日常生活の中で抜け毛が起こることは自然なことです。

人間の髪は10~12万本あり、成人であれば一日に50~100本程度は抜け毛があるのが自然現象であり正常の範囲です。

しかし、日常で抜ける本数以上に急に抜け毛が増えてしまったら不安になってしまうもの。

この記事では、急に増えた抜け毛の原因と対策について解説します。

なぜ抜け毛は起きるのか?

髪は、生えてから成長し抜け落ちるまで成長期・退行期・休止期のサイクルを繰り返しています。

ヘアサイクルの期間では「成長期」が最も長く、男性が2~6年、女性が4~8年くらいです。その後、髪を成長させていた毛母細胞の分裂スピードが急速に落ちる「退行期」になります。退行期は2~3週間ほどです。

やがて、髪は成長が完全に止まる「休止期」になります。休止期は2〜3か月であり、髪がいつ抜けてもおかしくない状態です。抜ける予定の毛根の奥では、新しく成長を始める髪が準備をしています。

日常生活の中で自然に起こる抜け毛は、通常は休止期にあたるものです。

しかし、なんらかの原因で頭皮の血流が悪くなり、髪へ送られる栄養分が不十分になると、髪の成長サイクルが妨げられて異常な抜け毛となっていきます。

抜け毛を実感しやすいとき

日常生活の中でも、抜け毛を特に実感するときはシャンプーをしているときでしょう。そのほかに、タオルドライをしているとき、ブラシで髪をとかしているとき、ドライヤーを使用しているとき、起床時の枕元などが多いです。

生活上での抜け毛は日常的に起こることなので、異常な量でなければそれほど心配する必要はありません。

異常な抜け毛の原因7つ!

髪が太くしっかりと成長する前の短い抜け毛、細い抜け毛が目立つようになってきたら、ヘアサイクルが乱れているサインと考えられます。

異常な抜け毛の原因として考えられるものをいくつか紹介します。

栄養バランスの悪い食生活

髪を成長させるためには、頭皮の血流を良くしてタンパク質などの必要な栄養素を毛乳頭まで送り込む必要があります。

高カロリーな食べ物や、動物性の脂肪分を多く含んだ食品の摂り過ぎなどの食生活は、皮脂の分泌を増やし頭皮の毛穴を詰まらせてしまい、髪の成長を妨げ抜け毛の原因となります。

また、血液中のコレステロールを増やすことも、頭皮の環境を悪化させることにつながります。

睡眠不足や喫煙習慣

髪の毛は睡眠中に細胞分裂を繰り返して成長します。睡眠不足や質の悪い睡眠は、髪の成長を阻害して抜け毛の原因になります。

また、タバコの成分の中にあるニコチンの過剰摂取は血管を収縮させてしまいます。血管が細くなり、血行不良を起こすことで頭皮への栄養素不足を招くことになります。

ストレスの増加

人間はストレスを強く感じたときには、自律神経やホルモンのバランスが乱れます。ストレスによって交感神経が刺激されると、血管は収縮するので血行不良が凍ります。血行が悪くなると頭皮への栄養も行きわたりにくくなり、抜け毛の原因になります。

また、過度の精神的ストレスは、体を緊張させ続け血管を収縮させ続けることになり、結果的に円形脱毛症につながったというような実例もあります。

男性ホルモンの分泌過多

男性ホルモンと女性ホルモンは、性別によって分泌するホルモンが異なると思われがちですが、実は男女とも両方のホルモンを分泌しています。

女性ホルモンのエストロゲンは、肌だけではなく髪の毛の成長にも関与して髪のハリやツヤを豊かに保つ作用があります。一方男性ホルモンのテストステロンは、頭皮や毛髪の成長に関わりますが、ホルモン分泌が過多になると体毛は濃くなり、頭皮への影響は逆に抜け毛を引き起こすことになります。

また、頭皮の毛乳頭細胞にある「5αリダクターゼ」という還元酵素と男性ホルモンが結合すると、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という物質を生成します。

