アデノウイルス感染症は1年を通して子どもは要注意!

「アデノウイルス」という名前を聞きなれない方も多いかもしれませんが、小児の風邪の10%はアデノウイルスによるものといわれている、とても身近なウイルスです。

ところが、アデノウイルスは潜伏期間や症状に独特の特徴があり、感染すると一般的な風邪症状にとどまらず、様々な病気を引き起こすことが知られています。

特に乳幼児には感染しやすく、1年中、どこかで集団感染が起きていて、時に重症化することもあります。

今回は、アデノウイルスの潜伏期間・感染経路・主な症状について解説します。

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潜伏期間が長いアデノウイルス

潜伏期間とは、「ウイルスの病原体に感染してから、ウイルスが体内で活動し、症状が出るまでの期間」のことです。

アデノウイルスは、現在51種類もの型が確認されていて、それぞれのウイルスは異なる性質を持っています。

人の体に侵入する際も、それぞれの性質から、呼吸器、消化器、眼など、多くの部位に感染し、様々な症状を引き起こします。

アデノウイルスの平均的な潜伏期間は5日~7日です。

感染から発症まで、インフルエンザは1~3日以内の潜伏期間のため、アデノウイルスは潜伏期間が比較的長いことが特徴です。

感染した部位によって潜伏期間が異なる

アデノウイルスの症状の出方は、ウイルスが入り込んだ部位と大きく関連します。

主な症状は、高熱、結膜炎、のどの腫れ、咳、鼻水、下痢、嘔吐など、多種多様です。

アデノウイルスの潜伏期間は5~7日とされていますが、以下のように、さらに潜伏期間が長い場合もあります。

呼吸器系・・・2~14日

(風邪・気管支炎・肺炎)

眼感染症・・・7~14日

(咽頭結膜熱・流行性角結膜炎)

消化器系・・・3~10日

(胃腸炎・出血性膀胱炎)

このように、感染部位によって潜伏期間や症状が異なることも、アデノウイルスの多様性のあらわれです。

潜伏期間から人にうつります

アデノウイルスは、潜伏期間中からウイルスを排出しています。

症状に気づいたときには、すでに長期間の潜伏期間を経ていることになります。

特に、保育園や幼稚園などで風邪が流行している時には、症状が出ていなくても、潜伏期間である可能性が高いということを知っておきましょう。

症状が見られたら、すぐに本人のケアをすると共に、二次感染の予防をすることがとても大切です。

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アデノウイルスの感染経路は特に「接触感染」に注意

アデノウイルスは、主に以下の経路で鼻、口、喉の粘膜、眼から体内に入りこんで感染します。

以下の感染経路に注意しましょう。

■接触感染

直接感染者の皮膚や粘膜に触れることによる感染と、ウイルスに汚染された物から手指に付着した病原体が、口、鼻、目に侵入して感染が成立します。

タオルやドアノブ、トイレの流しボタンや玩具など、あらゆる場所で長期間感染力を持つことがあります。

また、汚染されたプールの水からの感染も多く見られます。

■飛沫感染

感染者の咳やくしゃみによる唾液や鼻水を吸い込んで感染します。飛沫からの距離が1~2m以内の場合は、感染の可能性が高いといえます。

■糞口感染

便中に排出されるウイルスが、手を通して口の中に入って感染。特に使用済みおむつや便器などから感染します。

このように、様々な感染経路があり、免疫力が低い子どもたちには、容易に何度でも感染するため、注意が必要です。

子どもからの家族感染に注意

アデノウイスの感染は、子どもから家族感染することが多く見られます。

潜伏期間中からウイルスを排出し、症状が治った後も、のどからは7~14日間便からは30日間程は、ウイルスを排出し続けることがあります。

家庭では以下に注意しましょう。

●感染者と密接な接触は避ける

●こまめに石鹸と流水で手洗いする

●タオル、枕など目やにや涙が付くものは共有はしない

●洗濯物も別に洗う

●お風呂は患者は最後に入り、お湯も交換する

●便やオムツはしっかりビニールに入れてしっかり閉じる

●子どもの目やにを拭いたり、おむつ替えの後はしっかり手を洗う

●子どもがよく触るもの、ドアノブやトイレなどは消毒をする

(消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムが有効です)

特に目や鼻をよく触る子どもたちには、正しい手洗いを一緒に行い、しっかり感染予防を教えてあげましょう。

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さいごに

アデノウィルスが厄介なのは、物や紙の表面など人の体の中以外の場所でも、付着してから、なんと約10日間も生残る型があり、ウイルスの感染力が長期間にわたり続くことです。

これらのことからも、子どもに流行しやすく、潜伏期間も長いため、重要なウイルスの1つとして、特徴を知っておくとよいですね。