はじめに

「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」は、プールの水を介して集団感染することが多いため、「プール熱」とも呼ばれています。

夏かぜの代表の「手足口病」と「ヘルパンギーナ」と合わせて子どもの夏かぜトリオと呼ばれています。

流行時期に備えて症状や対策を知っておきましょう。

咽頭結膜熱(プール熱)の感染経路と特徴は?

咽頭結膜熱の原因は、アデノウイルス(主に3型、4型、7型)による急性ウイルス性感染症です。

アデノウイルスは現在51種類の型が報告されていて、数多くの病気を引き起こしますが季節特異性がないため、春、秋、冬にも小規模な流行があり、年間を通して見られます。

特に初夏から秋にかけて流行しやすく、6月頃から徐々に増加し始め、7月~8月にピークを迎えます。

多くは5歳以下の幼児または小学生の子どもにかかりやすいのですが、非常に感染力が強いため、地域的に流行したり病院や施設などでも感染が報告されているため、大人にも要注意な感染症です。

主にプールを介した発症のため、赤ちゃんにはかかりにくいといわれていますが、上の子から乳児に感染する場合があり、乳児は重症化しやすいため家族みんなで注意が必要です。

感染経路は主に「飛沫感染」「接触感染」です。感染した子どもの唾液や目やに、便などを介して人から人へ移ります。

またプールに入らなくても、せきやくしゃみから感染することもあります。

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症状は、5日~7日の潜伏期間の後発症します

プール熱(咽頭結膜熱)の症状は5日~7日の潜伏期間の後以下の症状を発症します

■高熱

38~40度の高熱が出ることから発症します。

熱は3日~5日続きます。首のリンパ節に腫れと痛みを伴うこともあり、普通の夏かぜよりも熱が下がりにくいのが特徴です。

■のどの痛み

発熱と共に、のどが腫れて痛む「咽頭炎(いんとうえん)」の症状が出て、咳を伴うこともあります。

■結膜炎

まぶたの裏側と白目の表面を覆っている結膜に炎症が起きて赤くなり、目やにが多くなります。

涙が出やすくなり、まぶしがる症状も見られます。

眼症状は片側から始まり、やがてもう一方にも表れることが多いようです。

■その他症状

頭痛、食欲不振、全身倦怠感が見られ、また胃腸炎を起こして腹痛や下痢をすることもあります。

熱やのどの痛みによる食欲不振で脱水症状になることもあります。

咽頭結膜熱(プール熱)の治療法は対処療法

症状に気が付いたら小児科を受診しましょう。

眼の症状が強い場合には眼科治療が必要な場合もあります。

特別な薬や治療法はなく、高熱の際には解熱剤を使用したり、喉の痛みには鎮痛剤の服用など、症状に合せた対処療法になります。

通常1週間~10日で良くなります。以下のようなケアをしながら見守りましょう。

・安静と十分な睡眠

・こまめに水分補給(柑橘系はのどにしみるので避ける)

・食事は熱いものや味の濃いものは避け、のど越しのよいものを与る

・目やにがひどい時は湿ったガーゼでやさしく拭き取る

咳や吐き気、頭痛が強いときなどは早めに医療機関に相談しましょう。

出席停止があります

咽頭結膜熱は学校保健法では、第二種伝染病に位置づけられており、主な症状が無くなった後、2日を経過するまで出席停止とされています。

また医師の許可があるまではプールには入らないようにします。

流行前の予防が大切です

幼稚園や学校、地域などで一気に大流行する場合があるため、しっかりと対策をとりましょう。

・流行時には流水でせっけんによる手洗い、指もしっかり洗い、うがいもしましょう

・感染者との接触は避けましょう

・プールからあがったときは、シャワーを浴びてうがいをしましょう

・プールでのタオルの共有はしないようにしましょう

・感染者がいる場合、タオルは家族間でも別に使い、洗濯物も別に洗うようにしましょう

咽頭結膜熱(プール熱)は症状が無くなってからも2週間程度はウイルスを排出するため、治った後も手洗い、うがいはしっかりとおこなってください。

さいごに

かぜは冬だけではなく、夏も起こりやすく、特に咽頭結膜熱(プール熱)は熱の下がりも遅く、激しいのどや目の痛みなど、子どもには辛い時期を過ごすことになります。集団感染しやすい感染症には、季節を問わず、うがい、手洗いなどを習慣化させましょう。