ジヒドロテストステロンは、テストステロンより強い男性ホルモンであり、髪の正常なサイクルを乱して抜け毛を起こしてしまいます。

つまり、過剰なテストステロンの分泌があれば、ジヒドロテストステロンも過剰につくられてしまうことになり、抜け毛の増加を招いてしまうのです。抜け毛が悪化すれば、「AGA」と呼ばれる男性型脱毛症を引き起こすことにもなります。

シャンプーの洗い方

シャンプーをしているときは多くの抜け毛を実感するときですが、抜け毛が怖いからといって洗髪を避けて頭皮を不衛生な状態にしていると、さらに抜け毛を悪化させる原因となりかねません。

ヘアケアによる影響

日常的にヘアカラーやブリーチ、パーマなどを頻繁に繰り返していたり、スプレータイプの整髪剤の多用、長時間にわたり髪が引っ張られ続けている状態のポニーテールなどの髪形を長く続けていると、頭皮への負担が増して抜け毛を起こす原因にもなります。

遺伝や病気による可能性

すべての事例で明確にされているわけではありませんが、抜け毛や薄毛は遺伝と関係している可能性もあるといわれています。

また、内臓系の病気があったり、抗癌剤治療をされている方など特定の疾患によっては抜け毛がひどく起こる場合もあります。

抜け毛を予防するための身近な対策

抜け毛が目立つようになってきたら、一度日常生活の見直しをしてみることが大切です。自分なりにできる対策を意識して取り入れましょう。

乱れた生活習慣を改善しよう

偏食や外食が多い、インスタント食品ばかり食べている、無理なダイエットなどは髪の成長に必要な栄養素を不足させる食生活になりがちです。

抜け毛が気になるときは、髪の主成分となるタンパク質を多く含んだ肉類、乳製品などを忘れずに摂取するようにしましょう。

また、髪の成長を促進するビタミン・ミネラルなども意識して摂るように心がけましょう。

ストレスやタバコはひかえめに

ストレスは血行不良の原因です。リラックスした時間を作るなどの自分なりのストレスを発散できる方法を見つけて、なるべくストレスをかかえこまないようにしましょう。

喫煙する方は、ストレスの発散だからと喫煙を増やすことは髪の成長にとっては逆効果です。抜け毛が気になる方は喫煙を控えましょう。

良質な睡眠時間を

仕事が忙しい日々が続くと、睡眠不足になりストレスにもつながりやすくなります。睡眠は髪の成長に関わるので、睡眠時間の確保だけではなく、質の良い深く眠れる睡眠を心がけてください。

ホルモンバランスを維持

男性ホルモンの過剰な分泌は、抜け毛の増加を招くことにつながってしまいます。男性ホルモンの過剰な分泌をおさえるためには、ストレスによる交感神経の刺激を受けないようにすることが大切です。

なるべく体をリラックスした状態にしてストレスを開放したり、運動不足であれば適度な運動などを取り入れて、男性ホルモンの働きをおさえましょう。

正しいシャンプーのやり方でヘアケアを

シャンプーをしているときはある程度の抜け毛はありますが、普段以上の抜け毛が気になるときは、洗い方や使っているシャンプーを見直しましょう。

自分の頭皮や髪に合うシャンプーを使って、正しい洗い方で一日一回程度の洗髪を心がけましょう。

また、髪や頭皮に負担のかかる髪形はほどほどにして、整髪料を大量に使った場合はできるだけその日のうちに洗髪し頭皮を清潔な状態に保ちましょう。

遺伝による抜け毛が気になるときは

遺伝が疑われる場合は、診断によって異なる治療法を選択することも可能です。不安がある場合は一度専門機関で検査を受けることをお勧めします。

抜け毛や薄毛に効く市販薬

抜け毛や薄毛が気になる方は、まずは抜け毛の原因から対策しましょう。

原因への対策とともに市販薬の活用も有効です。自分の抜け毛の状態や部位に合わせて適切な薬を選択しましょう。

おわりに

抜け毛が起こる原因はさまざまありますが、急に抜け毛が増えたときは日常生活の見直しがどこか必要なのかもしれません。

最近抜け毛が増えてきたと感じたときは、原因を見つけて対処することを心がけ、悩むようであればまずは専門の病院を受診しましょう。