夏は何かと体調を崩しやすい季節。
夏風邪をひきやすいと感じいている方は、もしかしたら冷え性が原因かもしれません。

夏に冷え性?と思うかもしれませんが、クーラーの効いた環境に長時間いることで体に変化が起こっている可能性があるのです。

一般的にクーラー病と呼ばれている症状ですが、原因や対処の仕方を知らないと慢性化してしまうことも。クーラーの効いた環境で冷え性が始まってしまう前に、クーラー病の症状や対策を知っておきましょう。

クーラー病とは?

クーラー病とは、冷房の効いた環境に長時間〜長期間いることで体調が悪くなってしまったり、体が冷えすぎてしまったりする症状です。冷房病とも呼ばれています。

クーラー病の症状と分類

クーラー病は冷え性の1種であると考えられており、症状別に1から3まで分類されています。
分類の数字が大きくなるごとに重症であると考えられます。以下のような症状があらわれた場合は注意しましょう。

◆第1期◆
クーラーによって体が冷やし始められた状態です。クーラーが効いた空間に入ると、血液が体を守ろうとして内臓や脳に集まっていきます。そのため、手先や足先の血流の量が減少して、体の末端に冷えを感じます。
冷え性の分類でいうと、血管の収縮などを原因とする従来の冷え性である皮膚温度低下タイプの「末梢血管収縮型冷え性」となります。

◆第2期◆
手先や足先を中心としていた冷えが、腹部を冷やしている状態です。腹部が冷えることで腰から下全体に冷えを感じるようになり、胃腸障害や、月経不順などの婦人科疾患、尿などに異常のみられる泌尿科疾患が症状としてあらわれます。それと同時に、肩こりや腰痛などの症状もあらわれることがあります。
冷え性の分類でいうと、血管の収縮などを原因とする従来の冷え性である皮膚温度低下タイプの「内臓温度低下型冷え性」となります。

◆第3期◆
体全体に冷えを感じる状態です。特に上半身を中心として手や足までにも冷えを感じ、痛みを感じる場合もあります。ふらつき、めまい、疲労感、血圧の変動、イライラなどの症状があらわれます。さらには、毛細血管の血流の量が減少してしまうことで皮膚が冷たくなってしまう、コールドショックという症状を起こしてしまう可能性もあります。
冷え性の分類でいうと、血管の拡張などを原因とする新しい冷え性である皮膚温度上昇タイプの「次世代型冷え性」となります。

クーラー病の原因

クーラー病が冷えからくる病気であるなら、クーラーにあたっている間だけ気をつければいいと思うかもしれませんが、実は単なる冷え症ではないのです。血液や神経に影響を及ぼすことでさまざまな症状が起こります。

血行不良

クーラーで冷えた部屋に長時間いることで血管が収縮してしまい、血行不良を起こします。このことが原因で、体に不調が起きてしまいます。

また、デスクワークなどで座ったままの状態が継続する場合には、下半身が冷えて腰痛やむくみなども起こる可能性があります。

自律神経の乱れ

人間の体は、体温を常に一定にしようと働いています。
例えば激しい運動をして体内に熱が発生しても、汗をかくことによって体温を下げる機能があるのです。

しかし、1日冷房の効いた環境で過ごしていると、汗をかくということがなくなります。涼しい環境にいることで、皮膚の下にある毛細血管は熱を奪われないように血流の量を減らし、汗を出す汗腺も収縮して、汗を出さないようにするのです。その結果、皮膚は乾いて冷え、汗をかかなくても熱が奪われてしまうのです。

この2つのことを行うのが自律神経です。
自律神経というのは、睡眠、血圧、体温などの調節や内臓の動き、免疫などといった働きを担っています。
暑いところから涼しいところへの移動のように、急激な温度の変化が1日のうちに何度も続いてしまうと、自律神経に大きな負担がかかります。そして、自律神経のバランスが崩れてしまい、自律神経によって行われている様々な調節がうまく機能しなくなるのです。

自律神経が乱れてしまうと、以下のような自律神経失調症と類似の症状が引き起こされます。

・頭痛 ・腹痛や下痢 ・腰痛 ・だるさ ・肩こり ・神経痛 ・不眠 ・食欲不振 ・月経不順 ・頻尿 ・便秘

自律神経のバランスは一度崩れてしまうと修正することが難しくなります。
こうなってしまうと、慢性的に体が冷えた状態になってしまい、常に頭痛や肩こりが続くことがあります。

クーラー病の治療法は体を温めること!

