ということが明確

  • 脳腫瘍
  • くも膜下出血
  • 脳出血
  • 髄膜炎
  • もやもや病
    …小児の場合、この病気で頭痛のみ訴える場合がある

 

頭痛の原因や症状(一次性頭痛)

一次性頭痛は原因を特定しにくいという特徴がありますが、それぞれ以下のような要因で各症状を起こしていると考えられています。

緊張型頭痛

年齢・性別限らず、非常に発症率が多いタイプの頭痛です。緊張がキーワードです。

◆緊張型頭痛の要因とメカニズム

  • 肉体的なストレス
    1.…長時間にわたるデスクワーク、運転など、同じ姿勢を長い時間とり続ける。
    2.…肉体的なストレスがたまり血流が悪くなる。
    3.…頭、首、肩、背中の筋肉が緊張する。
    4.…神経が刺激され頭痛が発症。
     
  • 精神的なストレス
    1.…プレッシャー、不安、人間関係などによる緊張。
    2.…精神的なストレスがたまり交感神経が刺激される。
    3.…交感神経が刺激されることで筋肉が緊張。
    4.…それにより神経が刺激され頭痛が起こる。
    ※交感神経は自律神経の一つで、人間の活動時に優位になります。
     

◆緊張型頭痛の症状と特徴

  • 痛みはじめは首筋や肩がこったり、後頭部が重くなる。
  • 頭全体が圧迫され締め付けられる。
  • 発症すると頭が重いような感じがする。
  • 後頭部を中心に、頭全体が痛む。
  • 月に、15日~数ヶ月に及び毎日痛む場合がある。
  • 午後から夕方、週末に発症しやすい。
  • 頭痛発症時、軽いめまいや、肩や首の強いこりがある。

 

片頭痛(偏頭痛)

「緊張型頭痛」の次に多いとされる、女性に多い頭痛のタイプです。脳の血管拡張がキーワードです。

◆片頭痛の要因とメカニズム

  • ストレス
    1.…ストレスのせいで脳のホメオスタシス(生理学的なバランス)が崩れる。
    2.…それにより三叉神経が過敏になり血管が拡張する。
    3.…拡張した血管が神経を刺激し頭痛が発症する。
     
  • ホルモンバランスの変化
    1.…月経周期のなかで女性ホルモン「エストロゲン」が減少する。
    2.…エストロゲンの減少が影響し、神経伝達物質「セロトニン」が減少。
    3.…セロトニンが減少したことにより、脳の血管が拡張する。
    4.…拡張した血管が神経を刺激し、頭痛を発症させる。

    ※セロトニンが激増した場合は血管が収縮するが、のちに反動で急激に拡張し同様のことが起こる。
     
  • 食品の影響
    1.…血管拡張作用がある成分を食品などから摂取する。
    2.…その影響で脳の血管が拡張し、神経を刺激して頭痛を発症させる。

    ※血管拡張作用がある成分:「チラミン/ポリフェノール/ヒスタミン/亜硝酸塩/アルコール
    ※上記の成分を含む食品類:「チーズ・ピーナッツバター・ピクルス・チョコレート・ココア・ハム・ソーセージ・赤ワイン」など
     
  • タバコ
    1.…タバコを吸うと血管が縮小。
    2.…縮小した反動で、のちに血管が一気に拡張。
    3.…拡張した血管が神経を刺激する。
     
  • 低気圧
    1.…低気圧が近づくと「頭がい骨内の圧が低下」「酸素濃度が低くなる」「自律神経が乱れる」「体内にヒスタミンが過剰分泌」「脳への血流が低下」などの現象が起こる。
    2.…上記の現象が血管の拡張を起こし、神経を刺激するために頭痛が発症。
     
  • 低血糖
    1.…食事を抜くなどで低血糖が起こる。
    2.…脳が低血糖を改善するために血流を増やす。
    3.…血管壁が圧迫され頭痛が起こる。

 

