体がだるい、立ちくらみがする、長時間立っているとめまいがする……

貧血は多くの方が頭を悩ませる身近な症状です。しかし放っておくとめまいや立ちくらみで立ち上がれなくなることもある危険な病気でもあります。

鉄不足が原因で起こる貧血は、軽症な場合は自分で対処や予防ができる症状です。貧血の身近な原因を知り対処しましょう。

鉄分が不足する貧血の原因は?

貧血にはさまざまな種類がありますが、最も多くみられる貧血は体内の鉄分が不足して起きる鉄欠乏性貧血です。

血液中の赤血球には全身に酸素を運ぶ役割があるヘモグロビンが含まれています。ヘモグロビンは主に鉄で構成されており、鉄分の不足はヘモグロビンの減少につながります。

ヘモグロピンが減少すると全身に酸素が行き渡らず脳や心臓・筋肉などが酸欠状態になり、めまいや吐き気などの症状が起こるのです。

鉄欠乏性貧血には次のような原因が考えられます。

偏食やダイエットなどによる栄養不足

ダイエットで食事を抜くことや栄養バランスが偏った食事、インスタント食品が中心の食生活は鉄分不足を招きます。

鉄分の摂取量が足りないだけでなく、鉄分の吸収を助けるたんぱく質やビタミンCの摂取不足も貧血を引き起こす原因となります。

また、成長期の子どもは通常の食生活では鉄分などの摂取が成長速度に追いつかないことで貧血を起こすこともあります。

妊娠・出産・授乳による鉄分不足

妊娠すると、体内の鉄分は胎児の発育や胎盤の維持に優先的に使われるので、貧血を起こしやすくなります。また、赤ちゃんは母乳から鉄分を摂取するため、授乳期になると特に鉄分が不足しやすくなります。

出産前後の貧血は赤ちゃんにも悪影響を及ぼすことにもつながります。

生理による出血

毎月の生理による出血量は個人差がありますが約25~60mlです。男性に比べて女性に貧血が多いのは、生理のたびにこれだけの出血をしているからです。

ただし、健康な女性であれば生理だけが原因で貧血を起こすことはほとんどありません。生理期間に加えて偏食やダイエットなどが原因で鉄分が不足している場合に貧血が起こりやすくなります。

病気が原因の出血

消化器官に出血がある潰瘍やガン、イボ痔などの病気が原因で貧血を起こすケースがあります。出血の量自体は少なくても、出血する期間が長期に及ぶため貧血につながります。男性の貧血では病気が原因となっていることが多くみられるので、注意が必要です。

女性の場合は子宮筋腫・子宮内膜症による月経過多・不正出血も貧血を引き起こす原因となります。

ほかにも、鉄分やビタミンなどの栄養素を吸収する胃腸の機能に障害があったり、血液を作り出す機能に障害が起こると貧血症状が現れます。

鉄不足が原因の貧血の治療法は?

鉄欠乏性貧血は鉄分の摂取で改善することが可能です。

重度の鉄欠乏性貧血の場合は、食事だけで治療に必要な量の鉄分を摂取することは難しいので「鉄剤」という鉄分を含む薬を使用します。

貧血の症状が重い場合は、病院を受診して適切な薬を処方してもらうことが治療の近道になります。

貧血の予防は毎日の食事で!

貧血を予防するためには、日々の食生活の見直しが必要です。鉄分を多く含む食材、鉄分の吸収を助ける食材をしっかりとることが大切です。

鉄分には吸収しやすい動物性鉄分の「ヘム鉄」と、吸収しにくい植物性鉄分の「非ヘム鉄」があります。吸収しにくい非ヘム鉄は、動物性のヘム鉄と一緒に摂ることで吸収率が良くなるので、なるべく一緒にとるようにしましょう。

鉄分の吸収を促すたんぱく質やビタミンC、赤血球に必要なビタミンB6・B12や葉酸も同時に摂取します。

妊娠中の方は自分と赤ちゃんの二人分の鉄分が必要となるので、いつも以上に鉄分不足になりがちです。特に葉酸は妊娠中に不足しがちな栄養素なので、積極的にとりましょう。

貧血予防に効果がある成分と食べ物
ヘム鉄 レバー、卵、イワシ、カツオ、マグロ、アサリ、カキ
非ヘム鉄 小松菜、菜の花、ほうれん草、ひじき
たんぱく質 レバー、鶏のもも肉、卵、牛乳、大豆
ビタミンB6 レバー、鶏のもも肉、イワシ、カツオ、マグロ、さつまいも
ビタミンB12 レバー、鶏のもも肉、卵、イワシ、カツオ、マグロ、牛乳
ビタミンC いちご、キャベツ、ゴーヤ、さつまいも、メロン、柿、柑橘類
葉酸 小松菜、菜の花、ほうれん草、キャベツ、ゴーヤ、さつまいも、柿、柑橘類

貧血にNGな成分

お茶などに含まれるしぶみ成分・タンニンは、鉄分の吸収を妨げる作用があります。貧血気味の方は以下の食品をとりすぎないように注意してください。

・しぶ柿
・栗のしぶ皮
・コーヒー
・紅茶や緑茶などのお茶
・ワイン

貧血予防に市販薬の活用を

軽度の貧血や貧血の予防には、普段から不足しがちな鉄分やビタミンなどを補う市販薬が効果的です。

自分の貧血の症状に合わせて適した市販薬を選択しましょう。

おわりに 

貧血の原因はほとんどが鉄分の不足によるものですが、中には胃・十二指腸潰瘍やガン、痔、子宮の不正出血など、重大な病気が隠れている場合もあります。

症状が長く続いたり、便が黒い・生理の出血量が多い場合などは重大な病気の可能性もあるので、医療機関を受診してください。