初期の症状を自覚しにくく、気づいたときには意識を失うなど重症化していることもある脱水症。
とくに高齢者は喉の渇きなども感じにくくなっているため、知らないうちに脱水症に陥っていることも少なくありません。夏は暑さも加わって熱中症のリスクも高まり、命にかかわる危険性もはらんでいます。

今回は、脱水症の前段階である「かくれ脱水」に自分で気づくことができる12のチェック項目を紹介します。65歳以上の方を対象に作られたものですが、項目の中には年齢を問わず気をつけたいものもあるので、チェックしましょう!

高齢者は要注意!かくれ脱水とは

脱水症は、体内の水分や塩分が不足した状態で、めまい、頭痛、筋肉のしびれ、吐き気など、さまざまな不調があらわれます。重症化すると意識を失うなど命にかかわることがあり、夏はさらに暑さが原因で起こる体温上昇が加わると熱中症を引き起こします。

とくに高齢者は、次のような理由で脱水症になりやすいとされています。
・体内に水分を蓄える筋肉量が減少
・体力も低下
・喉の渇きを感じる感覚も衰えている
・腎臓の機能が低下する
・全体的な食事量が少なくなる
・トイレに行く回数を減らしたいので、水分を摂らない
・利尿作用を持つ治療薬(高血圧や心不全の治療薬など)で体内の水分を失いやすいなど

普通のおとなでも、日頃運動をしない人や、厚着が習慣になっている人、太り気味の人、ストレスが多い人なども、体の体温調整機能が衰えて「かくれ脱水」になっている場合が多く、放っておくと脱水症や熱中症に進行しやすいとされています。

おもな脱水症の症状

◼︎脳神経系:めまい、頭痛、意識を失う、けいれん
◼︎消化器系:食欲がなくなる、下痢、吐き気、便秘
◼︎筋肉系:しびれ、筋肉痛、麻痺

かくれ脱水をチェックする12項目

今回紹介するのは、神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科の谷口英喜教授監修の「かくれ脱水チェックシート」です。
かくれ脱水は、血液の濃さを示す血液の浸透圧の数値で「292~299」と定められていますが、自分でも簡単に確認できるようにと12項目のチェックシートが作成され、実際に医療現場で活用されています。
各段階で1つでも当てはまると次の段階に進み、段階が進むごとにかくれ脱水の危険度が高くなります。

STEP1:最近、今までになかった次のような変化がありませんでしたか?

・皮膚がかさつくようになった。皮膚につやがなく、乾燥している。
・口の中が粘つくようになった。つばが少なくて飲み込みにくい、食べ物がパサつくようになった。
・便秘になった、あるいは以前よりひどくなった。
・手の甲をつまんで離した後に、つまんだ跡が3秒以上も残る。
・足のすねがむくむ。靴下のゴムの跡が、脱いだあと10分以上も残る。

※ひとつでも当てはまる人は「かくれ脱水」の可能性があります。

STEP2:以下の項目に当てはまるものはありませんか?

・日当たりのよいところ、または屋外にいる時間が長い(目安は1時間以上)
・普段より集中力が低下している。昼間でも眠気がある。
・トイレが近くなるため、寝る前は水分補給を控えている。
・冷たい食べ物や冷たい飲み物を好むようになった。
・利尿薬を飲んでいる。

※ひとつでも当てはまる人は「かくれ脱水」の可能性が高いです。

STEP3:さらに、次の項目に当てはまるものがありますか?

・85歳以上である。
・高血圧、糖尿病、心臓病などの持病がある。

※ひとつでも当てはまれば脱水症に進行する危険があります。医療機関を受診してください。

今すぐ始めよう!かくれ脱水対策

かくれ脱水にならないためには、体内の水分が不足しないように気をつけ、体温が上昇し過ぎるのも防ぐ必要があります。
チェック項目でかくれ脱水のリスクがわかった方は、日常生活で次の点に注意してください。

① 水分補給をこまめに
喉の渇きを感じなくても、昼間は2時間おきを目安にこまめに水分補給をしましょう。塩分と少量の糖を含むスポーツ飲料や経口補水液がおすすめです。

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② しっかりと食事をする
1日に必要な水分の約4割は食事から補給しています。体内に水分を蓄える筋肉の衰えを防ぐためにも、バランスのよい食事をしっかりととることを心がけてください。

③無理をしないで休息を
炎天下での労働やスポーツを控え、30~60分ごとに休息をとりましょう。

④入浴の前に水分補給を
入浴するとたくさんの汗をかき、体内の水分が失われます。入浴前にコップ1杯の水を飲む習慣をつけてください。

 

おわりに

脱水症は家の中でも起こりやすく、気密性の高いマンション(特に最上階)に住んでいる人や、一人暮らしなど環境的要因もリスクを高めるとされています。
「私は大丈夫」と過信せず、脱水症や熱中症への移行を防ぐためにも「かくれ脱水」には十分気をつけてください。

脱水症に関する情報は、こちらの記事も参考にしてください。
ミナカラ : 夏の脱水症状は命の危険も!脱水症状の原因・症状・治療・対策を解説