◆片頭痛の症状と特徴

  • ズキズキと脈を打つ(波打つ)ように痛む。
  • 強い痛みに吐き気を伴う場合がある。
  • カラダを動かすとガンガン頭にひびく。
  • 月に1~2回発症する。
  • 視野にチカチカとした光が見える前兆があることも。
  • 光や音、ニオイに敏感になる。

 

群発頭痛

”痛みの王様”といわれるほどの激しい痛みや、男性の発症が多いこと、3種類の頭痛のなかでは発症率が低いことが特徴です。キーワードはストレスと体内時計です。

◆群発頭痛の要因とメカニズム

  • 体内時計の狂い
    1.…ストレス、もしくは何らかの理由で体内時計が乱れる。
    2.…その乱れが三叉神経に痛みの情報として伝えらえてしまう。
    3.…三叉神経が痛みの原因物質を放出する。
    4.…それにより目の奥にある内頸動脈が拡張。
    5.…拡張した内頸動脈が炎症を起こし頭痛を発症させる。
     
  • ストレス
    1.…ストレス、もしくは何らかの理由で三叉神経血管系が活発化
    2.…それにともない内頸動脈が拡張。
    3.…拡張した
    内頸動脈が炎症を起こし頭痛を発症させる。
     

◆群発頭痛の症状と特徴

  • 限られた期間(1~2ヵ月間)、毎日発症する。
  • 痛みが非常に激しい。
  • 頭の片側、片目の奥が痛む。
  • 目がえぐられるような痛みを感じる。
  • 睡眠中、夜中から明け方に痛む。
  • 涙、鼻水、鼻づまり、発汗がある。
  • 瞳孔が過度に縮小する。
  • 瞼(まぶた)が上がりにくくなる。
  • 目の充血を伴う場合がある。
  • 比較的、季節の変わり目に多い。

 

頭痛の予防策・対処法

◆緊張型頭痛

  • 【発症時】首や肩などを温める。
  • 長時間の同じ姿勢を避ける。
  • ストレッチ(首を左右に倒す、左右に振る)を心がける。
  • 入浴でカラダを温めリラックスする。
  • 有酸素運動を習慣にする。

◆片頭痛(偏頭痛)

  • 【発症時】暗くて静かな場所で休む。
  • 【発症時】こめかみを冷やす。(血管を収縮)
  • 【発症時】こめかみを押さえる。(血流の阻害)
  • 【発症時】コーヒーや緑茶を飲む。(血管を収縮)
  • 【発症時】甘いものを食べる。(低血糖による発症に効果)
  • 自律神経を整える。
    …有酸素運動、腹式呼吸、入浴、ストレッチ、睡眠、リラックス。
  • 周期を把握する。
    …ホルモンバランスの変化は、月経前に起こることが多いので、その時期は片頭痛の要因となる激しいスポーツ、アルコール、タバコ、頭痛を誘発する食品を控えるようにする。
  • 片頭痛に効く栄養素をとる。
    …血管を正常に機能させ、脳血管の炎症を防ぐマグネシウムを含む食品と、頭痛症状の改善に効果的なビタミンB2を含む食品を摂るよう心がける。ほか、水分とミネラルを補給できるスイカなども有効。

◆群発性頭痛

  • 【発症時】痛みが非常に強いため、神経内科、脳神経外科などを受診する。
  • アルコールを控え、タバコは吸わないようにする。
  • 規則正しい生活を送る。(寝すぎない、睡眠不足にならない)

 

さいごに~

緊張型頭痛と、片頭痛が混同しているタイプは、どちらの症状が強く出ているかで対処が変わります。双方の症状の違いをよく把握しておきましょう。なお、頭痛は重篤な疾患が原因の場合は早急な対処が必要です。自分に起こっている頭痛がどのようなものか知るためにも、頭痛に悩まされている人は一度「神経内科」もしくは「脳神経外科」、あるいは「内科」で相談することをお勧めいたします。

 

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