熱中症と夏バテを間違える人は多い
夏が来た!青い空の下、思いっきり遊ぼう!・・・と思ったけど体がダルいしボーっとする。
こんなとき「夏バテかな?」と考える人は多いのではないでしょうか。
しかし、夏バテと熱中症の初期症状は非常に似ているので注意しなければいけません。厄介なことに熱中症は屋外だけでなく、家の中でもかかってしまいます。
さらに、重症化して治療が遅れると医療機関でも助けることが難しいという危険性も持っているのです。
そこで、この記事では夏バテと間違えやすい熱中症の初期症状や、かかりやすい人の傾向を解説。さらに室内での熱中症を予防するための対策や自宅でできる対処法をご紹介します。
熱中症になりやすいのは、どんな人?
2013年の夏は40万人以上の人が熱中症で病院に運ばれました。入院する必要があった人はその1割未満でしたが、550人もの人が命を落としています。
熱中症にかかりやすいは「熱中症弱者」といわれ、こんな特徴があります。
●体温をうまく調節できない
●脱水症状をおこしやすい
●暑さに弱い
具体的には子ども、高齢者、肥満の方、そのほか心臓疾患、高血圧、糖尿病といった慢性疾患のある人です。中でも多いのは高齢者で、半数近くを占めるといわれています。
室内で熱中症になる人が多いのも、家で過ごす時間が長い高齢者が多いためと考えられます。こんな症状がみられたら、熱中症の初期症状である可能性があります。
・頭痛
・吐き気
・腹痛
・手足のしびれ
室内で熱中症になるのを予防するには?
室内での熱中症を防ぐポイントは2つです。
○こまめな水分補給
○室内環境の調整
こまめな水分補給
スポーツをしている時と違い、室内では喉の渇きを意識しにくいものです。しかし熱中症予防のためには、喉の渇きを感じる前に水分を摂るようにしましょう。
起床時や就寝時、入浴前や入浴後といったタイミングの水分補給を習慣づけることも大切です。
室内環境の調整
「肌が乾燥する」「人工的な風は嫌」といった理由から、エアコンが苦手な方は少なくありません。しかし、部屋の温度が28度以上になり、湿度も70%を超える場合は、極力エアコンをつけるようにしましょう。
設定温度の目安は26~28度です。冷房が苦手な場合は除湿だけでも効果があります。
また、どうしてもエアコンを使いたくない場合は、扇風機を活用しましょう。ただし体に直接、風をあてるのは体を冷やし過ぎて体力を奪ってしまいます。
室内の空気の流れを良くすることを意識して、床や窓の外、天井に向けてあてるようにしましょう。
室内で熱中症になったときの対処法
熱中症の症状があらわれたときは体の表面の熱を下げましょう。保冷剤をタオルで包んだものや氷を入れたビニール袋を用意して脇の下、太ももの付け根、首筋にあてます。
同時に水分や塩分の補給も必ず行ってください。
冷やし過ぎによる「シバリング」に注意
体表を冷やすときは、冷やし過ぎによるシバリングに気を付けましょう。
シバリングとは、体温を調整しようとして身震いなどがおこる現象で、寒さで体が震えてしまうと、筋肉が収縮し、体温が上がってしまいます。こんなときはぬるま湯や常温の水で濡らしたタオルで体を冷やしましょう。
うちわで風を送るのも効果的です。
さいごに
猛暑日は短時間で発症することもある熱中症。体調不良を単なる夏バテと油断するのは危険です。早期発見すれば、すぐに症状が治まりますが1番良いのは日頃から予防習慣を持つこと。
運動や仕事、レジャーなどに夢中になっている間も体からのサインや水分補給を意識するようにしましょう。