おたふく風邪は子供がかかりやすい病気!

おたふく風邪の患者は3~6歳で約60%を占め、多くの人は子供のときにおたふく風邪になります。

0歳児でおたふく風邪になることは少ないですが、生後6か月くらいから患者が増え始め、4歳がもっとも患者が多くなる年齢層です。

おたふく風邪の原因はムンプスウイルスの感染によるものです。

ムンプスウイルスは一度感染すると、感染者の体内に抗体ができるため、何度もおたふく風邪にかかることは基本的にはありません。

なお、子供のときに一度もおたふく風邪にかかったことがない人は抗体がないため、大人になってから感染するおそれがあります。

知らない間におたふく風邪にかかっていることも

おたふく風邪の患者のうち、約20~30%は腫れや発熱などの症状が出ず、自覚がないままおたふく風邪になっています。

症状が出ず自覚がないまま感染していることを、不顕性感染(ふけんせいかんせん)といいます。

不顕性感染は特に2歳未満でおたふく風邪にかかった場合に多くみられます。

不顕性感染の場合でも感染した状態と同じで、抗体を獲得することができます。

おたふく風邪の主症状

・38℃前後の発熱(熱は出ない場合もある)
・耳の付け根から、ほお、あごにかけて腫れる
・片方だけ腫れる場合と両方同時に腫れる場合がある
・腫れた部分は痛みがある
・頭痛や倦怠感をともなう場合がある
・腫れは2~3日をピークに、1~2週間でおさまる

症状は通常であれば1~2週間でおさまりますが、「熱が下がらない」「高熱がつづく」「強い頭痛や吐き気」などがある場合はおたふく風邪から合併症を引き起こしているおそれがあるので、病院で診察を受けましょう。

子供のおたふく風邪は合併症に注意

子供がおたふく風邪にかかったときは、腫れや発熱などの症状だけではなく合併症が起きるおそれがあります。

子供は自分の症状をうまく伝えることができないため、周りの大人が体調や機嫌などをよく観察しましょう。

おたふく風邪で起こる合併症

おたふく風邪自体で重症になることは少ないですが、おたふく風邪の原因であるムンプスウイルスは全身の臓器に感染しやすいという特徴があるため、合併症を引き起こし重症になるおそれがあります。

無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)
睾丸炎(こうがんえん)
卵巣炎
難聴
・脳炎
・膵臓炎(すいぞうえん)
・乳腺炎
・心筋炎 等

首の痛みや嘔吐:無菌性髄膜炎

子供が首の痛みをうったえる・いつもより些細なことで不機嫌になる・吐き気や嘔吐がある場合、無菌性髄膜炎を合併しているおそれがあります。

無菌性髄膜炎とはおたふく風邪のムンプスウイルスにより髄液が増え、炎症を起こす病気です。

特徴的な症状は、吐き気・嘔吐・首の痛みです。

無菌性髄膜炎はウイルス性髄膜炎とは別の物であるため、後遺症が残ったり、死亡にいたることはなく、症状は自然におさまります。

性別による合併症:睾丸炎・卵巣炎

おたふく風邪による合併症には性別ごとの違いもあり、男の子は睾丸炎、女の子は卵巣炎を合併するおそれがあります。

男の子は睾丸炎
睾丸炎は、おたふく風邪にかかった男の子の約20~30%に合併しています。

睾丸炎になると睾丸の腫れや痛みをうったえ、歩き回るとさらに症状が悪化するため、安静にさせる必要があります。

睾丸の腫れは1週間程度でおさまりますが、痛みは数週間つづく場合があります。

悪化すると睾丸の部分的な萎縮がありますが、男性不妊の原因となることはほとんどありません。

◼︎女の子は卵巣炎
卵巣炎は、おたふく風邪にかかった女の子の約5%に合併します。

虫垂炎に似た腹痛をうったえることがありますが、重症化したり、不妊につながることはありません。

永続的障害の恐れ:難聴

おたふく風邪のムンプスウイルスによって難聴になることを、「ムンプス難聴」といいます。

ムンプス難聴とは、ムンプスウイルスが内耳有毛細胞という耳の刺激を受け取る細胞に傷害し、難聴になってしまうものです。

ムンプス難聴は、年間で500~2,000人もの患者が発生している合併症です。

現状ではムンプス難聴に有効な治療法がないため、永続的な障害になってしまいます。

ムンプス難聴になっていても、新生児や乳児では症状に気づかないことが多く、小学校に入学する前の健康診断で難聴の診断を受け、その後の検査によりムンプス難聴と診断されることが多くあります。