もしクーラー病にかかってしまった場合、まずは体を温めることが大切です。
冷え切ってしまった体を温めてあげることで、自律神経の機能を改善させましょう。

入浴で冷えを改善

体を温める方法として有効なのが、湯船につかることです。
夏の暑い季節になると、湯船につからずにシャワーで済ませてしまう人も多いと思いますが、湯船に浸かることでクーラー病が改善されることがあります。37度〜38度くらいのぬるめのお湯に30分程度つかることが効果的で、体の芯から温まることができます。

また、湯船につかることには次のような効果が期待できます。

◆温熱効果で血行改善
湯船につかることで皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がって、血流がよくなります。新陳代謝が促進されることで体内の老廃物や疲労物質が排除され、コリがほぐれて疲れが取れたり、むくみや腰痛が改善されます。
また、内臓の働きを助け、自律神経をコントロールする効果があります。ぬるめのお湯につかることで副交感神経が優位になり、寝つきや眠りが良くなります。

◆水圧効果で天然マッサージ
お湯につかるだけでも体は水圧を受けます。この圧力によって内臓が刺激され、それが内臓運動となり、内臓がマッサージされている状態になります。
また、脚の血液は、陸上では重力のために心臓まで上がりにくくなってしまいますが、水圧で血管が細くなり血液が心臓に向かって押し上げられます。その結果、下半身の血行が改善され、血液やリンパ液の循環が活性化するのです。
全身浴ではこの水圧により心臓への負担が大きくなりますが、半身浴では水圧が減少するので心臓への負担も少なくなり、ゆっくりとつかることができます。

◆浮力効果でリラックス
首まで湯船につかることで、体重は約9分の1程度になります。普段体重を支えている筋肉や関節はお湯につかることで負担が小さくなるため、緊張からくる脳への刺激が減少します。体の負担を減らすことにより、脳波がリラックスした状態になりやすくなるのです。

クーラー病は予防が大切

クーラー病は重症化してしまった場合、自律神経が大きく乱れ、改善されるまでに時間がかかることがあります。生活習慣や周囲の環境に気を付け、クーラー病を予防しましょう。

クーラーの設定温度に注意

クーラーを使う場合は、外気との温度差に気を付け、ほどよい温度を保つことが大切です。28度が適温だといわれていますが、これは省エネだけが目的なのではなく、人の体にとって負担がかからない温度であるからです。24度〜28度を目安に温度設定しましょう。
また、直接クーラーの冷気にあたり続けることによって慢性的な低体温になる恐れがありますので、クーラーの冷気を直接浴びないようににすることも大切です。

衣服で温度調節しましょう

会社など、自分の思い通りに温度調節ができない場合は、カーディガンやひざ掛けを使って体が冷えるのを防ぎましょう。床近くにある足元は冷気が流れやすいので、厚手の靴下やサポーターを身につけることも効果的です。また、首筋に冷気を浴びると体が冷えてしまうので、首にスカーフなどを巻くことも大切です。

体を温めるものを摂る

暑さで食欲がなくなってしまうと、アイスクリーム、清涼飲料、スイカ、そうめんなどを食べてしまいがちですが、これらは陰性食品といって腸管を緩めたり体を冷やす食べ物です。夏場は特に、タンパク質やミネラルが豊富で、体を内側から温めてくれる陽性食品をとるようにしましょう。生姜や唐辛子を取り入れたり、疲労回復効果もある酢の物を食べることもオススメです。

また、暑い時期には冷たい飲み物を飲みたくなりますが、常温もしくは温かい飲み物を飲むことを心がけましょう。
胃腸の働きがスムーズに行われるようにするためにも、温かいお茶や白湯などを飲むことが大切です。

軽い運動を習慣化する

足がだるくなったり、足腰が痛い、胃腸の調子が悪いなどの症状は、血行が悪くなっていることが原因となっている場合があります。ストレッチや散歩などの軽い運動をすることは、筋肉をやわらかくしたり体を温める効果があります。コリをほぐし血行を良くするためにも軽い運動を習慣的に行うようにしましょう。

ゆっくりお湯につかる

暑い季節はついシャワーで済ましてしまう人が多いかと思いますが、シャワーでは十分に体を温めることはできません。
ぬるめのお湯にゆっくりつかり、マッサージを行うなどして血行をよくしましょう。体の芯まで温めることで、自律神経のバランスが改善されます。また、お風呂に浸かることで体内の老廃物を排出することができたり、体も心もリラックスすることができます。

寝るときも体を冷やさないように

寝るときには、クーラーや扇風機の風が直接当たらないことに注意しましょう。朝までつけっぱなしにすることで体が冷えすぎてしまうことがあるので、タイマーをセットすることも検討しましょう。お腹や足元は特に冷やさないように注意し、腹巻きや靴下などで寝冷え対策を行うことが大切です。
また、朝までクーラーをつけっぱなしにしておく場合は、温度調節や風量に特に気を付けましょう。

生活リズムを改善する

夏場は日が長くなるために夜更かしをしてしまうことや、夜中に食事をとることなどで生活リズムを崩しがちです。生活のリズムと体のリズムがずれてしまうと、自律神経のバランスが崩れやすくなります。できるだけ規則正しい生活をするように心がけ、体への負担を減らしましょう。

おわりに

暑い季節になるとついついクーラーを効かせすぎてしまったり、冷たいものばかりを食べてしまうことがあります。しかし、そのことで体が芯から冷えてしまい、自律神経にまでも影響を及ぼしてしまう場合があります。
夏だからこそ体を温めてあげることが大切です。生活習慣や環境をもう一度見直し、夏の冷え性対策をしっかり行いましょう。