おたふく風邪は感染者全体の約60%を3〜6歳が占めるため、子供の時にかかりやすい病気ですが、発症するのは子供だけではありません。

大人になってから発症するおたふく風邪は、子供に比べて症状が重く、特に男性は生殖機能に関わる合併症になるおそれがあります。

今回は大人の男性のおたふく風邪について詳しく見ていきましょう。

おたふく風邪の症状とは?

おたふく風邪は、ムンプスウイルスに感染することで発症します。

ムンプスウイルスの感染力はとても強く、感染者のくしゃみや咳からの飛沫感染と、感染者やウイルスの付着したものへの接触による接触感染で感染します。

ムンプスウイルスに感染すると2〜3週間の潜伏期間のあと、初期症状として悪寒、頭痛や酸味のあるものを飲み込む際に痛みを感じることがあります。

初期症状を過ぎると発熱、耳の下の腫れや痛みにともない、頭痛、おう吐、食欲不振などの症状が現れます。

また、おたふく風邪には症状がまったく現れない不顕性感染(ふけんせいかんせん)があります。

おたふく風邪の症状は、通常は約1週間程度でおさまりますが、経過には個人差があるので注意しましょう。

大人のおたふく風邪の症状は?

大人がおたふく風邪を発症した場合は、子供より重い症状が現れます。

40℃以上の高熱になることもあり、高熱にともないその他の症状も重くなります。

大人がおたふく風邪を発症すると合併症を併発する場合があり、主な合併症として、無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)、難聴、脳炎、膵炎があげられます。

特に無菌性髄膜炎を併発した場合は、細菌感染症のおそれがあるため入院での治療が必要となります。

合併症で男性不妊の原因に!

男性がおたふく風邪を発症した場合、睾丸炎(精巣炎)の合併に注意が必要です。

睾丸炎はおたふく風邪にかかった男性の約10〜30%に起こります。

具体的な症状には、おたふく風邪発症後およそ3〜5日目に、睾丸の腫れや赤みと急激な痛みが現れ、発熱、頭痛、吐き気などがあります。

通常は1週間程度で自然に症状がおさまりますが、症状が長期化したり、片側だけではなく両側の睾丸で腫れや炎症が起こると、睾丸の中の精子をつくる細胞が死んでしまい不妊の原因となります。

睾丸炎から生殖能力の障害に発展するのは10%程度だと報告されていますが、睾丸に痛みや腫れが現れて症状が長引く場合には、早めに泌尿器科を受診しましょう。

女性のおたふく風邪の危険性は?

女性がおたふく風邪に感染した場合、ごくまれに卵巣炎を合併するケースがあります。

特に、妊娠中におたふく風邪を発症した場合には胎児に影響を及ぼすおそれがあります。

妊娠中におたふく風邪にかかった場合の危険性について詳しくは関連記事をごらんください。

大人も予防接種を!

おたふく風邪の最も有効な予防方法は予防接種です。

2017年12月現在ではムンプスウイルスに有効な薬はなく、おたふく風邪に感染したときの治療は症状への対処が基本になります。

そのため、まずはおたふく風邪に感染しないことが最も大切です。

おたふく風邪の予防接種は任意接種のため費用は自己負担となります。平均的な費用は約5,000円〜9,000円と病院によって差があります。

おたふく風邪の予防接種に対する公費補助を行っている自治体も多く、自治体によっては無料で予防接種が受けられる病院もあります。

おたふく風邪の合併症のリスクを考え、予防接種を受けることを検討しましょう。

1度予防接種を受けたら2度と感染しない?

自然におたふく風邪にかかった場合、体内にムンプスウイルスの抗体ができるため、再びおたふく風邪にかかることはほとんどありません。

しかし、おたふく風邪の予防接種でできる抗体は、完璧ではないため注意しましょう。

おたふく風邪の予防接種を行った場合、約90%の方が体内に有効な抗体を獲得することができますが、予防接種で体内にできた抗体の効果があるのは約8〜10年です。

子供の頃におたふく風邪の予防接種を行っていても、大人になり結婚して子供ができる頃には、体内の抗体は徐々に減少し感染のおそれが出てきます。

おたふく風邪の予防接種は、時期を分けて2回受けることが推奨されています。

おたふく風邪の予防接種は2回受けることで、自然にかかった場合と同じくらい有効な抗体を体内に作ることができます。

おわりに 

おたふく風邪の症状がおさまったとしても、おたふく風邪を発症してから約9日後まではムンプスウイルスの排出が認められているため注意が必要です。

日頃の手洗いやマスクの着用も、おたふく風邪の感染予防につながります。