合併症予防のためにも予防接種が大切

現状ではおたふく風邪に有効な治療薬はないため、予防接種を受けることが一番効果的なおたふく風邪対策です。

予防接種によって約90%前後の人が、おたふく風邪に有効な抗体を獲得することができています。

予防接種後におたふく風邪にかかってしまった場合でも、症状が軽くなったり、合併症が起こるリスクも低くなります。

おたふく風邪に有効なワクチンは、ムンプスワクチンといいます。

ムンプスワクチンは定期予防接種ではないため、任意接種となり、基本的に費用は自己負担です。

ワクチンの料金は病院により異なりますが、1回5,000~7,000円程度が平均です。

住んでいる地域によっては助成金がでる場合もあるので、自治体に確認をしましょう。

1歳を過ぎたら予防接種を受けられる

おたふく風邪の予防接種は、1歳を過ぎたら受けることができます。

1歳を過ぎたら1回目を接種し、3~6歳頃に2回目を接種することで、高い効果が期待できます。

予防接種による副反応は、部分的な痛みや微熱、まれに無菌性髄膜炎が起こることがあります。

副反応とは、予防接種の目的である「抗体を獲得すること」以外に起きる反応のことをさします。

副反応はどれも重大なものではなく、自然におさまります。

その他の予防方法

おたふく風邪のムンプスウイルスは、咳やくしゃみなどの飛沫感染と、飛沫で汚染された物への接触による接触感染でうつります。

集団施設では特に感染しやすくなるため、手洗いうがいや、マスクを着用するなどの基本的な予防方法が効果的です。

ムンプスウイルスは感染力が強いですが、消毒薬には比較的弱いため、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムでの消毒も有効です。

おたふく風邪にかかったら:対処方法

おたふく風邪にかかってしまったら、まずは近くの病院やかかりつけ医に相談しましょう。

おたふく風邪に効くウイルス剤はないため、腫れや発熱などの症状に対する治療が行われます。

発熱などに対してはカロナールなどの解熱鎮痛剤が使われ、重症化した場合は点滴や入院が必要になることがあります。

おたふく風邪にかかってしまうと1~2週間は治るのを待たなければならないため、予防接種を受けて事前に感染を予防しましょう。

症状をやわらげるために

おたふく風邪に効く薬はありませんが、家庭でも少しは症状をやわらげることができます。

医師の指示とともに、次のことに注意してあげましょう。

・処方された薬は医師の指示通りに使用する。
・食事は噛むと痛みがあるため、やわらかく調理したり、のど越しのいいものにする。
・食事や飲み物は、刺激物や酸味のあるものは痛みを感じやすいため避ける。
・腫れがひどい時は冷たいタオルなどで冷やす。
・外出をさけ、家で安静に過ごす。

学校は出席停止

おたふく風邪は学校保健安全法に指定されている感染症であるため、学校は出席停止になります。

出席停止期間は、「耳下腺などの腫れの症状が出てから5日経ち、良好な状態になるまで」と定められています。

出席停止に関する詳しい内容は、関連記事をごらんください。

まとめ

・おたふく風邪は合併症のリスクがある
・合併症では後遺症や障害が残ることがある
・一番の予防方法はムンプスワクチンの接種である
・おたふく風邪にかかったら学校などは出席停止になる

おたふく風邪対策のポイントをおさえて、子供がおたふく風邪にかかったときに適切な対応ができるようにしましょう!