風邪では、発熱・頭痛・のどの痛み、くしゃみ・鼻水・咳・倦怠感などの症状が現れます。
一般的な風邪は、ウイルスなどの病原体が、鼻やのど、気管支などに入って気道粘膜に付着し、増殖することで発症します。
発症から3日目ほどが症状のピークで、通常であれば7~10日間で軽快していきますが、咳などは後に残り長引くことがあります。
風邪のウイルスをやっつけるのは自分自身の免疫力です。
風邪を少しでも効果的に治したいのであれば、しっかりとした「睡眠」「食事(栄養補給)」「水分補給」がポイントになります。
この記事では、風邪の治し方について解説します。
風邪の症状については関連記事をごらんください。
風邪のひきはじめは安静に
風邪のひきはじめの兆候はゾクゾクとするさむけ、体のだるさ、のどや関節の違和感や痛み、肩や首筋のこわばりなどがあります。
ひきはじめに無理をしてしまうと余計に風邪が悪化してしまうおそれがあります。
風邪のひきはじめは布団に入って体を温め、安静にするのが一番です。大事をとってゆっくり体を休めるようにしましょう。
ただし、熱が高かったり、症状が強く現れている場合は医療機関を受診するようにしましょう。
睡眠を十分にとる
風邪のときは体を守るための発熱や咳によって体力を消耗してしまいます。風邪のときはウイルスと戦う体力を温存・回復するために安静にして十分な睡眠をとりましょう。
特に寒気があるときは、布団を重ねたり厚手のパジャマを着て体を温めて寝るように心がけましょう。
また風邪薬を飲むと症状がやわらぎますが、体のなかではまだウイルスが活動を続けています。
症状がつらくなければ無理に布団で寝ている必要はありませんが、外出して仕事をするなど体力の消耗につながる行動は控えて、できるだけ安静にすることを心がけましょう。
部屋の温度・湿度を保つ
部屋は暖かくし、のどが乾燥して痛くならないように適度な湿度を保つようにしましょう。
部屋の温度はだいたい20~25℃くらいを目安にし、保湿のために加湿器などを使用するのがおすすめです。
汗をかいたら着替える
風邪のときには汗をかきやすくなります。
汗をかいたパジャマや下着をそのままにしておくと、体が冷えてしまうことがあります。
汗はタオルなどでこまめに拭き取り、汗に濡れたパジャマや下着はとり替えるように心がけましょう。
栄養をしっかりとる
風邪のウイルスや細菌と実際に戦うのは自分自身の免疫です。栄養補給は風邪と戦うための体力を補う重要なポイントです。
風邪のときは消化機能が低下することが多いので、消化に良いものを食べると良いでしょう。
風邪のときにおすすめな栄養成分は「ビタミンC」「ビタミンB群」です。
ビタミンCは免疫機能の働きに関係があり、ビタミンCを積極的にとることで風邪の治癒が早くなったという報告もあります。
ビタミンB2は鼻やのどの粘膜を正常に保つ働きがあり、ビタミンB6・B12は疲れに良いといわれる栄養素で、積極的に食事に取り入れることがおすすめです。
ただし多くとればそれだけ風邪が早く治るというわけではありません。食事は栄養バランス良く食べることが大切で、おすすめの栄養成分もあくまで不足しやすい栄養素を補充すると考えましょう。
風邪のときにおすすめの食べ物・飲み物について、詳しくは関連記事をごらんください。
水分補給を忘れずに
風邪のときは脱水状態になりやすいので、水分補給だけは忘れず行いましょう。
水分補給は水でも良いのですが、合わせてミネラルなども補給できる経口補水液やスポーツドリンクが理想的です。
スポーツドリンクの糖分が気になる方や、経口補水液がしょっぱいと感じる方は水で2〜3倍に薄めて飲んでください。
また1度に大量に飲むのではなく、室温程度で少しずつこまめに飲むようにすると効果的です。
お風呂は入ってもいいの?
風邪のときの入浴に関しては医師によっても意見が分かれるため、実際に症状を把握している医師の指示に従うのが一番です。
特に妊娠中の方や、自分の症状をうまく伝えることが難しい乳児や小さな子どもの場合は担当の医師に確認してください。
医師から特に指示がない普段は健康な人の場合、風邪の症状が軽くつらくなければ入浴をしても問題ありません。
目安として、熱が37.5℃以下、症状が軽い、さむけ・悪寒がない、だるさがないようなら入浴をしても良いでしょう。
無理な入浴は逆効果
入浴も体力を消費しますので、長風呂は避け手早く入浴を済ませるように心がけましょう。
またお風呂でたくさん汗をかくと風邪が治るということはありません。
無理な入浴や熱過ぎる湯への入浴は体力の消耗につながります。症状が軽くなるまでは入浴を延期した方が無難です。
風邪のときの入浴のポイントや注意点について、詳しくは関連記事をごらんください。
市販薬で症状をやわらげる
発熱・のどの痛み・咳・鼻みず・鼻づまりなどの風邪症状がつらくて睡眠・食事の妨げになるようなら市販の風邪薬を使いましょう。
発熱・咳・鼻みずなどの風邪症状はウイルスと戦うための防御反応なので、風邪薬などでおさえずに回復できれば理想的です。
しかし風邪の症状がつらく、十分な睡眠・食事が妨げられてしまうと体力の消耗につながり、かえって風邪からの回復を遅らせてしまうおそれがあります。
風邪薬にウイルス自体を撃退する作用はありませんが、つらい症状が楽になり睡眠・食事をとりやすくなり、体力の消耗をおさえてくれます。
睡眠や食事がしっかりとれる程度に市販薬を使用するのは大切なことです。
風邪のときに市販薬の選び方について、詳しくは関連記事をごらんください。
病院を受診した方がいい場合は?
39℃以上の高熱、黄色や緑色の濃い鼻みず、激しい咳など症状が強い場合は、市販薬の使用ではなく医療機関を受診しましょう。熱が38〜39℃でも複数の症状がある場合は医療機関を受診してください。
また風邪が治らない場合や市販薬が効かない場合も医療機関を受診してください。
妊娠中、小さな子ども、持病のある65歳以上の方、喘息・糖尿病などの持病がある方などは、市販薬の風邪薬を使うよりも医療機関への受診を優先してください。
病院を受診する詳しい目安や診療科についての情報は、関連記事をごらんください。
おわりに
一般的な風邪は安静にしていれば1週間ほどで回復します。
少しでも早く治したい場合は、安静にし十分な睡眠とバランスのとれた食事を心がけましょう。
ただし症状が強い場合や1週間しても症状が続いている場合は医療機関を受診しましょう。