貧血と運動・スポーツの関係

貧血とは、血液中の赤血球や、赤血球に含まれるヘモグロビンという体内に酸素を運ぶ成分がなんらかの原因で減少して、血液中のヘモグロビン濃度が基準値以下に低下した状態をいいます。

成人における貧血のヘモグロビン濃度の基準値は、男性では12.0g/dl以下、女性では10.7g/dl以下とされています。

主な症状は、疲れやすい・脈拍が早くなる・息切れ・めまい・頭痛などがあり、スポーツ選手にとりわけ多く貧血が現れていることが知られています。

スポーツ選手の貧血は、練習や試合でのパフォーマンスの低下の原因にもなるため、早期発見早期治療が大切になります。

貧血の症状が現れた場合は、医療機関で血液検査を受けましょう。

運動による貧血の原因

軽度な運動が貧血の原因になることはほとんどありませんが、激しい運動を継続すると貧血になりやすくなります。

運動が原因となって起こる貧血は「スポーツ貧血」といわれていて、「鉄欠乏性貧血」「溶血性貧血」「希釈性貧血(偽性貧血)」の3種類があります。

鉄欠乏性貧血

運動による貧血の原因の多くは鉄欠乏性貧血とされていて、貧血全体の約70%を占めています。

激しい運動による筋肉内での鉄需要の増加や、発汗による鉄分の喪失が運動による鉄欠乏性貧血の主な原因です。

鉄欠乏性貧血はパフォーマンス低下の原因になるため、鉄分の補給による治療を要します。

溶血性貧血

走ったりジャンプしたりすることによって足裏に衝撃が加わることにより、赤血球が壊れることで溶血性貧血と呼ばれる貧血になることがあります。

剣道・サッカー・バスケットボール・バレーボール・マラソン・長距離歩行などの断続的に足の裏に負荷がかかるスポーツをする人に起こりやすい貧血です。

鉄欠乏性貧血同様にパフォーマンスの低下に繋がるため、鉄分の補給による治療が必要です。

希釈性貧血

鉄が不足していないのに、一時的にヘモグロビンの値が低くなる見せかけの貧血のことを希釈性貧血といいます。

激しい運動によって、血液の液体成分である血漿が増えてヘモグロビンの濃度が薄くなることが原因です。

しかし、希釈性貧血は効率よく筋肉を動かすための生理的な正しい変化であり、治療の必要はありません。

運動による貧血の予防法

通常、治療が必要な貧血と診断されるヘモグロビンの値は、男性では12.0g/dl以下、女性では10.7g/dl以下とされています。

しかし、マラソンを習慣にしているなど頻繁にスポーツをする人やスポーツ選手の場合は、貧血と診断されるヘモグロビンの値が基準値内に収まっていても貧血になることがあります。激しい運動を行う方は、定期的に血液検査を受けましょう。

貧血の予防の基本は食生活です。1日3回の規則正しい食生活を心がけましょう。

栄養素をバランスよく摂取するため、炭水化物を多く含む主食、たんぱく質を多く含む主菜、ビタミン・ミネラルなどを多く含む副菜などを組み合わせた食事がおすすめです。

貧血のときは運動制限または禁止するべき?

貧血のときの運動に関しては、治療を受けている医師の指示に従うのが第一です。

一般的には、貧血時の運動については軽度の場合であれば運動の強度を下げれば行うことができるとされています。

日常生活でも貧血の症状が現れるなど貧血が重度の場合は、運動を中止して治療に専念しましょう。

また、貧血の状態で長距離を走ると心臓に負担がかかり、心不全の危険性が高くなるので貧血のときに長距離を走るのはやめましょう。

貧血の治療中や治療後は、ある程度回復してきているため体調が良いと感じることがありますが、医師からの許可が出るまでは過度な運動を控えるようにしましょう。

なお、適度な運動であれば赤血球の生成を促進する働きが期待できるため、ウォーキングのような軽い運動は積極的に行いましょう。

おわりに

アスリートあるいは激しいトレーニングを行う方は貧血になりやすいため、貧血の症状が現れる前に定期的に血液検査を受け、貧血を予防することをおすすめします。

激しい運動をする方の中でも特に女性の場合は、生理による出血などで貧血を起こしやすいため、意識的に鉄を摂取するように心がけましょう。