子どもが元気に一日中外で遊び回った日に、グーグーと大きないびきをかいていたら、疲れてぐっすり眠っているな・・・と思いがちですが、それは間違いのようです。

 

子どもはすやすやと寝息をたてて寝るもので、一般的にいびきをかきません。

毎日のように大きないびきをかいていたら要注意!何かしらの不調や異常のサインだと考えたほうがいいようです。

 

今回は子供のいびきの原因に多い、幼児特有の「アデノイド肥大症」について紹介します。

 

image by

 

photo AC

「アデノイド肥大症」ってどんな病気?

アデノイド(咽頭扁桃)は、のどの位置の高いところにあり、鼻と咽の間にあるリンパ組織の1つです。

細菌やウイルスが体の中に入らないように防御をする役目をしています。

 

小さい子どもは骨格や筋肉が十分発育していないので、相対的にアデノイドがのどに占める割合が大きくなります。

アデノイドは誰にでもある組織なのですが、特に幼児期に大きくなり、3~6歳頃に最大となり、10歳を過ぎる頃に縮小します。

 

新生児から乳幼児期にアデノイドが大きくなるのは、免疫作用を強めるために起こり、それ自体は異常なことではありません。

ただし大きくなりすぎることで気道が狭くなり、呼吸困難などの合併症などを起こすことがあります。

アデノイド肥大症の症状は?

典型的には下記の症状があります。

 

・鼻での呼吸が困難なため、口呼吸により大きないびきが出る

・睡眠時無呼吸症

・慢性鼻炎・副鼻腔炎

・アデノイド顔貌

(口をポカンと開けて舌を突き出したしまりのない特有の顔つき)

・無理な呼吸による胸部変形や漏斗胸

(呼吸時に胸がぺこぺこして、胸のみぞおちあたりがへこんでいる)

 

など、鼻、耳、胸の変形まで、様々な症状があります。

病気による影響は?

アデノイド肥大に伴い下記のような疾患があります。

 

・常に口呼吸のため「扁桃炎」や「気管支炎」など上気道の炎症を起こしやすい

・睡眠が浅いための夜尿症

・日中の眠気、注意力、集中力の低下

・哺乳や飲食が困難なための栄養障害

・睡眠不足による成長障害、発育障害

・アデノイドが耳管を塞ぐことによる急性中耳炎滲出中耳炎(しんしゅつちゅうじえん)

難聴

・重症の呼吸障害が長期間続くと脳への障害や心不全などの合併症

 

など、特に成長期には注意したい様々な影響があります。

治療法は?

治療法には「保存的治療」と「外科的治療」があります。

 

アデノイドは10歳位になると自然に縮小するため、呼吸や飲食に特に支障がなければ通常は治療の必要はありません。

①保存的治療

・いびきの程度が軽症の場合

・急性の炎症で一時的にアデノイドや口蓋扁桃が腫れた場合

 

※これらの場合は、保存的治療として抗生剤や消炎剤などで症状を軽減し、経過観察で十分なこともあります。

②外科的治療

・アデノイドが小さくならず、いびきがひどい場合や頻繁に扁桃炎を繰り返す

・頻繁に扁桃炎を繰り返すなど各種の症状が続く

 

※これらの場合は、アデノイド切除術、口蓋扁桃摘出術が必要になります。

通常、手術は全身麻酔下に行われ、術後約1週間の入院を要することになります。

 

子どもが成長する重要な時期のため、診断および治療方針の決定は、年齢的な要因を加味して適切に治療管理を行うことが大切です。

 

image by

 

photo AC

おわりに

アデノイド肥大症は、のど、鼻、耳など、症状が多様であり気づかないこともあります。

 

子供のいびきは、ぐっすり熟睡できていないことから成長にも大きくかかわるため、家族が気づいてあげることが大切です。

当てはまるような疑わしい症状がある時は、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。